「自分をドライブさせる”何か”を持っているか」 – ベンチャー・スタートアップの担当者が新卒採用で考えていること

by Junya Mori Junya Mori on 2014.6.11

ベンチャーやスタートアップと呼ばれる企業は常に人材が不足している。そのため、良い人材をいつも探しているといっても過言ではないが、人材を見つけるための人材も不足しているため、それもなかなか難しい。

人的リソース、金銭的なリソース、会社としての知名度など、人材採用を行っていく上で不利である要素を抱えるベンチャー・スタートアップたち。彼らがそんな課題を自らの力で乗り越えていくべくスタートさせたのが「Venture’s Live」だ。

今回、6月14日(土)に開催されるベンチャー40社合同で開催されるインターンシップ説明会「Venture’s Live」に参加予定のベンチャー企業の採用担当の方々に、ベンチャー企業での採用について話を伺った。

座談会に参加したのは以下の方々。

  • 株式会社オロ 人材採用・広報チーム マネージャー 吉田奨氏
  • 株式会社マイクロアド 人事部 伊藤允晴氏
  • Sansan株式会社 角川素久氏
  • 株式会社ワンオブゼム 石根友理恵氏
左から伊藤氏、吉田氏、角川氏、石根氏
左から伊藤氏、吉田氏、角川氏、石根氏

「Venture’s Live」が始まるまで

モリ:「Venture’s Live」はどのような経緯から始まったんですか?

吉田氏:2013年に何人かのベンチャー企業で採用担当をしている人間に声をかけてスタートしました。新卒採用は毎年やることは変わらないにも関わらず、ターゲットは毎年変わる。ここの採用コストをもう少しうまく調整できないかとは考えていました。そこで媒体やエージェントを通すのではなく、自分たちで直接学生と会う機会を作り出すのが良いのでは、と考えるようになりまして。

モリ:それで他社の採用担当の方に声をかけて?

吉田氏:そうですね。若手のベンチャー企業の人事が何人か集まってやっている勉強会がありまして、そこに声をかけました。

学生には直接会いたい

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伊藤氏:ベンチャー企業って想いの強い会社が多いと思うんですが、媒体やエージェントを通してしまうと、直接伝えたいものがなかなか伝わらなかったりします。直接リーチすることができれば、自分たちで伝えることができますし、学生の人からもフィルターがかかってない状態で見てもらうこともできるので、これはいいな、と。

モリ:直接会うことが重要だと?

伊藤氏:伝えるニュアンスが少しずれると、それが採用のミスマッチにつながってしまうことがあります。ベンチャーになればなるほど人数が少なく、一緒に働く密度は高くなります。そんな状況なので少しのズレでもあるとお互いにとって良くないので。

吉田氏:「Venture’s Live」に参加する企業で、学生が名前を知っている会社はほとんどないと思います。なので、直接会って直接伝えることにはかなり意味がある。

角川氏:ベンチャーは想いが強いところが多いので、直接会うと採用に結びつけるのは得意だったりします。なので、まず直接学生と会う機会をいかに作り出すかが重要になっています。

ベンチャー業界に関心を持つ学生を増やす

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角川氏:「Venture’s Live」に参加するベンチャー企業は一緒にイベントを開催しているんですが、当日は互いにライバルだったりします。来場した学生の人に少しでも多く来てもらいたいですから。

吉田氏:採用の現場ではすごい戦ってたりします(笑)。ですが、ベンチャーを志望したり、ちょっとでも見に来てくれる学生の人が増えると、そうした争いもなくなるので、より多くの人に「Venture’s Live」に来てもらいたいなと思ってます。

モリ:どういう学生が「Venture’s Live」には参加するんですか?

吉田氏:意外にもベンチャーを強く志望しているよりも、大手企業を中心に見ている人が多いですね。ただ、中には今大手の会社も昔はベンチャーだった、という考え方をしていて、将来有望なベンチャーを探しているという学生の方もいらっしゃったりします。

伊藤氏:大手企業を志望しているような学生の方に、いかに振り向いてもらうかが採用担当の仕事なんだと思いますね。そういう人が来てくれるほど業界は盛り上がると思います。

角川氏:大手企業も見ていて、ベンチャーもちょっと見てみたいという人は、なかなかベンチャー一社だけの説明会には来ないと思うんです。ですが、何社か集まっていると「ちょっと見てみようかな」という気持ちになる。そういう人にアクセスできる場としては唯一かもしれないですね。

ベンチャーの採用担当同士の交流

石根氏:弊社は新卒採用は昨年が初めてでした。初めてのことなので当然ノウハウがない。しかも、人材会社のマッチング方法がブラックボックスで、やってくる人材が本当に社に合っているかどうかわからない。「Venture’s Live」には少なからずベンチャーを志望する学生が来場するので会いたいという気持ちと、他社の採用担当の方から採用ノウハウも学ばせてもらいたいという想いもありました。

吉田氏:なかなか採用担当同士が会うことは少ないのですが、「Venture’s Live」を一緒に作り上げる過程で、採用の考え方はどう設計すればいいのかなど意見交換しながら作っていくことで色々な学びがあります。

学生のやりたいことをできるように

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吉田氏:ベンチャー企業も見ている学生で相性がいいのは自分のやりたいことがある学生ですね。商社やリクルートに就職したりする学生の人も相性がよかったりしますね。

伊藤氏:採用担当としては、やりたいことのある学生に対してそれをできるようにしてあげたいというのが心情です。どこにいっても食べていけるように育成してあげたいし、会社にずっといたいと思ってもらえるような魅力を創出し続けること。そうしないと会社もよくなっていかないですから。

吉田氏:やりたいことベースで会社を決めると結果としてミスマッチも減るかなとは思います。

モリ:学生から話を聞いて、やりたいことを気づかせてあげる、なんてこともあったりするんですか?

伊藤氏:むしろ、そればっかりですね。その中で「これはウチでできるんじゃない?」ということがあれば、話をしたり。もちろん、こじつけたりはしませんけれど。

角川氏:会社に何かを提供してもらうのを待っているだけの学生はベンチャーには向いてないですね。自分の中にドライバーがあって、内発的に自分を駆り立てて、自ら動ける人が向いています。「この学生は何が軸になっているのかな?」ということを考えたりします。「これが軸になっていればウチでもやっていけるな」と。

新卒にもとめているもの

伊藤氏:大手でも変わらないとは思うのですが、会社の文化を作っていってくれることと新しい風を取り入れることだと思います。ベンチャーの特徴だと、学生に期待する時間軸が大手と比較すると短いのかなと思いますね。

角川氏:ただ優秀であることよりも、会社のカルチャーを作っていってくれる側面を求めることが多いので、カルチャーマッチングの面が強いですね。優秀だと思っても文化が伝わらないとなるとお断りすることもあります。すり合わせは慎重にやるようにしています。

石根:弊社は他の社員に求めるものと、新卒に求めるものに差はないですね。「超爆速でやれ」ということと「ブレイクスルーを起こしてビッグになれ」ということ「足元の努力を怠らない」という会社として掲げていることができるかどうか。

ベンチャーは「人」

モリ:ベンチャーやスタートアップは「人」重視で採用を見るのかなと個人的には考えているのですが、何かやられていることはありますか?

吉田氏:オロは職種で選考を分けているんですが、入ることになるであろう部署の上長に採用に参加してもらうことにしています。入社したら上司になるかもしれない人に会えるのは学生にとっても、社員にとっても良いと思っています。

伊藤氏:マイクロアドはできるかぎり色んな人を採ろうと考えています。同じ人はいなくていい、という考え方。バラバラだからこそ学生の人には色んな社員の人と接してもらって、自分に合うかどうかを判断してもらえればなと思っています。

角川氏:学生はより「人」を見ると思っています。ベンチャーって「人」でしかないので。ベンチャー企業は志先行でやっていて、まだ作りたいものは実現できていない。すると、作ろうとしている人を信じられるかどうか、どれくらい本気なのか、どれくらい優秀なのかで判断されるんだと思います。

石根氏:新卒にかぎらず、ワンオブゼムのメンバーは社長と社長のビジョンに共感して集まる人が多いですね。ただ社長との距離が開き過ぎないようにはしています。社長との距離の近いことの良さはありますね。

「Venture’s Live」に来てほしい学生像

モリ:6月14日(土)の「Venture’s Live」にはどんな学生に参加してもらいたいですか?

伊藤氏:何かしら自分の中にやりたいと感じていることがある人はぜひ来てもらいたいですね。そのやりたいことを確認する場だと思ってもらえれば。やりたいことは色々な会社と出会って核心に迫っていくものだと思うので。

吉田氏:採用担当としては、魅力的なインターンプログラムを用意している企業が揃っているので、ぜひ来てもらいたいと思います。一個人としては、当日会場には多様なキャリアを持った人が会場にいるので、話を聞きながら自分のやりたいことについて考えてもらいたいと思います。

角川氏:この記事を読んだ方は全員に来てもらいたいですね。

石根氏:今まさに就活中の学生のみなさんに、ひとつの選択肢としてこういう働き方があるんだよ、ということを知ってもらえればと思いますね。

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学生向けインターン説明会「Venture’s Live」は6月14日(土)に開催される。この記事を読んでベンチャーやスタートアップと呼ばれる会社で働くことに関心を持った学生の方はこちらからイベントの詳細を確認してもらいたい。

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