日本人がLinkedInを使わない理由【ゲスト寄稿】

ゲストライター by ゲストライター on 2015.1.14

james-riney_portrait本稿は、STORYS.JP を運営するレジュプレスの元CEOで、現在は DeNA でベンチャーキャピタリストとして活躍する James Riney による投稿の翻訳である。本稿の翻訳掲載にあたっては、原著者である James Riney の許諾を得た。

The Bridge has reproduced this under the approval from the story’s author James Riney.


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(写真は、LinkedIn Japan の Facebook ページから)

東京でカンファレンスに参加したとしよう。日本の商習慣にならって、会った人とはお辞儀しながら名刺を交換、しっかりと相手の名刺の内容をを確かめる素振りを見せてから、名刺をしまうことになる。これは重要な動きだ。それが日本の商習慣だからだというだけでなく、相手が誰であるかわからないからだ。相手が皆知るところのトヨタ自動車の前CEOである可能性もあるわけで、そこは慎重にやるべきだし、後から LinkedIn で彼を見つけてからそれを知ることになる。

名刺の束を抱えてホテルに戻ると、その名前を検索してみるのだが、結果は見つからず。

2時間すると、その日に会った人5人から Facebook に友達リクエストが届く。

どうして私を友達に追加するんだ? プライベートと仕事を分けるということを知らないのだろうか?

ここでまずわかるのは、日本人は LinkedIn を使わないということだ。日本人は Facebook を使う。Facebook と Twitter は日本では広く人気を得るようになったが、理由はともあれ、LinkedIn はそうではない。

その理由の一つは、ほとんどの日本人が持つ LinkedIn に対する考え方だろう。多くの人が長期雇用や永年雇用を望む文化の中では、LinkedIn は仕事探しサイトとしか見られない。あなたが入力した LinkedIn プロフィールを上司が見るということもまずない。これは、キャリアを棒に振る行為だろう。

もう一つの理由は、LinkedIn のデザインがシンプル過ぎるからかもしれない。ユーザには何も書かれていないプロフィール欄が提示され、そこにこれまで築いてきたキャリアのことを書かねばならない。日本人は自分のことを大っぴらに誇らしく語ることはしないので、これは問題になる。例えば、アメリカ人のプロフィールなら、

着任した最初の年に、売上を500万ドルから2,000万ドルに伸ばし、利益も3倍になった。

…とか書いてあるだろう。日本人が自分を紹介するときに、このような表現を使っているのを見るのは稀である。

日本人が自慢しないというわけではない。彼らも自慢するが、間接的な表現を使うのだ。彼らはそのような表現で、謙虚を装って自慢する。LinkedIn が、ユーザがやり終えたキャリアをすぐにプロフィールに書くことを求めるのとは対照的に、Facebook では過去の仕事、知人、関わったプロジェクトなどを推測して表示する。これぞ、究極の自慢ツールと言えるだろう。

もう一つ重要なファクターがある。人々は、よい取引を提供してくれる相手よりも、好きな相手と仕事をする傾向にある。日本では、圧倒的にこのケースが当てはまる。ビジネスはしばしば近い人間関係を基本とし、そのような関係を築くには、他の誰かによる紹介を必要とする。毎日の生活の動きを他者と互いに共有するのは、そのための努力の一環だ。そして、Facebook は他人の生活を垣間見る窓を提供してくれる。

私も含め、多くの人がこれまでに日本版の LinkedIn を作ろうとし、失敗してきた。我々はこう考えた。

日本人は、仕事のためのソーシャル・ネットワークを必要としないのだろうか?

いや、必要とはしている。しかし、(筆者が日本版 LinkedIn を作ろうとしたときには)日本人にとってのソーシャル・ネットワークが Facebook を指しているということがわからなかった。

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