あなたはまだ23歳。生き急がないで。

Medium Japan by Medium Japan on 2016.3.26

Patagonia, Argentina

Patagonia, Argentina

今日、勤務する会社のCEOに「もっと上を目指すには何をすればいいですか?」と尋ねてみたところ、「君は今月もう4回も同じことを聞いてきているぞ」と言われました。いつも一生懸命私が努力していることを認めつつ、彼は「もう少し時間をとってごらん」とアドバイスをくれたのです。過去にフィードバックを求めた時も同様でした。彼はいつも「君はよくやってくれているし、この調子で頑張れば大丈夫だ」と答えてくれていました。

私は「こんなフィードバックが1番いらないのよ」と心の中で思っていました。「大丈夫」でなんていたくない。「凄い!」とか「エクセレント!」「アメージング!」。そういった存在になりたかったのです。「大丈夫」なんて言われるのはほとんど侮辱的でした。だって「月並み」と言われるのと同じですから。

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私の目標の1つは、いつも自分がその場で「1番出来の悪い存在」であることです。そうすれば私はビックリするくらい頭の切れる人たちに囲まれて多くを学ぶことができますよね。このやり方で私は誰よりも速く成長できました。でもこうしていると、ついうっかりしていつも自分と周りの人の比較をしてばかりです。

私の会社のCEOは数百万ドルの価値のある会社を28歳の時に売却しました。プロダクト・マネージャーは複数の事業を立ち上げ、売却していますが、彼はまだ25歳です。私より2歳上でしかありません。毎日毎日信じられないくらい頭が切れて才能に溢れるこの2人と仕事をしていると「私は何をやってきたんだろう?」と自問してしまいます。たった2〜5歳しか違わないのなら、私は彼らの年齢になるときに何を成し遂げられているのでしょうか?

マーク・ザッカーバーグやビル・ゲイツ、スティーヴ・ジョブズを始めとする20歳そこらで世界に「へこみ」を残したファウンダーたちのストーリーは私たち(あまりに野心が強くて何でも欲しがり屋のミレニアル世代)を焦らせます。

「若く、学校を出たてで、何も失うものはない今こそが最良の時だ」、「家族や住宅ローン、責任といったものにがんじがらめにされるのを待つのはやめなさい」と教える数え切れないストーリーがあっても何の役にも立ちません。この生き急ぐ焦燥感は早く成長して価値を生み出したいと私を駆り立てるのです。

私は人より早くゴールにたどり着きたかったのです。1日1日進歩したかったのです。そして私はできるだけ多くを学びたかったのです。そうすればそれだけ速く価値を生み出せますから。私たちは平等に1日24時間与えられていますが、私はその1分1分を誰よりも生産的に過ごさなければならないように感じていました。朝食時にはUdemyの講義を視聴していますし、移動中はポッドキャストを聴いています。バスを待っているときはPocketというアプリで記事を読んでいます。そうしていなければ周りに後れをとる気がしてしまうのです。

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数カ月前、シリコンバレーから戻ってきた時のことを覚えています。とても多くの人たちが私に「テック業界で働いていて、できるだけ多くを学びたいならシリコンバレーに引っ越すべきだ」と話してくれました。より多くのチャンス、資金、才能、成長。筋が通っています。演技やパフォーマンスをしたければロサンゼルスに行くべきですし、テック/スタートアップの仕事をするならサンフランシスコに行くべきです。

1人の友人が次のように言いました。「シリコンバレーにはより多くのチャンスがあるから、速く学び速く成長できる。でももし今行かなければ、きっと君は後れをとるよ」。この話を聞くと怖くなりました。だって私は同僚に後れをとりたくないのです。もう少しで荷物をまとめて引っ越すところでした。

トロントに戻って私はもう少し考えてみました。「なぜ私はどうしてもサンフランシスコに引っ越したいんだろう?」「それは本当に私が望んでいることなの?」しばらく考えた後で気づきました。スキルを身につけたりキャリアを積む野心を持つことは大切ですが、家族や自己啓発、仕事とプライベートのバランスも同じように大切なのだと。

でもサンフランシスコに引っ越した後では、人生にこのようなバランス感覚を持ち込むのは罪とすら感じるようになるはずです。今が人生の黄金期だと分かっているので、できるだけアウトプットをして「成功」の基礎固めの機会を作るべきだと。

再び、私はバランスの取れた生活を送りたがっていることに罪悪感を覚えました。でも、それは間違っていたのです。

周りの誰も、私の年齢で「バランスの取れた人生を送りたい」などと言うのは間違いだと指摘しませんが、強迫観念と言えるほど生産性を高めることに執着し、常に何かに追われている私たちのカルチャーはそういう生き方を明確に否定しています。素早く改善を繰り返してマーケットに向けてまっしぐら。スケールが常に最優先というテック業界で働いているせいかもしれません。ここでは素早く行動しなければ競争に勝つことができないのです。

それで私は自分自身をスタートアップと勘違いしてしまったのです。カチカチなる時計に追われ、自分に「もっと速く、もっと優秀にならなきゃダメ」と言い聞かせながら。

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私は仕事が終わってからIndigo(訳者注 カナダのブックチェーン)で3時間ほど過ごしてきたところです。本を選んで、1ページ目から最後のページまで1冊まるまる読み終えました。最後にこんなことをしたのはいつだったかまるで覚えていません。何が私にそうさせたのかも。

でも素晴らしい体験でした。面白い本の世界に迷い込んで、心がどこかに連れ去られてしまうのはどんな気分か忘れていました。私の頭は「1,000近くも他にすべき事や心配事があるのだから」と告げていましたが、無理やり本を読み終えました。

そしてどうなったと思いますか?OKでした。

生産的だったかですって?議論の余地ありです。時間の無駄?いいえ、そんなことはありません。自分の会社が売れたかですか?いいえ、まだ。今後2年以内に会社を売ったり、金銭的見返りを得られるほど十分な価値を世の中で生み出せるかですって?分かりません。

でも、そうでなくてもいいんです。自分への学びになり、誰かの人生に価値を与えられる限り、今日はやはりいい日です。

私はまだ23歳です。そして、そう、あと1年半もすれば四半世紀生きたことになります。でもそれは見方を変えれば、何かを学びつづけたり価値を生み出したりするのに私には75年も残されているというのと同じです。その657,000時間以上を私は自分のやりたいことに使えるのです。

スージー、あなたはまだたった23歳なのよ。生き急がないで

By Susie Pan

Translated from original by Ray Yamazaki, with thanks to Medium Japan.

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