日本財団主催のソーシャルイノベーションフォーラム2016が開幕——小泉進次郎衆院議員がソーシャルイノベーターらを激励

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イベント冒頭に挨拶をする日本財団会長の笹川陽平氏

本稿は、9月28日〜30日に東京で開催された「ソーシャルイノベーションフォーラム2016」の取材の一部。

日本財団は、同財団初となる社会起業やソーシャルインパクトに特化したカンファンレンス「ソーシャルイノベーションフォーラム2016」を28日〜30日の3日間にわたり東京で開催、1日目となる今日は、日本財団会長の笹川陽平氏の挨拶に引き続き、これまでに復興政務官や地方創生担当政務官を務めた衆議院議員の小泉進次郎氏が基調講演した。

ソーシャルイノベーションフォーラムでは、「新たな発想と明確なビジョンを持ち、セクターを超えたチームを結成し、社会課題の解決に向けて、失敗を恐れずに活動を推進できるリーダー」を〝ソーシャルイノベーター〟と定義。今年4月に募集を開始したソーシャルイノベーターのプログラムには全国から225件の応募があり、その中から10組11人がソーシャルイノベーターに選ばれた。30日には、彼ら11人によるプレゼンテーションが実施され、そのうち優れた数件を〝特別ソーシャルイノベーター〟として選出、日本財団から上限1億円×3年間の支援が提供される予定だ。

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今回選ばれたソーシャルイノベーターの皆さん

イベントの冒頭で挨拶に登壇した笹川氏は、国や行政だけでは解決できない社会課題には、民間や公私の垣根を超えたマルチセクターでの取り組みが必要だと指摘し、昨今、特に日本の若い人々が自ら社会のために何かできないかと行動を始めていることは、日本の将来を切り拓いていく上で喜ばしいことだと述べた。続いて笹川氏は、東北大震災の被災地や地方創生の現場を行脚し続ける小泉氏を、江戸時代後期の農政家・二宮尊徳(金次郎)の功績になぞらえ〝小泉金次郎〟として紹介し、聴衆の笑いを誘った。

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徳島県神山町の「神山しずくプロジェクト」から生まれた、間伐材の杉を原材料とする器を手に、イノベーションの重要性を説く衆院議員の小泉進次郎氏

小泉氏は、人口減少と少子化は不可避の現実として受けとめるべきだと述べ、仮に、悲観的な考えしか持てない人口1億2,000万人の国より、将来を楽観視し自信に満ちた人口6,000万人の国の方が、さまざまなイノベーションの成功事例が生み出せるのではないかと提言。2020年の東京オリンピックやパラリンピックの終了後、直視せざるを得なくなる社会課題に備え、今回のような機会を通じてコレクティブなインパクトが生まれることを望みたいと述べ、ソーシャルイノベーションフォーラムへの期待を明らかにした。

日本財団はボートレースの収益金の一部を原資とし、日本で初となるソーシャルインパクトボンドのパイロット事業を横須賀市福岡市や松本市尼崎市などで行なっている。最近では、熊本大地震で倒壊した熊本城の修復に、30億円の資金拠出を表明したことでも記憶に新しい。

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<参考文献>

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