においを創造するスタートアップZaaZが新会社VAQSOを設立——ゲーム界の寵児・黒川文雄氏を顧問に迎え、世界市場に向けたVRデバイスを開発へ

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2017.1.20

左から:VAQSO 共同創業者で CEO の川口健太郎氏、アドバイザーの黒川文雄氏

東京を拠点とするスタートアップ VAQSO(バクソー)は17日、都内で会見を開き、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)に装着することで、VR ゲームなどににおいを付加することができるデバイス「VAQSO VR」を発表した。VAQSO は、においを使った飲食店向けの販促サービスなどを手がけてきた ZaaZ の川口健太郎氏らが設立。川口氏が CEO に就いたほか、CEREVO で Hackey の開発をリードした小薬達也氏を CTO に、また、数々のオンラインゲームを手がけてきた黒川文雄氏をアドバイザースペシャルアドバイザーに迎えた。川口氏がにおいの企画や開発を担当する一方、黒川氏がこれまでに培った人脈を活用したビジネス開拓を支援する。開発拠点は東京の DMM.make AKIBA 内に置き、世界市場進出を前提として海外からの投資を受けやすくするため、本社はアメリカ・サンフランシスコに設置する。

VAQSO VR は、チョコレート菓子の Snickers と同程度の大きさ・薄さで、マグネット磁石により HMD に装着が可能。VR コンテンツに同期して発生させることができる、異なるにおいのカートリッジをセットすることができる。プロトタイプ段階では3種類のにおいのカートリッジが装着可能だが、製品版では5〜10種類のカートリッジを装着できるようにする計画だ。また、デバイスには小さな送風ファンが備わっており、現在開発中の機能ではあるが、送風ファンの回転速度を VR コンテンツと同期させることで、ユーザがバーチャル空間で対象物に近づいたり離れたりするのにあわせて、においを強くしたり弱くしたりすることもできるようになる予定。

また、VAQSO は VR ゲームデベロッパ向けに VAQSO VR を制御するための API を完成させた。VAQSO VR との接続にはライブラリ(Unity 向けのプラグイン)が提供され、デベロッパは、ソースコード先頭で宣言する include 文1行と、イベント発生箇所に記述するコード1行だけで、ゲームを VAQSO VR に対応させることが可能になる。VAQSO では、VR ゲームデベロッパから広く意見をもらうためにデベロッパーサイトをオープン(ここから参加申込ができる)、得られたフィードバックに基づいて製品の改良を行い、製品版の出荷開始にこぎ着けたいとしている。

この分野には FeelrealNoslus Rift などの競合が存在するが、超小型のデバイスで複数のにおいが出せるという点で、VAQSO VR は優位であるとのこと。また、Oculus Rift、HTC Vive、PlayStation VR をはじめ、あらゆる HMD に装着可能なように設計されているため、潜在顧客層も広く確保できるとのことだった。VAQSO では今年4月には広告、ゲーム、OEM 生産などの B2B ビジネスを立ち上げ、年内には B2C 向けにも販売を始める見込みだ。

Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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