中国の配車サービス大手Didi Chuxing(滴滴出行)、中東・アフリカ・アジアの同業Careemに戦略的投資——グローバル展開に向け足場を確保

by Paul Sawers Paul Sawers on 2017.8.25

中国の配車サービス大手 Didi Chuxing(滴滴出行)は、中東、アフリカ、アジアの一部地域で人気を博しているライバル企業 Careem に対し戦略的投資を行った。

金額は非公表ながらも、今回の投資は幅広い提携の一環であることを表している。それは両社が「インテリジェントな輸送テクノロジーのナレッジ、製品開発、オペレーションをシェア」するものだと Didi が報道発表でコメントしていることからも分かる。

Didi Chuxing は2015年初めに現地のライバル企業同士だった Didi Dache(滴滴打車)と Kuaidi Dache(快的打車)の合併により誕生した。Uber と同様に Didi Chuxing はスマートフォンを使った車、タクシー、プレミアム車両などの自動車サービスを提供している。同社は最近、数回にわたって多額の資金調達を行っており、その中には今年の55億米ドルのほか、昨年は73億米ドル(うち10億米ドルは面白いことに Apple から調達)などの案件がある。

4億ものユーザを抱えるとされる Didi は、主として中国で知られた企業だが、提携や投資といった数々の取り組みにより「持続可能でグローバルなモビリティのエコシステム」を構築する計画を公にしている。Didi はかつて、アメリカにおいて Uber のライバル企業 Lyft に投資しており、インドでは e タクシーの巨頭 Ola に、さらに東南アジアでは Grab に資金を投じている

2012年にドバイで設立された Careem は、パキスタン、トルコ、エジプト、モロッコ、サウジアラビアなど13か国、80都市に25万人のドライバーがいるとしている。同社は5億米ドルを超える金額をエクイティファンドで調達しているが、最近は Daimler などの大企業から資金調達ラウンドで1億5,000万米ドルを確保している。Careem は VentureBeat に対し、最近のシリーズ E ラウンドでは Didi からの投資は受けなかったものの、世界展開について Didi が真剣にとらえているのは明らかであり、それは国外との継続的な取引に表れているという。

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Didi Chuxing の設立者兼 CEO の Cheng Wei(程維)氏は次のように話している。

MENA(中東と北アフリカ)地域で都市人口が増加し、経済・社会の多様性が拡大していますが、これは配車エコノミーにとって大きな機会であることを示しています。Careem は、この地域のテクノロジーおよび市場のリーダーです。テクノロジーのシェアと共同開発を通して、この地域の運輸業界の継続的な成長と変革をサポートしていくほか、現地で莫大な規模を持つインターネットエコノミーに進出し、世界中の広大なコミュニティに対し、よりイノベーティブなネットワークを育んでいきたいと思っています。

プレーヤー各社統合の歴史

アメリカの Uber は世界中の多くの地域で名声の確立された e タクシーブランドだが、一部の市場では、現地プレーヤーの台頭を押しのけるに十分なスピードでスケールしようと必死だ。その結果、ライバル企業は提携し合い、全体として統合する動きがみられる。東欧では最近、Uber とロシアの Yandex が複数の国でサービスを統合させており、昨年には Uber の中国事業が Didi へ完全売却された。昨年の夏には Daimler の MyTaxi がイギリスの e タクシー企業 Hailo と合併、今年に入ってその MyTaxi がギリシャのライバル企業 Taxibeat を買収し、欧州の Uber 事業との戦いに挑んでいる。

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Didi がライバル企業に投資していること自体は驚くことではないが、この動きによって、同社の中国以外における進出計画に関するヒントが示されている。それは、多額のキャッシュを調達し、他国市場のライバル企業に投資することだ。

Didi は旅行客のニーズにも応えており、最近は、インバウンドの外国人向けにリアルタイムの翻訳ができる最新の英語版アプリをローンチした。また、Avisとも提携して、国外を訪れる何百万もの中国人向けにレンタカーサービスを提供している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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