Didi Chuxing(滴滴出行)、ブラジルの配車サービススタートアップ99の買収を認める

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中国の e タクシー大手 Didi Chuxing(滴滴出行)は、同社がブラジルの配車サービス大手 99 を買収手続中であるとした先ごろの報道を認めた。買収条件詳細は、開示されていない。

今回の買収から数週間前、Didi Chuxing は40億米ドルの調達を発表しており、同社の累積合計調達金額は約200億ドルとなった。2013年に設立されたサンパウロ拠点の 99 は、これまでに Qualcomm、ソフトバンク、そして Didi Chuxing など特筆すべき投資家から約2億4,000万ドルを調達しており、昨年1月には1億米ドルに上るシリーズ C ラウンドを実施した。

Didi Chuxing は2015年、互いに中国の配車アプリ競合だった Didi Dache(滴滴打車)と Kuaidi Dache(快的打車)が合併して生まれた。 Didi Chuxing は Uber に似て、カープーリング(乗合)、タクシー、運転士付き高級車など、スマートフォンを使った配車サービスを提供する。

Didi Chuxing の中心的な配車サービスは中国国内での提供に限られる一方、同社は主要な市場で Uber の顧客獲得を脅かすような、特定のターゲット市場に特化した投資戦略で提供エリアを拡大しつつある。昨年8月、Didi は中東、アフリカ、アジアの数十都市で人気を集める配車サービス Careem に出資、また、ヨーロッパやアフリカでサービスを提供する Taxify にも出資している。他にも、Didi はアメリカ国内で Uber にとって競合である Lyftインドの Ola、東南アジアの Grab に投資している。Uber は2016年、同社の中国部門を300億米ドルで Didi に事業譲渡している。

Didi は、同社が国際展開する計画を明確にしており、その計画は、99 の例で見られたように、最終的には完全買収に至るかもしれない大規模な投資を通じて進められていることが、明らかになった。

Didi の創業者で CEO の Cheng Wei(程維)氏は、次のように語っている。

グローバリゼーションは、Didi にとって最優先戦略です。AI 機能やスマート輸送ソリューションへの投資を強化し、多岐にわたる国際的な運営や提携を通じて、世界の輸送および自動車産業の変革を進めていきます。

今回の買収の結果、Wei 氏は Didi がラテンアメリカでの成長の加速を目指すことになるだろう、と述べた。

ブラジルで 99 の創業者やチームが達成した成功は、ラテンアメリカにおける起業家精神、イノベーションの精神を具現化しています。我々2つのチーム間の信頼関係を土台に、この新しいレベルでの統合は、より便利で付加価値の高いモビリティサービスをラテンアメリカにいもたらすでしょう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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