中国のコワーキングスペース界のユニコーン URWork(優客工場)の CEO Mao Daqing(毛大慶)氏は北京で開催中の Summit of Influence Investment(影响力投資峰会)で本日(8月17日)、急成長中の同社は海外事業拡大の準備が全て整ったと話した。同社にとってのアメリカのライバル企業である WeWork がこのセクターで確固たる地位を固めているとはいえ、Mao 氏は URWork の海外拡大に楽観的だ。
今年6月にシンガポールに初の海外支店を開設した URWork は、中国国外のマーケットに大きな価値を見出している。というのも、スタートアップは中国市場に参入するだけでなく、世界第2位の経済大国から投資家を呼び込むことを望んでいるからだ。
中国の不動産コングロマリットVanke(万科)の元幹部である Mao 氏は話す。
スタートアップ各社が私たちのコワーキングスペースを利用することに決めた主な理由は、私たちを通じて中国からの投資を呼び込めないかと期待しているからです。
当社が正式にロサンゼルスに支店を開設する前ですら、当社のオフィススペースの入居率は60%に達していました。
Mao 氏は今年6月の CNBC のインタビューでも、次のように述べている。
シンガポールは良い拠点となりました。国際化に関心がある企業との出会いがあり、中国への『架け橋』となるからです。
URWork は4億人民元相当の資金を調達した後、今年1月にユニコーンの地位まで成長した。先月同社は Beijing Aikang Group(北京愛康集団)からの2億人民元(2,941万米ドル)の戦略株式投資による資金調達を発表した。この他にも、URWork は過去6ラウンドで総額12億人民元(1億7,500万米ドル)の資金を調達しており、また、4月にはライバル企業 New Space(洪泰創新空間)の買収も行っている。
コワーキング分野におけるトップ企業2社の戦略合併がおそらく URWork の成功の鍵であろう。同社によれば、合併後企業の市場評価は90億人民元(13億1,000万米ドル)に達するとのことだ。
現代では一社単独で戦うのは困難です。自分の業界に関係する人々や組織を特定する必要があります。おそらく買収は自社がより速く成長するのに役立つことでしょう。これは起業家として理解していなければいけないことです。
設立から2年の URWork はいまや中国20都市に78ヶ所の事務所を構え、シンガポール、ロンドン、台湾、ニューヨーク、ロサンゼルスにも進出を果たしている。アメリカのコワーキング企業であるWeWorkは特にトレードマークの点でこの動きを喜んでいるようには見えない。最近になり同社はロンドンで URWork に対して法的行動を開始しており、この急速に拡大する中国企業が同社トレードマークを侵害しているとして訴えている。
中国コワーキングスペース事業の芽生えを目にし、シリコンバレーを本拠に169億米ドルの評価額を誇る WeWork は、URWork のホームグラウンドである中国にも積極進出を進めている。同社は北京や上海、香港に複数の拠点を開設している。
今月初め、WeWork Asia のマネージングディレクター Christina Lee 氏は TechNode(動点科技)に次のように話している。
当社サービスは絶対に北京や上海、香港にさらに深く浸透します。
以前、同社は5億米ドルの東南アジア拡大計画の一環としてシンガポールの Spacemob 買収を発表しており、また、SoftBank と Hony Capital(弘毅投資)から中国拡大に向けて5億米ドルの投資も受けている。
中国のスタートアップであれ、中国大手企業であれ、中国進出を目指す企業にせよ、非常に重要となる次に目指すべき都市群があります。(Lee 氏)
コワーキングスペース運営にAIを採用へ
WeWork 拡大の動きに直面してはいるものの、URWork は何か「未来のためのもの」を作ることを目指している。
私たちはオフィス管理へのAI採用に向けて Alibaba(阿里巴巴)と協業しています。今はあまりお話できないのですが、オフィスビルというものを変えようと考えています。(Mao 氏)
同社の目標は職場を人に頼らず管理することだ。
自動運転について話す人は大勢いますが、『無人』のオフィス管理について話している人はほとんどいません。(Mao 氏)
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