Startupbootcamp FinTech Acceleratorが初のデモツアーを開催、アジアから集まった8チームが東京でピッチ【ゲスト寄稿】

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


Startupbootcamp FinTech のマーネージングディレクター Steven Tong 氏

シンガポールを拠点として3ヶ月にわたり展開される Startupbootcamp の Fintech Accelerator プログラムは、アジアで初となるデモツアーを開催した。7月5日にシンガポールから始まったツアーは、7カ国11人の参加者を従えて10日間にわたり展開され、成都や香港を経て、7月14日に東京に到着した(最終日となった東京では、韓国の AIM、台湾の Fugle、ロシアの Smartfolios の3社を除く8チームのみがピッチした)。東京では、ローカルパートナーの支援を得て、FINOLAB によりデモツアーが主催された。

Startupbootcamp は、三大陸に11オフィスを持つ、ベンチャービルダー/デザインスタジオ/コンサルティング会社の Rainmaking のアクセラレータ部門だ。アジアでは、さまざまな業界の企業から構成されるチームの中で、起業家の問題解決を促進している。今回の東京訪問イベントは、Startupbootcamp Asia の担当者がこの取り組みを説明し、日本にやってきたスタートアップへの道を開くところから幕を開けた。そして、Startup FinTech Program のディレクターをツアーのまとめを述べ、この日を終えた。

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8チームのピッチは概要は以下の通り。

CherryPay(シンガポール)

Amazon Web Services やシスコシステムズの支援を得ているシンガポールの CherryPay は、国際的な P2P の送金マッチングプラットフォームをプレゼンテーションした。チーフマーケティングオフィサーの Kate Wu 氏は、同社が越境ネットワークを最大限に活用することで、地元銀行の講座を通じて資金を迅速に受け取れるだけでなく、レートが安価でサービス料金も手頃であると述べた。

Smallticket(韓国)

会社のロゴに飾られた目を引く服に身を包んだもう一人のビジネスウーマンは、韓国の Smallticket の創業者で最高責任者の Julie Kim Jung Eun 氏だ。このオンラインソーシャル保険ブローカーは、P2P の報酬プラットフォームによりリスクを最小化してくれる。Kim 氏は、Smallticket のシステムを利用するマイクロセグメント・グループのメリットを強調した。

Vesl(フィリピン)

経営陣が全員フィリピン人という Vesl からは、プロダクト開発担当者の女性が代表して同社のサービスについて語った。これまでは安価な金融へのアクセスが許されなかった中小企業や農業組合などに、手頃な規模の貿易信用保険が提供されるようになりつつあることが説明された。Vesl は現在、世界的な保険ブローカーと提携している。

Morakot(カンボジア)

マイクロファイナンスを提供するカンボジアの Morakot の CEO 兼共同創業者の Sophorth Khuon 氏は、同社が今年のミャンマー進出に引き続き、2018年にはフィリピンに進出する計画があることを明らかにした。彼は、新興市場が直面する問題について強調し、同社はコアバンキングを基にしたビジネスモデルで、これらの問題に臨もうとしていると説明した。

Scalend(インド)

ビッグデータの取扱など困難な問題へのソリューションとして、Scalend は人工知能をベースとした、金融サービス企業向けのデータおよび洞察発見プラットフォームを紹介した。共同創業者2人のうちの1人である Ravi Madhira 氏は、彼らが40年以上にわたりインターネット規模のシステムを構築してきた経験について語った。

Jimper.ai(インド)

Jumper.ai の共同創業者 Yash Kotak 氏は、インスタント・チェックアウトなど同社のソーシャルメディアを使った E コマースを実現するしくみについて語った。Jumper のテクノロジーを使った自動販売促進機能は、Facebook、Instagram、Twitter、YouTube で利用でき、近い将来、Line などの他のソーシャルメディアにも対応する計画だ。

Tixguru(シンガポール)

もう一つの AI ユーザであるシンガポール拠点のスタートアップ Tixguru は、金融機関向けのクオンツトレーディング推奨機能に特化している。COO の James Ong 氏によれば、同社のロボットアドバイザーは、この業界での十年以上の経験に基づいて生まれたものだそうだ。

Smart Trade(日本/中国)

日本と中国の両方に拠点を持つ Smart Trade もクォンツトレーディングに関与しているが、同社の場合は、ターゲット市場を個人投資家に定めている。日本における CEO で共同創業者である内田友幸氏は、同社の Algorithm Store と Algorithm Factory というプロダクトについて説明した。CMO で共同創業者の Guangzhen Li 氏は、この業界で非常に活発に活動していることで知られている。

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