写真の自動タグ付けで考える、人間が人工知能の提案を信頼するために必要な3つのフェーズ

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2017.10.10

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Photo via Visualhunt

編集部注:寄稿者のLinda Tong氏は、アプリのパフォーマンスと顧客の体験をビジネス成果に結びつける企業「AppDynamics」のイノベーションラボとプロダクトを担当している人物。

データが爆発している。

行動分析から好みに至るまで、これほどにまで大量のデータを抱えてしまうと企業は意味ある方法ですべてのデータを処理し、有効活用することができなくなってしまう。つまり、ここからが機械学習の魔法が活躍する場面だ。大規模な社内データセットに適用することで機械学習は重要な洞察を導き出し、超人間的な規模で実行可能なレコメンドや予測を提供することができるようになる。

しかし自動化や機械学習、人工知能が日常生活に登場するようになるにつれ、多くのユーザーが疑問を抱き始めている。

機械学習ベースのレコメンデーションをどれほど信頼できるのか?この予測が正確であることをどうやって知ればいいのだろうか?これは自分の仕事に必要なものなのだろうか?

機械学習はまだ未熟な段階にあるため、こういった躊躇は当然だ。しかし機械学習や自動化は、負担ではなく利益と見なされなければならない。実際、ガートナーは2020年までに人工知能関連の新たな雇用が200万人増えると予測している。人工知能は多くの雇用の生産性を向上させ、人々のキャリアを豊かにし、古い仕事を見直す。しかし、機械学習がその点に到達して有意義な影響を及ぼすためには、人々はテクノロジーへの関心を深め、時間の経過と共にそれを信頼する機会が必要となる。

信頼構築の第一歩は、人々がそのテクノロジーを体験する方法から始まる。現代的な設計アプローチとしては、まず段階的かつ透明性のあるレコメンデーションをしつつ、ユーザーを支配するのではなく、まるでパートナーシップのようなアプローチを通じて、ユーザーとの間に信頼関係を築くことだろう。人間関係を育てるのに時間がかかるように、人間と機械の関係もまたゆっくりと成長する必要があるのだ。

ということで、こちらに機械学習における人間の信頼を強化し、潜在能力を最大限に引き出すための3つのフェーズを提示してみたいと思う。

フェーズ1:選択

信頼を築くための第一歩は、ユーザーが明確にその結果を把握できるようにしながら、機械学習のすばらしさを強調する必要がある。ユーザーにさまざまな選択肢を吟味し、最終的な決定については自分でコントロールできるようにすることが、機械学習とユーザーの密接な関係を設計する上で重要な第一歩となるだろう。

このようなユーザーデザインの一例は、InstagramやFacebookのようなソーシャルメディアの写真タグ付けシステムに見られる。このツールは「この画像にJon Snowさんとしてタグを付けるにはクリックしてください」というような提案をする一方、写真で実際にタグ付けされている人の最終的な操作はユーザーに一任されている。機械学習を使用するすべてのテクノロジーは、同じレベルの透明性を反映し、意思決定要素をコントロールする必要があるのだ。この第1フェーズは、人々が機械学習の利点を自分のコントロール配下に置きながら体験できるようにするという点で必要不可欠である。

フェーズ2:学習

透明性の高い方法でテクノロジーと対話する機会を提供できたならば、次は体験設計の学習フェーズが始まる。写真タグ付けの例で言えば、機械学習はフェーズ1で集めたものを見せびらかすだけだったが、今回はそれをより大きなスケール感で実施することになる。

ここで、ユーザーは選択を促されることになる。例えば「Jon Snowさんの15枚の写真が見つかりました。すべての写真にタグを付けるにはクリックしてください」というシーンがあったとして、ここでJon Snowさんと誤って識別された写真を1つまたは2つ選択解除するよう促すわけだ。これが機械学習の手法のひとつである。

ユーザーがテクノロジーに対して「複数の対話」を経験し、レコメンド項目に対して選択すると、テクノロジーはその入力情報から学び、それに応じて将来のレコメンデーション情報を更新することができるようになる。学習フェーズではテクノロジーがユーザーのフィードバックに対してどのように反応しているかを直接確認し、最適化しているかを知ることができる。

フェーズ3:予測

第3フェーズでは、過去のユーザーインタラクションによって記録・学習された情報プールが構築されることになる。新たに作成された情報プールを使用して、機械学習はリスクが低く、信頼性の高い予測に役立つ行動を取ることができるようになる。

例えば写真タグ付けの例に戻ると、この時点での体験設計としては、今後Jon Snowさんすべての写真に自動的にタグを付ける権限をシステムに与えるよう、ユーザー側に求められるようになる。この段階の設計では、エンドユーザーの最終的な言葉に基づいてシステム側がリスクの低い、日々の行動を自動化するようになる。

ユーザーがこれらの3段階の設計を経験すると、信頼性と透明性のレベルが確立され、機械学習を真に活用する準備が整ったと言えるようになる。しかし、低リスクかつ毎日のタスクを担当する機械学習はほんの始まりに過ぎない。ユーザーが機械学習をさらに信頼することで、人々はより複雑なプロジェクトに専念できるようになり、人間だけができるような影響力のあるビジネス上の意思決定を行うことができるようになるのである。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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