Orange Fab AsiaがSpring 2018 Seasonのデモデイを開催、日韓台シンガポールから21チームが登壇——空気から飲料水を作る「AQR」が優勝

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フランスのテレコム大手 Orange がアジア地域で展開するスタートアップ・アクセラレータ Orange Fab Asia  は25日、都内の dock-Toranomon で Spring 2018 Season のデモデイを開催した。東京・ソウル・台北の各都市で展開するプログラムに加え、協力関係にある韓国の CCEI(創造経済イノベーションセンター/창조경제혁신센터)輩出のチーム、今月行われたシンガポールのピッチイベントでの優勝チームなど、総勢21チームのスタートアップがピッチを行った。

聴衆による投票の結果、台北のアクセラレータプログラムに参加する SpaceApes が優勝した。では、参加チームのうち、本稿では筆者の関心を惹いたいくつかのチームを取り上げたい。

AQR by Space Apes/垠猿(台北シーズン7)

Space Apes は、空気中の水分から飲料水を作り出す「AQR」を開発している。一晩放置するだけで、除湿剤と同じ効果により空気中から水分を取り出し飲料水を生成する。AQR は電気を必要とせずコンパクトであるため、水道が整っていない場所、旅をする機会などにも簡単に持ち運びできることが特徴。

Rivo / Brail Dr. by Braillist(韓国シーズン8)

BrailList は、視力障害のある人のために Rivo と Brail Dr. という2つのプロダクトを開発している。Rivo はスマートフォンと連動することで、コンパクトな点字キーボードとして情報入力を支援する。Brail Dr. は、点字により単語を調べる際の辞書として機能する。

EkkBaz(シンガポール)

EkkBaz はブロックチェーンを使って、B2B 領域における日常消費財(FMCG)の価格透明性を高めようとするスタートアップだ。アプリを使って、小売主と商品製造メーカーを直接つなげ、商品の置かれていないスペースに、メーカーが売り出したい商品を店舗に陳列できる予約権利を提供したり、定期的に在庫が必要となる商品を効率よく仕入れたりすることを可能にする。

ListenField(東京シーズン9)

ListenField は、ウェブ/API ベースで利用可能な米の生産予測分析システムを提供。過去数十年におよぶ気候データや、土の情報などの入力により、作付け時期、肥料の量、収穫時期、予測収穫高などを提供する。数千種類におよぶ米の品種、10万ヶ所以上の観測地点の情報をもとにデータベースを構築しており、農家の生産業務や経営安定化を支援する。

PaintPam(韓国 CCEI)

PaintPam が開発する塗料「S-Paint」をガラスやアクリルに塗布することで、プロジェクター映像が投影可能になる。従来であれば、投影用のフィルムを貼り付ける必要があったが、S-Paint では塗布するだけでよく、必要なくなったときには水で濡らすことで簡単に剥がすことができる。

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