WeChat Pay(微信支付)、リアル店舗向けに新たな会員機能をテスト

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WeChat Pay(微信支付)の「Friend Membership(朋友会員)」
Image credit: 微信小程序速報

WeChat Pay(微信支付)は店舗側が常連客を対象に、特別サービスや広告を提供することを可能にする新機能「Friend Membership(朋友会員)」の稼働テストを行っていると、中国のメディアが報じた

この新機能で馴染みの客を自分のアカウントに追加でき、ロイヤルティプログラムとして利用できる。店舗側は限定割引、プロモーション情報、新製品の案内を「Moment(微信朋友圈)」と呼ばれる会員向けソーシャルフィード上で提供できるという。

他のロイヤルティプログラムと同様、この機能も消費者に店でのショッピングを継続してもらうことを目的としている。

WeChat Payの新たな動きは、客を集め、リピーターにする新しい方法を提供し、オフライン店舗での支払いサービスの拡大、とりわけ中小店舗をターゲットにした戦略と見られる。これまで常連客を獲得するための最も一般的な方法は、キャッシュバックまたはポイント還元に限られていた。

WeChat Pay(微信支付)の「Friend Membership(朋友会員)」では、店舗オーナーが常連客をメンバーに登録、限定プロモーションや割引をプッシュ通知できる。
Image credit: 微信小程序速報

この「Friend Membership」機能で、店舗側は様々な販売促進キャンペーンを発案したり展開したりすることが可能となる。つまり利便性が向上し、小規模な店でもリピーターの獲得ならびに管理をすることができる。

TechNode(動点科技)は公式の英語名を直接決定することができなかった。WeChat の担当者からも5日の夕方までに確認を取ることができなかった。

中国の決済戦争はオンラインとオフライン両方の小売店に広がっている。ここ数年で WeChat Pay と競合の Alipay(支付宝)は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、レストラン、公共交通機関、その他利用度の高い場所で利用が可能だ。2つのデジタルウォレットは現在、ユーザを集めるべくオフライン店舗での拡大を図り、激しい奪い合いに直面している。

以前、WeChat はオフラインプロモーションに特化したサードパーティのサービスを誘致するため、3億人民元(約50億円)を投入する計画を発表していた。また Alipay も2017年に、報酬としてサードパーティのサービスに3年間で10億人民元を分配すると発表した。

Tencent(騰訊)が提供する WeChat Pay の月間アクティブユーザ数(MAU)は約9億人。 Ant Financial(螞蟻金融)の Alipay は5億人以上である。

中国インターネット情報センターが最近発行した統計レポートによると、2018年の時点で中国のインターネットユーザの68%近くが、実店舗での支払いにモバイルウォレットを利用したという。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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