
Tencent(騰訊)は、中国の主要都市において WeChat Pay(微信支付)用クレジットスコアリング機能の実験を開始した。支出行動や個人的なつながりなどの情報をもとにユーザをレーティングするものだ。
「微信支付分」というこのシステムは、北京、上海、広州、深圳で運用されていると Paper(澎湃)が報じている。同社は、今月初めに中国南部の都市、広州で開催された イベント「WeChat Open Class PRO(微信公開課 PRO)」でこの最新機能の実験を行った。
ユーザのスコアリングに際しては、アプリのソーシャルな側面が含まれる。WeChat(微信)でのつながりや友人関係がユーザのクレジットスコアリングにどのように影響するかという TechNode(動点科技)からの質問に対し、WeChat 関係者は詳細を語らなかった。
このシステムは、Alibaba(阿里巴巴)関連会社の Ant Financial(螞蟻金融)が運営する「 Sesame Credit(芝麻信用)」を思い起こさせる。こちらはユーザを350~950のスコアにレート付けするものだ。このプラットフォームではユーザのスコアリングに購買履歴、資産、契約の履行状況などを活用している。
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WeChat の最新システムでは、モバイル決済サービスから集められたソーシャルなデータを考慮に入れる。Tencent Credit(騰訊信用)では300~850のレーティングを割り当てるため、スコアのレンジを示すものではないという。報道によると、WeChat は年内の全国展開を目標としている。
クレジットスコアは、WeChat Pay でプールされたデータ、とりわけその人の消費行動や義務を果たす能力をもとに計算されます。
同社はTechNodeに語った。WeChatによると、その目的は「人々の生活をよりシンプルに、より便利にするサービスを提供」することである。

Image credit: WeChat アカウント「Guofen Zhushou」
高いスコアを与えられたユーザには、レンタルサービスやホテル宿泊の際の保証金が免除されたり、商品・サービスの後払いが可能になったりする特典がある。
パワーバンク(充電バッテリ)サービスの Xiaodian(小電科技)は現在、この機能をサポートしている。高いスコアを持つユーザは、保証金なしで携帯充電器レンタルを申し込める。最新機能の実験を行うため、多くのブランド企業と協業がなされているという。企業側からみたクレジットスコアのシステムには、ユーザリスク評価や代金回収など多くの機能がある。信用度の低い顧客の割合が高まらないようにするのが目標だ。
Tencent は2017年半ばに自社のクレジットレーティングシステムの実験を開始し、昨年にこの機能を正式にローンチした。同社は、2015年にプライベートクレジットスコアプラットフォームを開発する許可を中国人民銀行から与えられた8社のうちの1社である。同じく許可された企業に Alibaba がある。Alibabaは その後まもなく、Ant Financial が運営する Sesame Credit をローンチした。
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