バンガロールを訪れてきたが、インドでは良いことも悪いことも同じくらいあった。タクシードライバーに何度か騙されたが、道中たくさんの親切な人々に出会えたことに感謝もしている。
ではインドのインターネット・シーンについての私の考えはどうだろうか?それは実に驚くべきものだ。この旅行は非常に実りあるものだった。ここで、インド滞在中にあれこれと案内役をしていただいたYourStory.inのWolfgang氏に感謝の意を表しておきたい。
イベントTechSparkは大変素晴らしく、そのクオリティは中国や台湾、インドネシアやシンガポール(素晴らしかったShradha and teamである)で私が参加してきた他のテック系イベントに匹敵するものである。スタートアップの売り込みも実にシャープだった。そのうちの幾つかは真剣に投資する価値のあるものだと思えた(投資するだけの資産があればの話ではあるのだが!)。
スタートアップのクオリティに関していえば、インドで見てきたものは今のところ東南アジアのそれに比べて一段高い位置にあるだろう。どうして私がそのように判断するのか?私は単に定性的な判断に基づいているだけだ。少しそのことについてお話しよう。
・現実の問題の解決:バンガロールでは模倣製品が展示されているのをそれほど多く見かけなかった。インドでは、多くの素晴らしいアイディアが特定の諸問題を解決することに向けられている。言い換えるなら、彼らは社会における実際の価値を創造しているのである。かっこ良さのためだとか人気のある技術に乗るためだけに作られたナンセンスな製品など無いのだ。実際、そのことにはインド訪問の前から気づいていたのではあるが。
・経験、コミュニケーション:インドの人々の多くはすぐれた技術的な才能があり、それはバンガロールがインドのシリコンバレーと呼ばれているのには理由があるということを示している。彼らはまた英語でのコミュニケーションもうまくこなし、その売り込みは簡潔明瞭である。これはまた彼らの製品が、アメリカやヨーロッパも含む他の主要マーケットにも容易に到達することができるということを意味している。
もちろん、私の意見はいくぶん加減して受け取って欲しい。それはつまるところTechSparksの最終ラウンドでの話であり、各スタートアップは一連の選考を通過してきたのである。展示されていた各スタートアップは大変有望で素晴らしいものであるという前提があるのだ。
それであっても、私はインドのテック系スタートアップ・シーンに対する多くの信頼を手にして帰ってきたのである。彼らには頭脳があるし、11億5000万人という途方も無い人口を誇る巨大市場も利用可能な状況にある。私が見てきたものは、東南アジアの懐疑的な投資者から耳にするものとまったく正反対ではあるが。
よって、インドから目を離してはいけないのである。なぜなら、最盛期はまだまだこれからだからだ。
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