Bryan Ong、Mark Cheng、Jake Ongの3人は、本を出版するために資金を調達しようとした時、最初の困難に直面した。3人はその困難をチャンスだと受け止め、より多くのアジア人が面白いプロジェクトを実現するための支援サイト、クラウドファンディング「ToGather.Asia」を立ち上げた。
ToGather.AsiaのCEOで設立者、そして啓発書「It’s I’MPOSSIBLE」の著者でもあるBryanに連絡をとり、YES! Startupが支援したアジアのKickstarterサイト「Togather.Asia」について詳しい話を聞いてみた。
ToGather.AsiaはアジアのKickstarter
ToGather.Asiaはアジアで最初のクラウドファンディングプラットフォームだ。プロジェクトのクリエイターが、小額の寄付をしてくれた人に報酬を提供することでアイディア実現のための資金集めができるサイトだ。クラウドファンディングはKickstarterやIndieGoGoといったサイトによってまずアメリカで人気となった。ToGather.Asiaの設立者らは、オンラインのクラウドファンディングというコンセプトをアジア地域にも導入することにしたというわけだ。
「アジアを拠点にした地元のクラウドファンディングプラットフォームには、同地域のプロジェクトクリエイターや寄付者の数が増えています。さらに、今ある大手のクラウドファンディングサイトは主にアメリカやヨーロッパ諸国のプロジェクトに独占されています。」と話すBryan。これら2つの情報をもとに、ToGather.Asiaチームはアジアと他国のクラウドファンディングには格差があり、それを埋める必要があるという結論に達した。これを念頭において立ち上げたのが、プロジェクトに特化したアジア発のToGather.Asiaだ。
ToGather.Asiaの機能や仕組みはKickstarterやIndieGoGoとほぼ同じだ。ToGather.AsiaはPaypalを公式決済システムとしていて、IndieGoGoからヒントを得た「集めた資金を確保する」というモデルを採用している。その名前からも察しがつくように、このモデルでは期限内に目標額が100%達成できなかった場合でも、プロジェクトクリエイターが約束した報酬を提供するのに十分な金額であると判断すれば彼は集まった資金を手に入れることができる。
現段階で他社サービスと異なる点と言えば、ターゲットにする地域とアジアの多くの国で生まれるプロジェクトの特性がそれにあたるという。
クラウドファンディングに対するアジア人の考え方
プロジェクトクリエイターの観点から見れば、アジアの大部分の人がまだクラウドファンディングについてあまり知らないとBryanは感じている。だから、アジアのプロジェクトクリエイターには、サービスの積極的な紹介、認知度を上げること、そして教育が重要となる。プロジェクトクリエイターがクラウドファンディングサイトにプロジェクトを載せるとそのアイディアが盗まれてしまうという誤解もある。
寄付者については、まだアジアではクラウドファンディングが根付き始めたばかりで、アジア人は他人のプロジェクトを金銭的に支援することに対して保守的で懐疑的だという。運営の透明性とサービスの魅力を通じて、多くの信頼を築く必要がある。だがToGather.Asiaは、時間の経過と共にクラウドファンディングのプロジェクトに寄付をするアジア人が増えていくと確信している。
ToGather.Asiaの今後の計画
アジアは非常に大きな市場だ。同チームは今、アジアの数ヶ国だけにターゲットを絞り、徐々にユーザとプロジェクトクリエイターを獲得している。そのために、懸命に取り組み、各国のローカルコミュニティーに積極的にアプローチしターゲットを絞っている。
ToGather.Asiaは最近、東南アジアのミュージックバンドを世界に紹介するFigure8との提携も結び、高く称讃されているインドネシアのインディーズバンドのヨーロッパミニツアーを実現するためのサポートを行っている。6日間で23人の寄付者から510米ドルを集めた。目標額にはほど遠いが、アジアにおけるクラウドファンディングの幕開けとしてはまずまずだと感じているようだ。
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