アジア発、話題のメッセージアプリ11選とそれらが超革新的な理由

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【原文】

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Rickが発表したモバイルメッセージアプリの成長率とWillisが行った同アプリの流行についての投稿を見て、私はモバイルメッセージアプリがアジアの若いスマートフォンユーザに強く支持されている目玉機能をチェックしてみた。

これらのアプリはすべて、Facebook Messenger(アジア製チャットアプリを模倣していると思われるが)、そしてFacebook Pokeにとって大きな脅威である。

なぜこのようなメッセージアプリはこれほど流行しているのだろうか?その理由は、仮想スタンプと、それらアプリがマルチメディア対応であり即時性も兼ね備えていることである。これがアジア製メッセージアプリにおいて猛烈な勢いで革新的であるポイントだ。

もちろん、これらすべてのアプリにはメッセージアプリとして特徴づける一連の機能があるので、それらの特徴を短いリストで示したあと、それぞれのアプリを見ていこうと思う。

      ・送受信通知付きのインスタントメッセージ機能
      ・グループチャット機能
      ・写真や動画の送信機能(Instagramのような写真フィルタ機能を提供しているのはWeChatとZaloのみ)
      ・チャットエリアの壁紙が変更できる機能
      ・オーディオノートやメッセージの録音機能
      ・連絡先情報の共有
      ・ユーザの位置情報の共有
      ・ビデオ/音声通話
      ・Pathのようなマイクロブログ機能

それでは、アジアで最も傑出しているチャットアプリ11選を見て、それぞれのアプリが他のアプリと比べて何が傑出しているかを紹介していこう。

フィリピン発「Chikka

リリース時期:2010年10月
ユーザ数:50万超

WhatsappやViberなど、海外発のチャットアプリが市場を牛耳っているフィリピンにも、Chikkaという、国内で開発された独自のサービスがある。Chikkaは現在、Apple App Storeのソーシャルネットワーキング・カテゴリーで28位にランキングしている。つまり、同アプリは何十万回もダウンロードされているということだ。基本的な機能以外に特筆するような機能はなく、ここ3年間あまり成長もしていない。

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日本発「Comm

リリース時期:2012年10月
ユーザ数:最大500万人

ソーシャルゲームプラットフォームのDeNaが開発したCommは、昨年10月にリリースされ、これまでで既に500万人のユーザを集めている。また、同アプリはこのリストのなかで唯一、Facebookのモバイルアプリに似た、左サイドのタップバーを取り入れているサービスでもある。

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台湾発「Cubie

リリース時期:2012年3月
ユーザ数:最大500万人

Cubieが特化しているチャット機能は、絵が描け(て、その絵に吹き出し文字を添え)ることができることと、動画のGIFファイルが送れるという珍しい機能だ。最近、SnapchatやFacebook Pokeに似た機能も追加し、ユーザは10秒以内に消滅するメッセージも送ることができるようになった。アジア発のアプリのなかでこの機能を提供しているのはCubieだけで、これは素晴らしいことだ。また、Cubieは最近、資金調達を行い、500 Startupのインキュベーションプログラムにも参加した。

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日本発「GREE Messenger」(このサービスが利用できるのは、オーストラリア、ニュージーランド、インドのみ)

リリース時期:2013年2月
ユーザ数:5万超

日本のゲームプラットフォーム大手GREEは、チャットアプリ業界に参入して同社の競争力を高めようとしている。数字について語るのは時期尚早だ。同アプリは今のところ基本的な機能しか提供していないが、GREEが抱える数多くのゲームデベロッパーやデザイナーのバックアップを統合し始めるにちがいない。

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韓国発「KakaoTalk

リリース時期:2010年3月
ユーザ数:7500万人

KakaoTalkでは、チャットウィンドウで友達とイベントを作成してスケジュールを組むことができる。驚くことに、この機能を提供しているのはKakaoTalkだけだ。同アプリはオープンソースなので、ユーザが独自のテーマを作ることができる。

さらに、単独のゲームをダウンロードしてKakaoTalkの友達と一緒にプレイすることもできる。また、ローカライズのサービスで旧正月向けのスタンプも加え、K-POPスターのスタンプで話題になった。動くスタンプや音のするスタンプまで揃っている。1番クールな機能は、ユーザが友達に、提携販売店で特典がもらえるクーポン券を購入できることだ。

例えば、KakaoTalkを通じてコーヒーをご馳走することが可能だ。お店でクーポン券を提示すれば、コーヒーがもらえるという具合だ。残念ながら、これは韓国国内だけで利用できる機能だ。KakaoTalkはソーシャルゲーム機能も取り入れているが、この機能が利用できるのは今のところ日本と韓国のみだ。

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韓国企業NHNの日本チームが運営する「Line

リリース時期:2011年6月
ユーザ数:1億人

Lineのユーザはカードや手書きの絵、写真を送ったり、ゲームで遊ぶことができる。ゲーム機能は、同チャットプラットフォームにユーザを惹きつけるための大きな要素となっている。残念ながら、これらの機能はユーザが別のアプリをダウンロードしてはじめてアクセスすることができるものだ。

同アプリ内にこれらの機能を最初から搭載するほうがずっと良いと私は思うが、アプリを個別にダウンロードしなければならないことが膨大な数のユーザを獲得する妨げにはなっていない。同アプリはデザインが本当に良く、2ドルのスタンプパッケージを販売している。Lineは、有名人や企業、宝くじの情報までもユーザのチャット画面に配信している。同アプリの開発者NHN Japanは、2013年にはLineにもっと注力する予定で、同サービスを別会社として分離新設することも目指している。

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オランダ—インド発「Nimbuzz

リリース時期:2008年11月
ユーザ数:1億人

Nimbuzzはもともとオランダ企業が開発したものだが、同社は2011年中頃に本社をインドに移転させている。同アプリは、ChikkaやGREE Mesengerのように比較的シンプルなものだが、Yahoo Messenger、Google Talk、Facebook、Windows Live Messangerなどのオンラインチャットアプリケーションとリンクしている。また、国際電話をかけられる機能もある。どちらかと言えば、同サービスが旧式のインスタントメッセージ(IM)アプリだという人もいるかもしれない。

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中国のTencentが運営する「WeChat(微信)

リリース時期:2011年1月
ユーザ数:3億人

WeChatでは、「Battery Doctor」や「Find Nearby」など、 ブラウザの拡張と同じように、インストール(もしくは無効に)することができるアドオン機能にアクセスすることができる。さらに、同サービスでは短い音声もしくは動画クリップを送ることのできるオプションに加えて、ビデオや音声通話もできる。WeChatはおそらく、すべてのメッセージアプリのなかで最もマルチメディアなサービスだろう。

ウェブインターフェースも提供しているので、ユーザはいかなるウェブブラウザからでもメッセージを送信することができる。WeChatは巧みなQRコードをスキャンすれば作動する。先週行われた最新のアップデートで、WeChatは(SoundHoundのような)音楽認識機能と音声チャットルームをサービスに加えた。さらに、基本的にPathによく似た機能で「Moments(微信朋友圈)」と呼ばれる幅広いソーシャルネットワーク機能もある。

WeChatは、ユーザが携帯電話をシェイクすることで新しい友達を見つけることができるというクールな機能も取り入れている。例えば、私とあなたが自分の携帯を同時にシェイクすれば、互いにチャットすることができる。また、半径1~2km範囲内で誰がWeChatアプリを利用しているかをチェックすることで人を見つけることもできる。巨大なユーザベースと中国アプリという強みを持ち、同アプリは東南アジア市場でWhatsappとLineに対抗し、海外市場にも同サービスを推し進めている

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ベトナム発「Zalo

リリース時期:2012年8月
ユーザ数:50万超

Zaloはベトナムで開発されたチャレンジャーアプリだ。同アプリはsVNG(元Vina Gaming)によって開発され、猛烈なスピードでユーザ数を伸ばしている。すでに、ベトナムのiOS App Storeでトップの座についている。Zaloでは、アプリ内にある絵を送信することができ、ベトナム版Draw Somethingで遊ぶことができる。また、主に旧正月向けの機能として、KakaoTalkが提供しているようなサウンド付きの動画スタンプも導入した。

Zaloでは、WeChatと同じように、半径5km以内で新しい友達を見つけることもできる。だが、より多くのユーザを獲得しようと、ユーザが友達を見つけるための、トピック型のグループチャット機能も提供している。ベトナムで依然として急速に拡大するフォーラム文化をあてにして構築されたものだ。

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カップル向けアプリ

間違いなくニッチなメッセージアプリであるカップル向けアプリについて特筆しよう。これら小規模のアプリが比較的に成功していること、前述したメインストリームのサービスによってメッセージアプリ業界がますます混み合っていることを考えると、メッセージアプリ市場で特定の分野に特化する「バーティカル(縦型の)メッセージアプリ」がもっと増えても私は驚かないと思う。もうすでに、お遊びデートのアプリがあるし、今や「自然に消滅する」メッセージアプリもある。カップル向けアプリは、その他のアプリと比べれば正反対のようなもので、信頼と親密性がすべてのアプリだ。

韓国発「Between

リリース時期:2011年11月
ユーザ数:200万超

Betweenでは、大きくて総合的なアプリと同様に、カップルが互いにメッセージを送れることに加え、一緒にアルバムを作成したり、互いにキュートなメモを書き合ったり、記念日などのイベントを覚えたりすることができる。同アプリは最近、300万米ドル近い資金を調達した

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シンガポール発「Lovebyte

リリース時期:2012年7月
ユーザ数:4万人超(だが、明らかにサーバーがクラッシュするほどのユーザがいるようだ)

Betweenと同様に、Lovebyteでも、アルバムを作成したり、メモ書きをしたり、記念日や初めてのデートなどの節目さえも記録したりすることができる。さらに、Lovebyteでは、カップルのお気に入りの映画などの情報を入力したり、付き合いだして何日経ったかということまで表示することができる。

同アプリのクールな機能は、ユーザが互いにスクラッチカードを送り合うことができるというもの。これは、基本的に恋人にメッセージを送るための裏表のフラッシュカードで、カードの両面にメッセージを書き込み、恋人がカードの片面をスクラッチして、あなたの書いたメッセージを見るというものだ。

愛し合っている若いカップルには、可愛らしくて面白いアイデアだ。Lovebyteは数週間前にAndroid向けアプリもローンチした。

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イノベーションは続く

ご覧の通り、このリストは友達、家族、恋人とのコミュニケーションやつながりに関する画期的なアイデアで溢れている。

KakaoTalkのモバイル決済クーポン券から、WeChatの「Look Around」機能、Zalo版の「Draw Something」まで、これらのメッセージアプリでユーザが体験できるクールな機能がたくさんある。競争が激しくなるなか、企業は2013年にもっとクールな機能を作り出し、ユーザ数を倍増させていくだろうと私は確信している。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

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