シンガポールのeコマーススタートアップはどのようにソーシャルメディアのパワーを活用しているか

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【原文】

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Dave Sloan氏はSepteni APACのシニアストラテジストで、シンガポールに拠点を置いている。Septeniは日本のデジタルサービス企業で、2010年7月以来、300を超えるFacebook広告キャンペーンを最適化してきた。同氏へのコンタクトはdave@septeni.com、もしくはTwitterの@dave_sloanで。

シンガポールのeコマーススタートアップはソーシャルメディアのパワーをどのように活用しているのだろうか?Social Media Week Singaporeで行われたパネルディスカッションにて、ソーシャルメディアの最新トレンドについていくつかのアドバイスが紹介された。

先日開催されたSocial Media Week Singaporeでは、「ソーシャルメディアとeコマースの融合」というセッションが開かれた。SGE.ioのGwendolyn Regina氏が進行役を務め、パネリストとして、Luxola.com(美容商品のオンラインストア)の設立者Alexis Horowits-Burdick氏、Groupon Singapore(タイムセール業界のリーダー)の共同設立者Christopher Chong氏、VanityTrove(美容商品の定期購入サービス)の共同設立者兼CEOであるDouglas Gan氏が参加した。

東南アジアのeコマース市場規模はどの程度か?

パネル司会者のGwendolyn Regina氏は、アジア地域が全世界のeコマース売り上げの32%を占めるという統計を公開した。しかし、その数字は中国、韓国、日本やオーストラリアといった成熟したeコマース市場に大きく依存している。いろいろな意味で、アジアは確かに巨大なeコマース市場だ。Emarketerによると、

「今年、全世界におけるeコマースの売り上げは18.3%上昇し、1兆2980億米ドルとなる見込みだ。アジア太平洋地域はB2C分野の売り上げで北米を上回り、世界でナンバー1の市場となるだろう。」

だが、東南アジアの実績がそのアジア太平洋地域の数字にはほとんど現れてもいないことを覚えておいてほしい。Channel News Asiaによると

「シンガポールの年間ネット販売総額は、中国の1000億ドルと比べて、わずか700万ドルにすぎないが、シンガポールは東南アジアのその他の市場でサービスをローンチ、もしくは拡大する前に、テスト運営をするための良い市場だとeコマース企業は述べている」

とのこと。もちろん、長期で見るなら、ビジネスチャンスは11の国と6億2000万人の人々で構成される東南アジア中へと広がるだろう。

東南アジアでeコマース事業が活発になる兆し

従来型eコマース事業1.0というビジネスモデルが、東南アジア市場に大きな影響を与えることは決してなかった。その主な原因は、広く受け入れられる決済システムが欠如していることや、国境を越えた物流という複雑な問題、そして自宅のパソコンで買い物をするよりも快適でエアコンの効いたショッピングモールで買い物をすることを好むという文化的傾向によるものだ。

だが、同地域でeコマース事業バージョン2.0のビジネスモデルが成長する兆しを目の当たりにしているのは明らかで、革新的なビジネスモデルがいくつか台頭している。つまり、定期購入サービス(Vanity Trove)や、共同購入クーポン(Groupon)、高級品を集めたファッション系マーケット(Luxola)などがそうだ。

これらシンガポール発のeコマーススタートアップの間で話題となり議論されていることが、会場いっぱいに集まった聴衆を魅了し、パネリストも彼らのソーシャルメディア戦略の具体的な詳細を語るのをためらわなかった。以下では、いくつかのホットな話題について手短に紹介しよう。

アトリビューション ― 売上はどこから来ているのか?

ソーシャルメディアはブランドを構築するための最善のツールなのだろうか?そして、本当にコンバージョンを左右することができるのだろうか?Facebookの広告はGoogleの広告と比べてどうなのか?

歴史的にソーシャルメディアの糸口を追跡することは難しい。Horowits-Burdick氏は、Google Analyticsですべての販売の直接的なきっかけを追跡することははるかに容易になったが、ソーシャルメディアを検索のような単なるきっかけ作りのツールと見なすべきではないと指摘する。

「購入に導いたサイト」を追跡することはできるかもしれないが、ソーシャルメディアから得た事前のブランドインプレッションが販売にどのくらい貢献したかを本当に理解するのは難しい。

関連して、Facebookは最近、eコマースの企業向けにマーケティングにおけるFacebookのアテンションに注力している。

カスタマーサービスおよびリサーチチャネルとしてのソーシャルメディア

パネリストは皆、ソーシャルメディアの最大の強みはそれがカスタマーサービスとしても活用できることだと同意している。ほとんどのブランドがTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアアカウントを持つことに慎重で、それは公の批判にさらされる可能性があるからだが、Horowits-Burdick氏はその危険を冒す価値がソーシャルメディアには十分あると言う。

なぜなら、「Luxolaは思った以上に大きな人気を集めた」からだ。そして、ソーシャルメディアを活用すれば、デジタルデータ専門企業のように、ユーザがプロダクトやサービスについてどう思っているかというユーザの声を聞くことができる。ソーシャルメディア上で話されていることをモニタリングすれば、ブランドのコンテンツ戦略のための話題を提供することもできる。

コンテンツ戦略

東南アジアでは、即時に効果を得るためにくだらない画像(可愛い子猫など)を掲載するブランドが多い。だが、ブランドのメッセージを伝えないコンテンツが、顧客との長期的な関係を築くための本当の助けとなるのだろうか?

GrouponのChong氏は、ショッピングは楽しくてソーシャルなものなので、くだらない写真で会話を始めることは何も間違っていないと語る。だが、LuxolaのHorowits-Burdick氏はその意見には反対で、可愛らしい写真は中核となるブランドのメッセージを損ねる可能性があると主張している。これと同様の見せかけの取組みをしても、ブランドが長期的な恩恵を得ることはない。

戦略上最も良いソーシャルメディアプラットフォームはどれか?

当然ながら、まずはFacebookだ。InstagramとPinterestもビジュアル豊かな写真を見つけるという点で、特にファッション業界にとっては大事なプラットフォームだ。だが、Pinterestは、期待されていたほどトラフィックをブランドに誘導していない。

Luxolaにとって最も重要なソーシャルメディアは、おそらくYouTubeだろう。なぜなら、YouTubeは真のファッションコンテンツを提供して顧客と交流することのできる最良のプラットフォームだからだ。

オンラインマーケティングとオフラインのマーケティングの出会い

多くのeコマースブランドにとって、ソーシャルメディアはオフラインおよびオンラインで行われるキャンペーンを相互に強化する上で役立つ。Luxolaはオンラインにおける認知を実店舗へ結びつけて、Twitterを利用する宝探しキャンペーンや写真コンテストを試みた。こうしたオフラインのキャンペーンは、美しさを大切にするライフスタイルに関するLuxolaの提案を強化する助けとなる。

Grouponはオンラインにおける認知を高めるため、通常とは逆に、物理的なクーポン引き換えセンターを設置した。物理的な店舗の目的は手軽にクーポンを引き換え、新たなセールを発見し、カスタマーサービスを提供できるようにするというものだった。

Grouponの実店舗はモールを愛するシンガポールの人々と相性が良く、これまで単独でのネット通販がうまくいかなかった市場において、オフラインのマーケティング活動をオンラインに結び付ける素晴らしい例となっている。

東南アジアにおいてeコマースはまだ始まったばかりだが、市場は急速に成熟しつつある。この地域における次世代のeコマースのビジネスモデルが、広範囲にわたるソーシャルメディアの普及、モバイルの普及拡大、そしてアジアのファッションに敏感な文化といった要素に注目することは確実だろう。

【via e27】 @E27sg

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