インターネットが現実の暮らしを変えていく。これからのシェアを提案するサービスたち

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Some rights reserved by Jason A. Howie
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インターネットの登場により、自分の趣味趣向と合う人と出会ったり、情報交換、ときにオフ会などが、SNSなどの発達によって頻繁におこなわれるようになりました。

それに伴い、インターネット上でのやりとりが匿名での情報交換から、Facebookなどの注目により実名制やより現実世界に沿ったやりとりをするようになった。オンラインとオフラインという区分けではなく、現実・オフラインの拡張されたものとしてのオンライン、という認識が、これから次第に強くなってくるのでは、と筆者は考えます。

オンラインで情報を見つけて、面白そうな人を見つけたら会いに行って、そこから意気投合して友達になる。仕事でのお付き合いをしてた人が、TwitterやFacebookのアカウントでつながったことで、仕事上では見せない側面に気づき、そこから家族ぐるみでの付き合いになっていく。Twitter上でのやりとりから、気づいたら一緒に起業する仲間になった。そうした話が、まだまだごく一部かもしれませんが、出てきています。人との付き合いの幅、出会いのきっかけが増えてくることで、ワークスタイルやライフスタイルの幅も広がってきます。インターネットの発達により自分の暮らし方、自分自身の働き方を見つめなおす機会や、そうした思いを考え、実行できるだけのインフラが整ってきた時代に、まさになってきたのだと言えるでしょう。

例えば仕事の面で言えばクラウドソーシングによるオンラインでの仕事の受発注ということも、最近注目され始めています。働き方の変化を、インターネットによるサービスが登場することにより、多様な生き方の可能性を提示している1つとも言えるかもしれません。

これからのシェアの形

こうした変化は、ときに「シェア」の形にも変化を及ぼします。これまでは、欲しいものがあれば自分自身で購入し、自身の資産として手元に置いておくことが主だったかもしれません。しかし、ものを所有することからシェアしていくことで、自分自身では所有できないものを使うことができたり、一人で消費するよりもみんなで使ったほうが効率的じゃないか、と考える人もでてきています。所有することからシェアすることへ。空き時間の利用から互いの趣味趣向のマッチングによるコミュニティの形成など、シェアをすることでの需要と供給の充実度が高まってくる機会が増えてきています。

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今日サイトをリニューアルをしたColishも、その1つかもしれません。Colishは、コンセプトを立てて仲間とシェアハウスをすることを支援するウェブサービスです。もともと2011年に開催されたStartup Weedend Tokyoがきっかけで立ち上がったサービス。その後、コンセプトを立てたシェアハウスづくりの企画・運営や、シェアハウスを実践している人たちを集め、考えを発信するイベントなどを開催していました。今回のリニューアルでは、今までColishに掲載されたシェアハウスをマッピングし、どこに、誰が住んでいるかを可視化しています。

「これまでのシェアハウスはどこに、いくらで住むかが大事だったが、これからは誰とどんな風に住むかが大事」と、Colish代表の小原憲太郎氏が言うように、Colishはコンセプトを立てて、同じ考えや趣味趣向の合う人たちをマッチングさせ、そうした人たちがより快適に暮らせるようにシェアハウスができる物件を紹介するサービスを展開しています。シェアが可能な物件をもっているオーナーがColishがメディアとしてユーザに紹介し、成果報酬型で広告として掲載することでビジネスモデルでもある。掲載するオーナーと入居者とのコミュニケーションをつなぎ、それから双方が満足した形でマッチングへとつなぐ、新しい形とも言える。

住むということをもっと楽しくし、より暮らしを大切にする傾向になってきているのだと感じると同時に、そうした思いや考えやオンラインのサービスによって可視化され、シェアハウスメンバーの仲間を募りやすくなったことも、まさにこれからの時代の1つのソリューションなのかもしれません。

trippieceまた、旅行などでもシェアによる旅行が最近では盛んにおこなわれています。Colishと同じくコンセプトを立て、旅の仲間を募り一緒に旅行にいくソーシャルトリップサービスを提供しているtrippieceもその1つです。最近では、200名以上が参加したウユニ塩湖・マチュピチュツアーは大人気の旅行で、一人の旅行ではなく仲間と旅行することで、旅行先だけでなくそこで一緒になった仲間とのコミュニティを、trippieceは作り上げています。JTBやHISなどの旅行代理店とも提携し、みんなで旅行を作る楽しさを提供しているのも、新しいシェアの形の1つと言えるでしょう。

グローバルに展開してるサービスとしてはAirbnbがあります。自身の空いた部屋を旅行者に貸しだす。空いている空間をうまくビジネスにつなげているサービスの一つです。借りる人も、ローカルに住んでいる人の家にお邪魔することができ、いわゆるビジネスホテルや旅館ではなく、そこに住んでいる人とのコミュニケーションから、新しい出会いや気付きを得ることができます。空いている場所と、そこを利用したい人たちとのマッチングは、ただの需要と供給だけではなく、そこにいる人と人をつなぐ1つのきっかけでとして、場所や空間、旅行といったツールを間に挟むことでつながるきっかけを作っています。

日本でも、Airbnb同様の空き部屋マッチングサービスのRoomstayや、2012年の年末にmixiに買収された物々交換のプラットフォームのLivlis、自身の持っている書籍を図書館的に貸し出せることができるLibrize、まだベータ版だが、先日開催されたSF Japan Nightでも注目を浴びたものをシェアするプラットフォームサービスのcomobacoなど、様々なサービスが出てきてます。Livlisのように、大手企業が買収をおこなうことで、既存のmixiプラットフォームを強化を図る要素としても、こうしたシェアを促進するサービスを注目しています。

インターネットによる発達がシェアすることの楽しさを促進すると同時に、現実の世界をより拡張させるツールとしてインターネットサービスがあると言えます。現実を起点にして日々の生活や働き方、暮らし方をよくしていく。そんなサービスが今後でてくることを期待しています。

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