5月に開催されたインキュベイトファンドのプログラム「インキュベイトキャンプ 5th」に参加していたスタートアップbyus&co.株式会社が、「byus(バイアス)」がオープンα版をローンチした。
byusは、各ニュースごとに、その記事に関して一部の人だけではなく、その出来事の当事者、専門家、学生、子どもまでも含めた様々な人の意見を集めることにより、一部からの偏った意見ではなく出来事の全体像を読者に提供することを目的としたニュースメディアだ。
同メディアでは、自然言語処理を利用した技術(Facts tag)を現在開発しているという。同スタートアップはこの技術を活用してニュースの蓄積を行い、過去や他地域の事例を参照できる仕組み作りも進めていく。
まだリリースしたばかりだが、ニュース自体は外部のニュースサイト等から引用されていることが多い。投稿者は、引用したい記事のURLを貼り、意見を投稿することでトピックが生成される。コメント投稿時には、職業など自らの立ち場を明示することが推奨されている。その際、意見を投稿するニュースに対する考え、社会への影響を「+」「-」で表現することになっている。一度投稿されたコメントは、他のユーザーからの評価も受けることになる。
投稿されたニュースはフォローすることが可能だ。ニュースをフォローすると、そのニュースの更新情報がフィードに表示され、メールで通知される。ニュース以外にも、ユーザーのフォローも可能となっており、そのユーザーの更新情報などがフィードに表示される。これは、「Quora」や「Qixil(キクシル)」のようなQ&Aサービスの仕組みに近い。ニュースサイトにとって、どのように読者に継続的に関心をもってもらい、サイトを訪れてもらうかは非常に重要なことだ。この仕組みはその課題を解決するための方法のひとつだろう。
トピックごとにいろんな意見が投稿されるという点では、時事性の高いQ&Aサイトのような捉え方もできるし、ハフィントン・ポスト等のコメントが数多く付くメディアにも少し近いかもしれない。これらの点に加えて、現在行なっている技術開発の結果が気になるところだ。Gunosy(グノシー)やVingow(ビンゴー)などの例を見ればわかるように、ニュースにおけるテクノロジーはもはや無視できないものとなっている。
「byus(バイアス)」が本来の目的を達成するためには、数多くのコメント数と、投稿者の多様性が必要になる。これらの条件を今後達成していくことができるのか、今後に注目したい。byus(バイアス)は年内にβ版のローンチを目指し、引き続き開発を行なっていく。
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