コンテンツ・イズ・キング :「iQON」のファッションデジタルマガジンを手掛けるのは「ELLEgirl」前編集長

by Yukari Mitsuhashi Yukari Mitsuhashi on 2014.3.3

iQON

編集されたリッチコンテンツの必要性

月間訪問者数100万人を誇るファッションコーディネートサイトの「iQON」に、新たに強力なメンバーが加わった。iQONのエディトリアルプロデューサーに就任したのは、前ELLEgirl編集長の澄川恭子さん。4月下旬にはファッションデジタルマガジンの発行を予定している。また、iQONユーザーと企業のつながりを強化するコミュニティ形成も牽引すると言う。

澄川恭子さんは大学卒業後、ハースト婦人画報社(旧婦人画報社)へ入社。いくつかの女性ファッション誌の編集を経て、2009年に「ELLEgirl」編集長に就任した経歴の持ち主。ファッションや出版に携わる人材が、こうした形でスタートアップに参画する例はまだ珍しい。iQONを運営するVASILYの金山さんはこう話す。

「iQONを今後さらに伸ばしいくためにも、まず編集されたリッチなコンテンツが必要だと思いました。そこから人選を始めて、適任は澄川しかいないと思い、一緒にやろうと口説き落としたという感じです」

iQONでインスパイアされ、iQONで表現する

この「編集されたリッチなコンテンツ」の必要性は、iQONユーザーの動向にヒントを得たと言う。iQONには70万人の会員登録ユーザーがいて、日々何万人というユーザーがアプリを立ち上げてコーディネートすることを楽しんでいる。そうしたユーザーにアンケートをとったところ、彼女達がiQONで表現しているものはお店、ストリート、友達などどこかからの流行を受けて発信されているものだった。

「ファッションに正解はありませんが、流行やトレンドはあると思っています。そのトレンドの多くはユーザー主導ではなく、例えばコレクションに出ているブランドやメディアによる発信が多い。それなら、iQONの外でトレンドを感じるより、iQONにファッションの一時情報的なものを用意してはどうか。それにインスパイアされて、そのままiQONで表現できたらもっと楽しいんじゃないかと思いました」

出版社など既存メディアの情報をアグリゲートして配信することも検討したものの、権利やコストの問題から独自にコンテンツを配信していくことを決めた。iQONが発信するコンテンツが成功すれば、それがコンテンツホルダーの考え方を変えるきっかけになるかもしれない。アグレッシブな業界ではないため、まずは成功事例を作ることが大事だと話す。

「iQONでコンテンツを作ってほしい」と告白

もともと金山さんがiQONを立ち上げた理由は、ネット上にファッションのコンテンツが少なすぎると感じたことから始まった。みんながいつも見ている画面の中にファッションがなければ、みんなファッションから離れておしゃれすることを忘れてしまうのではないか。今回のiQONのデジタルマガジンの発行は、そんなサービス立ち上げ当初の想いにも忠実な動きだ。

この独自コンテンツの発信を任される澄川さんとの出会いは、金山さんが前職のヤフーファッションにいた頃にさかのぼる。

「当時もコンテンツホルダーの出版社さんと企画について話し合いをしていたのですが、どこより早く企画が決まって成功したのが澄川が担当していたELLEgirlでした。紙の人なのにネットにすごく理解があるな、という印象を受けました」

その後、とあるブランドとの広告タイアップ案件で再度一緒になり、彼女のコンテンツを届けることへの想いについて改めて知ることになる。コンテンツを届けたい、その手段は紙でもネットでも、リアルな場でも構わない。駆け引きしても仕方ないと思い、まるで好きな人に告白するような感じで、ストレートに「iQONでコンテンツを作ってほしい」と伝えた。その後何度かカジュアルに話すことを重ねて今に至る。

コンテンツ・イズ・キングの時代に与えるインパクト

新たに心強いメンバーを加えて、今後iQONはどう進化していくのか。FacebookやTwitterなどコンテンツの高速道路が整ったおかげで、面白ければコンテンツが瞬時に広まる「コンテンツ イズ キング」の時代が到来したと話す金山さん。でも、道路が整備され、誰もがコンテンツ発信ができるようにエンパワーされたからこそ、編集者のようなコンテンツを作るプロもエンパワーされるべきだと言う。これからは、編集者の価値と能力がますます高まる、と。

「まずは、ファッションのトレンドがどこよりも早く、分かりやすく、スマホで気持よく見れるようなコンテンツを作って配信をしていきたいと思います。その後は、iQONユーザーがファッションを楽しめるようなリアルな場を設けた企画だったり、ブランドとユーザーをつないで新しい価値が生まれるような取り組みをしていきたい。今のうちの先手を打って先回りして世界にインパクトを与えたいですね」

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