オラクル共同創業者兼CEO Larry Ellison:「データ収集は、本質的には悪いことではない」 #NES2014

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

これは、新経済サミット2014の取材の一部だ。更新内容は、Twitter@thebridge_jp からもフォローできる。

昨年、東京で開催された新経済サミットでは、世界のテックコミュニティから多くの魅力的なスピーカーが登壇した(昨年の模様はこちら)。今年もそれは変わることなく、1日目のキーノート・セッションにはオラクルの CEO Larry Ellison が迎えられた。彼はデータ・プライバシーについて話し、データ収集とその利用について推論を話し、わけも無くこの技術を非難する人々を非難した。以下は、彼のスピーチ内容のハイライトだ。一言一句正しいわけないが、概ね近い内容となっているはずだ。

インターネット/クラウド・コンピューティングの時代のデータ・プライバシーについて話したい。この言葉から話を始めたい。Edward Snowden だ。彼はアメリカ政府が膨大な個人情報を収集していると言っている。

Ellison は、このデータが誤って使われた事例を、まだ誰も具体的に名前を挙げて指摘していない、と述べた。

政府が通話を録音していると言っている人は居ない。記録されているのは、誰に電話をかけ、誰から電話がかかってきたかだ。Snowden は、我々が事態を懸念すべきだと言っている。彼はアメリカの民主主義を離れ、自由な発言ができる(笑)モスクワに降り立って、アメリカ政府を恐れるべきだというのだ。我々をスパイしているのは、彼らなのに。

プライバシーとインターネットの時代は、テクノロジーの問題ではない。すべての個人情報を非公開にしたければ、そうする術を我々は知っている。誰もスパイできないように、音声やデータを暗号化することができる。国民は、そうしたいかどうかを選ぶことができる。

私の国では、政府が NSA にやり方を変えるよう指示しようと考えている。人々が政府に圧力をかけているからだ。市民が政府を変えさせる力のある国に生まれて、よかったと思う。これはあなたの決断だ。我々のデータベースや技術は、データを奪ったり暗号を解読したりできないことを保証している。問題は、あなたが何を求めているか、ということに過ぎない。

Edward Snowden は、この収集されたデータで、誰が被害を受けたのかをまだ名前を挙げていない。(中略)それは、おそらく将来、起こるのだろう。(中略)航空機が誤った使い方をされたことはあるが、だからといって、航空機を造るのをやめようということにはならない。どんな技術も、誤った使い方をされることはある。技術を発明した人物のことを考えてほしい。それは伝説的な技術だ。しかし、そこには「ダメだ、火は危ないから」という人がいるものだ。人が焼け死ぬかもしれない。火は消す必要がある。私が言いたいのは、すべての技術は誤った使い方をされ得るということだ。

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データ収集を禁止すべきではない。むしろ、誤った使い方をする人を処罰すべきだ。

歴史を振り返ってみよう。本当にすべてのデータを非公開にしておきたいだろうか。そうではないと思う。価値のあるものためなら、毎日の出来事の最もプライベートな部分さえ、シェアしたいと思うだろう。どこで働いているか、車を買うのにいくら払ったか、先週どこに買い物に行ったかを教えたいと思うはずだ(多くの例を示して…)。例えば、私がクレジットカードをあげると言えば、あなたは、これらすべての個人情報を喜んで教えてくれるだろう。買い物を簡単にするためなら、家族の懐事情さえ、人はすべて開示するのだ。しかし、買い物を便利にするために、どれだけのプライバシーと対価交換できるかが興味深い。個人情報の開示は買い物を簡単にしてくれた。経済を活性化してくれた。皆を裕福にもした。銀行は、あっという間に貸付額を増やせるようになった。

これは一つの事例に過ぎない。もう一つ例を挙げよう。友達の写真に名前をタグ付けし、叔父や叔母の写真をアップロードし、休暇中の自分の写真をアップロードするだろう。Facebook の会員になるのと引き換えに、皆はこれらすべてを自発的に開示している。大学に通っている子供の写真を見ようとして、信じられない量の個人情報と引き換えに家族や友人に少しだけ近づくことができるが、この取引で大量のプライバシーを喜んで開示している。

完全な遺伝子地図をくれようとしている。それも自発的に。あらゆる医療記録、これまでに受けた医療テスト、それらを進んで私にくれようとしている。健康について極めて詳細な情報だ。それを渡すか渡さないかは、選ぶことができる。Facebook に入会するかしないかと同じく、誰しも健康記録を開示するかどうかを選ぶことができる。コレステロール値が高いとしよう。データベースを調べて、自分と同じような遺伝特性を持つ人に効く薬が何かわかれば、便利ではないだろうか。あくまで、自分の意思に基づいてだ。主治医にそんな情報を持っていてほしくないだろうか。日本政府は多くのお金を使っている。病院に行かず仕事が続けられれば、保険会社は保険金を支払う必要がない。情報を共有することで、あなたにも社会にも、大きなメリットが生じるのだ。

政府は何をしようと考えているのだろうか。彼らはテロを防ぎ、点と点をつなごうとしている。ニューヨークで911が再び起きるのを防ぐためなら、その対価に電話の請求書を差し出すだけの価値はあるだろうか。

本質的には、この技術自体は良いものでも悪いものでもない。我々はその技術を使って何をしたいか決めることができる。安全のために、どの程度のプライバシーを対価交換するかも決めることができる。Snowden 氏が住んでいるロシアとは、大きく状況は異なっている。

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