台湾スマホ製造大手EMSのFoxconn(鴻海/富士康)がマイクロブログのmig33に220万米ドルを投資

SHARE:

foxconn

興味深いことに、AppleやSamsung向けスマートフォンの製造大手(EMS)として知られるFoxconnが、シンガポールを拠点とするマイクロブログアプリmig33の親会社であるProject Growthへ220万米ドルを投資した(編集部注:この記事は4月30日に掲載されたものの翻訳です)。

Foxconnはmig33がオーストラリア証券取引所に上場する手続きを終了次第、mig33が現在保有する株を取得し、また新しい株式への権利も得ることになる。上手くいけば、mig33はさらに740万米ドルの資金を獲得し、またFoxconnは月間380万人のユーザを誇るmig33の19.9%の株式を所有することになる。

mig33にとって今回の提携はおそらく想定外なものであったが、極めて重要なものになる。同社がアーティストとファンをつなぐサイト、Alivenotdead.comを買収したことは自然な流れだ。同社のビジネスモデルは有名人とファンを結ぶツールという側面があるからだ。一方でFoxconnとの提携は、種類は違うが補完的な役割を担うものになる。

ここで、このシンガポール企業とFoxconnの今後の計画についていくつか詳しく紹介しよう。Foxconnの支援を受けて開発センターを台湾に設置する。このセンターは、「事業開発への尽力」と「モバイルエコシステムに向けたさらなる事業拡大」に焦点を当てていく。Foxconnはまた、mig33のセールス及び事業開発のインフラを同国で確立する支援もしていく。

同社の設立者兼CEOであるSteven Goh氏は、2014年末までにmig33に対し何千万台もの携帯電話を毎月提供することもできるという。彼はまた、世界で生産されている携帯電話18億台のうち、Foxconnが4億8000万台から6億台も生産していると話している。

ただ、関連する労働力や取り組み内容、資本を考えるとmig33が自社のデバイスを設計することはないだろう。しかしハードウェア業界に進出する方法はたくさんある。mig33は携帯電話ブランドを保有するFoxconnとの提携関係を活用して同社のアプリを端末にプリインストールすることができる。

Foxconnはソフトウェア開発の強化へ

Foxconnによるmig33への投資によって、自社のソフトウェアエコシステムの開発に力を入れていくことができる。同社は「8つの画面、1つのネットワーク、1つのクラウド戦略」に乗り出す計画を発表した。これは、同社が製造するデバイスのハードウェア、ソフトウェア設計の両方で大きな役割を果たすことを意味する。

AppleやSamsungに依存していることもあり、Foxconnは自社ブランドの電話を販売することで最大パートナーの反感を買うリスクを冒すことはまずしないだろう。

しかし同社にはソフトウェアを開発する余裕がいくらかある。mig33への投資はこれで説明がつく。昨年、同社は3000人のエンジニアをFirefox OS HTML5アプリを製作するソフトウェア開発施設の人員として採用した。携帯アプリのデベロッパーがさらに増えるようなことがあっても驚きはしない。

Foxconnは低マージンの消費者向けハードウェア事業からの多角化も行っている。M2M機器の製造やビッグデータへの移行を進めているが、これは同社がスマートビデオ監視のスタートアップKAI Squareに320万米ドルの投資をしたことの説明になる。

同社はデータセンター向けの設備やデザインサービスを提供する事業にも進出し、ハードウェアスタートアップアクセラレータも開始したが、これは将来大企業を目指す動きだ。同社は現在アメリカとインドネシアにさらに工場を建設することを検討しているため、ハードウェア製造は依然としてFoxconnの中心的な事業であり続けるであろう。

via Tech in Asia【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する