あの米国人起業家が次に挑むのはデバイスのIoT化チップ――コネクトフリーがEast Venturesから資金を調達

SHARE:

connectfree-chip-featuredimage

希代の天才起業家と言われる Kristopher Tate が作ってきたサービスを、筆者は一通り愛用してきた。今は Beatrobo で活躍する浅枝大志氏と開発した AM6、本来テザリングできないはずの従来型 iPhone で、脱獄しなくてもテザリングできるようにするツール t.free などだ。いずれのサービスも面白いものだったが、諸般の事情によってサービスを終了し、京都に移住した Kristopher が次に何をやるのか興味津々だった。

Kristopher Tate
Kristopher Tate

そんな中、新たなニュースが飛び込んで来た。Kristopher が営むスタートアップであるコネクトフリーEast Ventures から資金調達したのだ。調達金額などの詳細については明らかにされていないが、その資金を使って彼が挑もうとするのは IoT の領域である。

インターネットにつながっていないデバイスを IoT にするのを加速させようとする試みはいくつか見受けられる。一つの大きな課題は、多くのソフトウェア・エンジニアがハードウェアの開発に必要な知見をもっていないことだ。ソフトウェアとハードウェアの融合とも言うべき IoT を促進すべく、イギリスの BERG のようなサービスも生まれている。

Kristopher が現在手がけるプロジェクトはステルスであるため、現時点で公開できる情報は限られているが、彼は他社サービスとの違いを次のように語ってくれた。

BERG では、ハードウェア・スタートアップが苦手とする部分をクラウドで吸収するが、我々のはそれと違う。クラウド・ベースだと、クラウドがダウンしたら、その IoT は使えなくなるし、セキュリティが担保できないでしょ? 我々はデバイスに載せるチップで、End-to-End のセキュアな通信を担保するんです。

確かに、SSL のウェブ画面をプロキシ経由で閲覧するようなもので、相乗り型のクラウド経由では、IoT とウェブサービス間のセキュアな通信は担保できない。ただ、これまでは IoT の実装を簡素化する上でクラウドを介在させるのは常套手段で、ここの利便性を追求するとセキュリティが犠牲になるのは、避けられないトレードオフだった。

THE BRIDGE で IoT 系の記事を寄稿してくれている岡島康憲氏と以前話したとき、彼は IoT においてはセキュリティのことがあまり論じられておらず、違う見方をすれば、IoT のセキュリティ分野はブルーオーシャンだとの見解を示していた。インターネットの世界に SSL が発明されて、ミッション・クリティカルなサービスにインターネットが利用できるようになったように、IoT がセキュアなものになれば、IoT の利用範囲はさらに広がるだろう。

Kristopher がチップだけで IoT 実装の利便性とセキュリティをどうやって同居させようとしているのかはまだわからないが、前述したように彼は天才なので、筆者のような凡人が考えもつかない方法で見事に解決してくれることを期待している。

----------[AD]----------