低価格スマートフォン3機種でインド市場において打倒SamsungをもくろむXiaomi(小米)

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Xiaomi(小米)は本日(編集部注:本翻訳記事の初出は7月15日)、フラッグシップのスマートフォンMi3を7月22日にインドで発売する予定であることを発表し、インドのスマートフォン市場においてSamsungに挑戦することが明らかになった。より低価格なXiaomi Redmi 1SとRedmi Noteは後日発売される。

  • Xiaomi Mi3は1万3,999インドルピー(232米ドル)で、7月22日の出荷に先がけて既に予約注文が可能
  • Xiaomi Redmi 1Sは6,999インドルピー(116米ドル)で、近日発売
  • Xiaomi Redmi Noteは9,999インドルピー(166米ドル)で、これも近日発売

これら3つのスマートフォンはすべて、インド最大のeコマースサイトFlipkart限定で発売される。

この最強スマートフォンMi3は、Samsungで同様のスペックを持つフラッグシップフォンよりはるかに安価である。

インドの消費者はアフターサービスの質も求めていることを念頭に置き、Xiaomiはインド全土のサービスセンターに投資している。まずはじめに、専用のMiセンターがバンガロールとデリーにあり、20のインド主要都市の34ヶ所に、複数ブランドを販売する店舗と共同でサービスセンターを設置している。Xiaomiはこういったアフターサービス拠点が、500の拠点を持つ本拠地中国でのカバー率といずれ同等になることを約束した。また、Xiaomiは他のパートナー企業に対して、カスタマーサービス、修理、インド向けサポートなどについて門戸を開放している。

Xiaomiは本日、彼らのMIUI(AndroidをモディファイしたUI)のインド語への翻訳はかなり進んでいることを明らかにした。

Samsungへの挑戦

本日のデリーでの正式なローンチイベントで、Xiaomi社長で共同創業者であるBin Lin氏と、副社長のHugo Barra氏、そしてインドの事業部長であるManu Jain氏は、同社がどのようにしてインド市場で韓国大手のSamsungに挑戦するかを明らかにした。

Samsungは昨年の全世界のスマートフォン市場でトップの座におり、シェアは31%であった。インドでは、2013年に4,400万台を販売し、2013年第4四半期、IDCのマーケットレポートデータによれば38%のシェアで市場1位であった。2位以下はMicromax(16%)、Karbonn(10%)、Sony(5%)、Lava(4.7%)となっている。

Xiaomiは2013年に、彼らが販売している全市場の合計で1,870万台のスマートフォンを販売し、2014年には6,000万台の販売を目指している。そのほとんどは中国本土での販売であり、インドのような巨大市場は野心的な同社にとって、大きな転換点になるかもしれない。

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Samsung Galaxyを下回る低価格

Xiaomi Mi3はQualcomm Snapdragon 800 2.3GHzクアッドコアプロセッサと2GB RAMを装備し、F/2.2 1300万画素、28mm広角カメラを背面に、200万画素のカメラを前面に、そして16GBの内蔵ストレージを持ち、XiaomiのAndroid 4.3ベースのMIUIオペレーティングシステムで動作する。それにもかかわらずXiaomiはMi3の価格を戦略的に設定し、SamsungのフラッグシップであるGalaxyを下回っている。

Mi3をSamsung Galaxyと比較し、Hugo Barra氏はこう指摘している。

「Samsungの似たようなスペックのスマートフォンはMi3の2~3倍の高価格です。インドの消費者は価格に敏感で、私たちはそれを熟知しています」

Manu Jain氏によれば、この低価格はXiaomiの独占的販売パートナーであるインドのeコマース大手Flipkartによってもたらされたメリットもあるという。「Flipkartとの提携により、私たちは既に確立されたインド全土への販売ネットワークを利用することができ、物流コストを大きく削減することができます。これにより、製品の価格を下げることにも貢献しているのです」。

Flipkart共同設立者兼CEOのSachin Bansal氏はXiaomiのローンチイベントに出席し、両社が2つの点で似通っていたことから、「Flipkartの力」をXiaomiにもたらすことは容易だったと語っている。第一に、XiaomiもFlipkartも根本的にはテクノロジー企業であること、第2に、両社の目標は消費者に比類ないサービスを提供することであること。Bansal氏はこう付け加えた。

「Xiaomiはインドでのスマートフォン販売の手法を変えようとしています。そして、インド人の中国製品に対する見方も変えようとしているのです」

Xiaomiは、オンライン販売によって通常の販売よりおよそ20%のコスト削減が可能で、また従来のように広告宣伝を大々的に展開するよりもソーシャルメディアの活用も上手い。Bin Lin氏はこれらのコスト削減は顧客に還元されるとした。これは、1万3,999インドルピーの価格が可能な理由の1つである。

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私たちは、インドのインド企業になりたいのです

インド国内での36のサービスセンターに加えて、Xiaomiはホットライン~1-800-103-6286~を設置し、年中無休で午前9時から午後6時までカスタマーサポートを提供する。Xiaomiはまた、スマートフォンの配色やデザインを作るデザイナーと開発者をインド中から集めようとしている。Barra氏は「Bollywoodではカラフルな色のデザインが生まれることになるでしょう」と示唆する。さらにこう続けた。

「私たちは、インドの消費者がサービスの質によって購買を決定することを認識しています。そのため他のどの企業より良いサービスを提供したいのです。私たちは『インドの中国企業』になりたいのではなく、『インドのインド企業』になりたいのです。そして理想的な前進を遂げています」

本日、FlipkartのスペシャルウェブページでMi3の予約販売の受付が始まった。7月22日から販売が開始される。MotorolaがFlipkartのオンラインでのみ販売した実績を考えると、Mi3のインドへの出荷数量が初期の需要を満たせるかチェックしていきたいところだ。

【原文】
【via Tech in Asia】 @TechinAsia

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