アメリカを目指す日本スタートアップを支援するイベント SF Japan Night VII の日本予選が27日、東京で開催され、特殊インクを使った印刷で電子回路が出来上がるしくみを提供するスタートアップ「AgIC」が優勝した。
日本予選のピッチには当初15社の参加が予定されていたが、VoxyPAD のチームはアメリカにいるため参加できず、14社によるピッチとなった。Atomico 岩田真一氏、DeNA の James Riney 氏、Beenos の前田ヒロ氏、主催者である btrax の Brandon Hill 氏の4人審査員が、技術、ビジネスモデル、ピッチスキル、世界展開の可能性の4つの可能性からスタートアップを採点、ファイナリスト6チームがサンフランシスコ Automattic の本社で開催される最終選に進むことが決まった。
1位:AgIC
AgIC は銀のナノ粒子を含んだ特殊な導電性インクを使い、プリンターで印刷することで電子回路が簡単に作れるサービスを提供する。かつては電子回路の設計/制作に7日間を要していたが、このプロセスを2〜3分間に短縮する。基本的にはどんなプリンタでも利用可能で、導電性インクは1カートリッジあたり200ドル程度、約100個の電子回路をプリントすることができる。
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2位タイ:Sansan
Sansan は、企業向けに名刺を使ったクラウドベースのCRMサービスを提供する。彼らは最近、シンガポールやアメリカでのローンチを発表しており、現在、日本語以外に英語や中国語でもサービスが利用可能だ。
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2位タイ:KAIZEN Platform
KAIZEN Platform は、クラウドベースの UI 改善のための A/B テストおよび改善案のクラウドソーシング・プラットフォームだ。同社は最近、アメリカ向けの市場展開を念頭に経営陣の人材を強化している。
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4位:Akerun
Akerun はスマートフォンを使って、BLE経由でカギを操作できるソリューションだ。August や Lockitron との差別化はインストールのしやすさにあり、カギのシリンダー全体を交換しなくても、サムターンの上から被せるだけで導入ができる。ホテルのハウスキーピング、不動産仲介、高齢者の見守り、貸しスペースの入場管理などが適用可能分野。バッテリーは約6ヶ月もち、残りが少なくなるとスマートフォンに通知してくれる。
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5位:CafeTalk
CafeTalk は、オンラインレッスンのCtoCマーケットプレイス。言語学習にフォーカスしているわけではないが、日本では言語学習で利用されるケースが多い。国内から50%、残り50%は海外からのユーザで、海外ユーザは楽器の演奏技術習得などの目的で利用しているケースが多い。
6位:Fove
Fove はヘッドマウント・ディスプレイで、最近、サンフランシスコで開催された TechCrunch Disrupt に登壇したほか、Microsoft Ventures London の最新バッチにも選出された。この分野で先頭を走る Oculus との差別化は、ディスプレイに表示する画像のレンダリング・スピードで5ミリ秒とのこと。
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