IVP他から総額7.2億円調達ーー年間5000万円の買い物客もいるファッションコマースFarfetch(ファーフェッチ)とは?

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インフィニティ・ベンチャーズLLP(以下、IVP)及びInfinity e.ventures Asia Fund III, L.P.(以下、イー・ベンチャーズ・アジアファンド)は12月18日、ロンドンを拠点とするファッションコマースのFarfetch(ファーフェッチ)と共同で設立したFarfetch Japanに対し出資をしたと発表した。

Farfetch Japanが調達した金額は総額で7.2億円で、出資者にはIVP及びイー・ベンチャーズ・アジアファンド以外にFarfetch本体とその他海外VCが含まれる。

投資実行は12月8日で、IVPの共同代表パートナーの小野裕史氏が代表取締役、同じく共同代表パートナーの田中章雄氏が取締役に就任し、初動の事業推進にあたる。IVP側の説明によれば小野氏の代表取締役は暫定的ということだった。なお、今回投資実行したイー・ベンチャーズ・アジアファンドは11月に新設されたもので、今回が投資実行案件の1号となる。

Farfetch本体の創業は2007年。300件のセレクトショップに対し、世界中のバイヤーが買い付けたファッションアイテムが購入できるマーケットプレイスを運営している。

11月にとある場所でFarfetchのプレゼンテーションを聞いた際の数字では、29カ国170都市※初出時に29カ国170都市としましたが、正しくは180カ国の誤りでした。訂正させていただきます。)180カ国に配送が可能で、12万アイテム、2500ブランドの商品が掲載されており、ブランドのメッカ、ヨーロッパ(特にイタリア)が発送元の中心で、アメリカが安定した商品の供給先となっているということだった。アジアは特に昨年あたりから伸びているという話もあった。

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Image by ideasbynet.com

なかなか興味深いのは発送方法で、Farfetchでは買い付けした商品を倉庫で一括管理するのではなく、直接注文が入った商品をそのセレクトショップから特注の箱に入れて配送する。その際にショップは独自のカードを入れたりするなど、本当に現地で購入したかのような体験性を提供しようとしており、結果として、年間で5000万円の買い物をしている顧客もいるということだった。

2008年のサービス開始以来、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスなどにオフィスを構え、CrunchBaseの数字によれば、これまでに6600万ドルの資金調達に成功している。日本版は2014年8月時点で公開されており、IVPによると売上は既に数億円規模に到達しているという。

日本からの出店についてはセレクトショップ「リステア」が第1号で、来年中に10から15店舗の展開を目指すということだった。

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