台湾のAppWorks(之初創投)が約57.6億円を調達、シード/シリーズAラウンド特化の第2ファンドを組成

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台湾のインキュベータ AppWorks(之初創投)は今日(原文掲載日3月18日)、台湾のスタートアップに投資するためのファンド「本誠創投基金(AppWorks Fund II)」を15億ニュー台湾ドル(約57.6億円)で組成した。

資金を拠出するのは、連合国発基金(National Development Fund)、国泰人寿保険(Cathay Life Insurance)、フラッシュドライブで知られる群連電子(Phison Electronics)、3大通信会社の遠伝 (Far Eastone)、上海の半導体企業向けVC CID group(華威国際)、台湾の大手金融グループ CTBC Financial(中国信託金融)の子会社 ChinaTrust Capital など9つの大企業。

このファンドは数ヶ月間にわたって、アジアのスタートアップ・コミュニティにおいては、言わば既知の秘密となっていたが、今日それが AppWorks から正式に発表されたわけだ。

AppWorks の創業パートナー Jamie Lin(林之晨)氏によれば、この資金は AppWorks が2010年から行っているアクセラレータ・プログラムを卒業した台湾のスタートアップのために使われるとのことだ。これまでに、プログラムを卒業したスタートアップは190チーム以上。前回の1,100万ドルのファンドでは19チームに資金が投資され、それぞれ AppWorks のパートナーである IC Jan(詹益鑑)、Nice Cheng(程九如)、Joseph Chan(詹德弘)、Jamie Lin らによって運用されてきた。

記者会見で、Lin は台湾が危機の真っ只中にあると強調した。多くの大学卒業者が慢性的な経済発展の遅れに不満を抱いており、Lin 氏は台湾のインターネット産業を育成することで、台湾の経済が遅れを取ることから脱却を図りたいとしている。

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東南アジアへの進出

Lin は Tech in Asia に対し、AppWorks が第一ファンドと同様に第二ファンドを運用し、より多くの東南アジアのチームをネットワークに招き、台湾のスタートアップを東南アジア市場に進出するのも支援したいと語った。

多くの人は気づいていないが、台湾を東南アジアの一部と考えれば、今でも最大の消費者市場だ。もし、東南アジアのスタートアップをやっていて自国でもうまくいっているなら、台湾は海外展開で視野に入れるべき市場だ。

今回のファンドは、台湾のスタートアップ・エコシステムにとっては、大きな分岐点となるだろう。台湾には、豊富なエンジニア、ハードウェアOEM産業、資金の豊富な企業集団が多数存在する。それらは台湾国内にあるものから、CID Group や WI Harper(美国中経済合)のような中国のベンチャーキャピタルまで、中国の製造産業に投資をすることで資産を形成してきた。

しかし、台湾のスタートアップは、この種の高名な組織とは同じ流れをたどっていない。投資の規模や件数という点からは、韓国や東京のような単一市場はもとより、シンガポールや香港といったグローバル市場からも遅れをとっている。この遅れの説明には多くの理由があるが、その多くは台湾に限った話ではない。イノベーションを阻む一つの要因として、アーリーステージやインターネットに明るいVCが少ないことを挙げる人もいる。いずれにせよ、AppWorks の第2ファンドの組成は、台湾にとって勝利だ。

このファンドの発表では、台湾政府が今後も台湾をインターネット起業がよりやすい場所になるよう努力を続ける、という話で幕を閉じた。台湾の国家発展委員会のプロジェクト「Head Start Taiwan(創業抜萃方案)」では、政府は AppWorks を含む4つの民間VCに8,000万ドル以上を投資し、台湾のスタートアップの成長を促そうとしている。外国人人材を雇用する規制も緩和しており、台湾や国外のスタートアップが入居できる2万平方メートルの施設も建設中だ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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