あるPaypalマフィアが生んだ、若き8億ドル起業家の話

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credit: TechCrunch via FindCC
マックス・レブチン氏 credit: TechCrunch via FindCC

<ピックアップ>How a PayPal ‘Mafia’ member helped this 26-year-old build an $865 million startup

スタートアップが生まれる背景のひとつに「ペイフォワード」や「エンジェル投資」といったワードが出てくることがあります。いわゆる起業のバトンタッチですね。

有名な話としてはシリコンバレーの地で語り継がれるテクノロジー系スタートアップのビッグバン「ショックレーとフェアチャイルド・セミコンダクターの物語」があります。「Traitorous Eight(8人の反逆者)」などについてはぜひこちらの記事をご覧ください。

参考記事:シリコンバレーとは、イノベーションではなく繰り返しの歴史である(前編)【ゲスト寄稿】

参考記事:シリコンバレーとは、イノベーションではなく繰り返しの歴史である(後編)【ゲスト寄稿】

参考記事:シリコンバレーで生まれた初の100兆円スタートアップ、それにまつわる8人の起業家とエコ・システム誕生の話

で、中でも最近よくみなさんが耳にするのがいわゆるPayPalマフィアではないでしょうか。私もことあるごとに書いてるので(例えばこの記事とか)詳細は略しますが、スタートアップのスーパーマンたちですね。どうやったらこんなにポンポン会社作れるのか教えて欲しいです。

で、その中のひとつのストーリーがBIにあったのでご紹介します。Mixpanelについてのサクセスストーリーです。解析ツールのMixpanelについてはFilmarks運営のつみきさんのブログがコンパクトで分かりやすかったのでそちらを引用させていただきます。

参考記事:最強のグロースハックツール “Mixpanel” 導入レポート(つみきさんのブログより)

PVとかのざっくりとした全体指標というよりは訪問などの細かいイベントを分析できるツール、といった感じですか。

Mixpanel
Mixpanel

このMixpanelの創業者はSuhail Doshi氏という26歳の若者で、彼を発掘したPayPalマフィアのひとり、マックス・レブチン氏がどのようにしてMixpanelのチームを支援したのかが綴ってあります。ちなみにMixpanelの創業は2009年6月で現在の評価額は8億3500万ドル、同記事によると有料課金企業3000社という姿に成長しています。

ざっとかいつまんで内容を紹介すると、こんな感じ。

  • 2008年に当時学生だったDoshi氏はマックス・レブチン氏からチャットでSlide(同氏の創業会社で2010年にGoogleが買収)のインターンに誘われる
  • レブチン氏はDoshi氏を気に入って熱血指導(べったり)
  • Doshi氏はインターン後に学校に戻るもシリコンバレーの熱狂が忘れられず、Slideでの経験からMixpanelのアイデアを思いつく
  • 最初の試作品を師匠であるレブチン氏に見せたところ「そんなもん自分らで作るわい(意訳)」と叱られる
  • めげずに共同創業者となるTim Trefrenと一緒に作り上げ、2009年の夏にY Combinatorに合格
  • 最初のお客さんはレブチン氏
  • YCの1万5000ドル資金が尽きようとした時、市場はB2Bツールには興味もなく、またリーマンショックの後遺症などで冷え込んでいた
  • そんな状況でレブチン氏はMixpanelの可能性を感じ、Beboの創業者と一緒に50万ドルを投じる
  • その後、シード(セコイア)シリーズAとB(a16z/Bは2014年12月)もレブチン氏がサポート、評価額は8億3500万ドルに

いいですね。たったこれだけでもレブチン氏がDoshi氏にある種の確信を抱いていたのがよくわかります。発掘から育成まで全部やってるから当然です。

二人が出会うきっかけとなったSlideはGoogleに買収された後、サービスはなくなってしまいます。しかし、レブチン氏の意思によって支援されたサービスはその後も多くの人たちが使うところとなり、まるで細胞分裂のようにスタートアップのバトンが世界中に回るわけです。ここがシリコンバレーをスタートアップの聖地と言わしめる所以かなと。

日本でも若くしてネット企業を創業し、2回目にチャレンジしたり個人投資に回ったりしている30代起業家の声が聞こえてくるようになりました。2000年のネットバブル期に大学を卒業、創業している人たちはその後のガラケービジネスの栄枯盛衰、ソーシャルゲームの立ち上がり、幾つかの市場ショックにスマートフォンシフトと目まぐるしく変化する状況下を生き抜いてきました。

ちょうどレブチン氏(1975年生まれ)と同年代になる彼らが今後、どう動くのか、それによって次のネットビジネスの5年、10年は決まってくるような気がしています。私もそれを追いかけられるのが今から楽しみです。

via Business Insider

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