インドネシアで価格比較サイトを運営するPricebookが、グローバル・ブレイン、IMJ-IP、眞下弘和氏から資金調達

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Pricebook のインドネシア・チーム。

インドネシアの価格比較サイト Pricebook は今日(原文掲載日:3月17日)、2回目となる資金調達ラウンドを実施し、グローバル・ブレインIMJ Investment Partners、m&s partners 代表の眞下弘和氏から資金調達したと発表した。調達額は開示されていない。

今回の調達は、2013年にインキュベイトファンドから15万ドルを調達して以来のものだ。発表によれば、調達した資金は、事業成長の加速と、オンライン・オフライン両方の小売業者向けマーケティング基盤の追加開発に使うとしている。運営チームも人員を増やす。

Pricebook は、ケータイ、カメラ、コンピュータなど家電品のスペック、レビュー、価格をオンライン・オフラインの店舗から収集する。最近、ケータイ電話の契約プランや携帯用の予備バッテリーもカタログに追加された。

価格と品質に関する情報の透明性を提供することで、Pricebook は買う側にも売る側にもショッピング体験をより楽しいものにする。ユーザはレビュー投稿やフォーラムのスレッドを見ることで、質問に対する正直な回答を得ることができる。販売者には、店舗の露出とオンライン・マーケティングを支援する市場データが提供される。

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Pricebook に掲載されている、インドネシアのケータイの料金プラン比較。

創業者で CEO の辻友徳(つじ・とものり)氏は、Pricebook はオンライン・コマースとオフライン・コマースを結ぶ主要プラットフォームにしたいと考えている。Pricebook は最近、買物客の購入動機づけとなる割引券を導入しており、ユーザが割引券を使うことで、Pricebook と販売者両方が Pricebook 経由で購入が成立したことがわかるようになっている。

Pricebook は2013年9月に設立された日本のスタートアップだが、同年12月、インドネシアにオフィスを開設しプロダクトをローンチした。

Tech in Asia が Pricebook の最初の投資ラウンドについて報じた2013年の時点では、同社はデータベースに6,000件の製品、約30店舗から収集した1万件以上の価格を掲載していると語っていた。現在では、オンライン店舗と追うライン店舗から2万件以上の商品が掲載されている。辻氏によれば、Pricebook へのユーザの月間訪問件数は数十万件だが、販売者の方は、数百件の店舗が少なくとも週に一度は価格情報を更新しているそうだ。

しかし、Pricebook は2013年に発表していたモバイルアプリの公開をまだ実現できていない。この点について、辻氏は「社内で優先順位を議論している」と説明する。

今のところ、同社の最優先事項は、販売者の獲得とプラットフォームの開発だ。辻氏は、Pricebook を「購入客と販売者が互いに助け合えるプラットフォームにしたい」と語っている。

価格比較サイトはクリック課金を採用しているところが多く、この場合、消費者が販売サイトに転送される都度、販売者に料金が発生する。取引が価格比較サイト経由でもたらされたどうかを見て、この金額が決まるケースもある。

Pricebook は、どの商品が人気で、ある地域でどの小売業者が最良価格を提示しているか、など付加価値の高い市場データを入手できるようになるため、辻氏はプラットフォームが成長すればマネタイゼーションの機会は増加すると考えている。さまざまな業界がこの種のデータを利用する可能性があるだろう。

モノを買ったり売ったりする、さまざまなプロセスの情報に深く入り込んでいるので、我々にはマネタイズできるポイントがたくさんある。(辻氏)

Pricebook は、PriceAreaRocket Internet が支援する PricePandaTelunjuk など、インドネシアで多くの競合に直面している。彼らには豊富な資金力があり、市場では比較良いポジションに立っている。なかでも、PricePanda は、2014年1月の300万ドルの調達に続き、今月初め新しいラウンドの資金調達を行った。その際、PricePanda はインドネシアだけでなく東南アジア全域で7万件のプロダクトの情報を掲載していることを明らかにしている。

PriceArea は2014年5月の時点で、月間訪問数は140万件としていた。ちょうどこの頃、PriceArea は韓国の YelloMobile によって買収されており、Yello Mobile/PriceArea 連合は、モバイルによる価格比較サービスという点で一歩先を行っていると推測できる。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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