「YouTubeで単純に洋服を見せるだけじゃダメ」ーースタートアップたちが語った動画市場の今 #bdash

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.4.9

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フリークアウトの佐藤裕介氏

本稿は、B Dash Camp 2015 Spring in Fukuokaの取材の一部。

動画周りのスタートアップがいつになく騒がしい。

YouTubeをベースに始まったMCN(マルチチャンネルネットワーク)はYouTuberたちを生み出しあっという間にその概念を広げたし、2010年から地道にユーザー数を伸ばしてきたライブストリーミングサービス、ツイキャスは1000万人を獲得した。

ニコニコ動画のように数億の再生回数を稼ぐものもあれば、MixChnnelのように女子中高生を中心に激しく利用が進んでいるサービスもでてきた。さらに彼らは動画広告も開始して、マネタイズも動画の時代に移りつつある。

スマートフォンの普及、モバイルを含めた回線の充実と低価格化、そして端末性能の向上が「お茶の間の王様」と言われたテレビからその役割をモバイルやウェブの世界に移しつつある。

福岡、博多で開催された招待制カンファレンス、B Dash Camoの最初のセッションもこの動画がテーマとなった。この分野で注目を浴びつつあるプレーヤーたちが現状を語る。登壇したのはDonutsの福山誠氏、スリーミニッツ代表取締役の宮地洋州氏、ニワンゴ代表取締役の杉本誠司氏、モデレーターはフリークアウト取締役COOの佐藤裕介氏が務めた。

話はまず、オンライン動画サービスの盛り上がりについてから始まった。

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ニワンゴ代表取締役の杉本誠司氏

 

「動画が改めてきてるな、というのはスマートフォンの広がりが大きいですね。プラットフォームもMixChannelみたいに多様化しているし、SNS上でエンベットできるようになったことで需要が広がった。それとスマホで簡単に撮れるこれが大きい。ニコ動が始まった頃のガリガリ編集してというよりも簡単にぱっと上げられるようになった変化がある」(杉本氏)。

続けて杉本氏は動画コンテンツの裾野が広がってマス受けするものが増えたと説明。「人気コンテンツは二つに分かれる、スポット的にドーンと当たるものと、長く愛されているもの」(杉本)。

また、MixChannelは作っている側と見ている側がほぼ同じ世界観で生きてるという変わったプラットフォームだ。ニコニコ動画のようにテキストコメントでコミュニケーションするのとはまた違った会話方法があるようだ。

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Donutsの福山誠氏

「MixChannelでは『真似をする』っていう行為が多いんです。一番始めにお見せしたキス動画を数千人がやってるんです(笑。動画のコンテンツにはコンテンツで返している」(福山氏)。

キス動画で会話をしているのだから、その興味の範囲外の人が見てもただの「チュー動画」でしかない。しかし、会話している本人たちにとってはその動画が増えれば増えるほど、興奮する。そういうカテゴライズ文化が生まれているのだという。

一方で登壇したスリーミニッツはコンテンツを作る側となる。宮地氏は動画プラットフォームで受けるコンテンツの違いをこう語る。

「YouTubeで単純に洋服を見せるだけとかは全く当たらない。再生回数も伸びない。カタログっぽいのはダメ。メイクをすっぴんから公開していってアイラインひとつとっても、100円均一で買って来たものを実況する方がヒットしますね」(宮地氏)。

インスタグラムは真逆で、そういうハウツーよりもファッション性の高いものの方が受けるのだそうだ。プラットフォームでコンテンツの質が変わる話は面白かった。

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スリーミニッツ代表取締役の宮地洋州氏

話はビジネスに移る。動画ビジネスは長らく語られてきたが、やはり国内市場のエポックメイキングな話題はニコニコ動画の黒字化だろう。2007年から動画課金を開始し、通気黒字を2010年に達成。その難しさはどこにあったのだろうか。

「動画ビジネスって定義づけてるけど(実際は)動画『コンテンツ』ビジネスじゃないよね、コミュニティサービスとして動画をサブスクリプションできるというものっていう理解をしています。ただ、ネットにおける動画によるお金の取り方に関しては参考になるよねって」(杉本氏)。

杉本氏は動画のコンテンツホルダとビジネスの話をして、コンテンツそのものに対価を支払って欲しいという考えと、ユーザーがお財布の紐を緩めるタイミングの「ズレ」を指摘していた。

「(コンテンツホルダさんは)コンテンツに対してまずお金を払ってもらってという前提で話を進める。だから噛み合わない。パッケージで提供している側にしているとそこで対価をもらわないと気持ちが悪い。けれど、ユーザーが払いたいというタイミングでとれなければ意味がない」(杉本氏)。

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