やせ我慢してでも「いい場所」にするのが先ーーLINE Payに動画広告、出澤氏が語る「次の一手」 #bdash

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.4.12

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前代表の次は「現」代表だ。

LINE前代表の森川亮氏による新サービスの発表に沸いた福岡だが、もちろん、この巨大メッセージングプラットフォームは今も動き続け、次の成長を目指す。

昨年10月に開催された事業戦略説明会で5.6億人の登録ユーザーを発表し、決済を中心としたデリバリやタクシー配車のライフ領域、ゲームや音楽といったエンタメ領域のプラットフォーム事業へと駒を進めるLINE。年が明けてウェブペイの買収やLINE TAXIのエリア拡大など、粛々とそれらを次のフェーズへと向かわせている。

LINEは次にどう動くのか?

森川氏からバトンを受け継いで新たにLINE代表取締役となった出澤剛氏が壇上に上がり、今後の戦略について語る。モデレートはB Dash Ventures代表取締役の渡辺洋行氏が務めた。

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まず、最初に現在のLINEの状況だ。出澤氏は成長戦略としてのグローバル化とプラットフォーム推進について改めて説明した。

「タイと台湾では日本よりも盛り上がっている感じになってます。大切な指標となる月間アクティブユーザーは1.8億人。グローバル化についてはローカライズを徹底的にやっていますね。例えばブラジルではムーというキャラクターがなよなよして気持ち悪いということでマッチョにしたり」(出澤氏)。

現地の文化背景、端末の普及度、キャリアのデータプランなどといったインフラ面以外にも、東南アジア、特にインドネシアでヒットしている同級生を探せる機能といった、サービス内容によるローカライズも進めているという。一方、苦戦が伝えられている欧米はセルフィーのステッカーを用意するなど「挑戦の連続」と語っていた。

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プラットフォーム戦略については、エンターテインメント系のゲームは順調で、LINE事業単体売上(774億円※)の半分以上はゲームが稼ぎ出しているということだった。また、発表以来少し音沙汰がなかったミュージックについても「もうそろそろ」と補足、ライフ領域についてはLINE Payが大きな役割を果たし、LINE@などのO2O系サービスとの連携も始まるということだった。

「アジアではインドネシアは特に重要視してます。タイと台湾はトップシェアが取れているので、そこではプラットフォーム展開を進めています。こういうサービスは友人がいるところに集まってくるのでシェアトップのサービスにはローコストで人が集まる。一方で欧米はマーケットサイズも大きいが攻略するのにお金もかかる。手を替え品を替えといったところです」(出澤氏)。

興味があるのはやはり次の展開だ。

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エンターテインメント領域はゲームが鉄板なので、どちらかというとライフ領域だろう。LINE@のようなO2O領域はまだまだ伸びしろが大きい。渡辺氏にLINEが用意する「次のサービス」について水を向けられると、出澤氏は少し思案しながらコマースへの興味を語った。

「特にスマートフォンになってPCの置き換えではない、インターネットがこれまで届いていなかった人たちにリーチするようになりました。なのでそういった層に提案できることはやっておこうと考えてます。(特に)リアルタイムのコマースにはチャンスがある。コマースに関する取り組みについては幾つか発表ができると思います」(出澤氏)。

現在、LINEではグローバルで120近いプロジェクトが走っており、その約3分の1がライフ系のプロダクトなのだそうだ。

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「LINEは親しい人たちのコミュニケーションをオンライン上に再現しているものです。人間関係を使って付加価値を提供できるもの、例えば初期の頃にLINEゲームでは友人とランキングで競えることが新しい価値でした」(出澤氏)。

こういった展開を推進するため、LINEでは内部で走っているプロジェクト以外にも、外部の買収や提携も進める。最近では女性YouTuberプロダクションのスリーミニッツやBrainWarsのトランスリミットへの出資、ライフ領域のウェブペイの買収といった具合だ。

「現在ゲーム関連で100億円、ライフ関連で50億円のファンドを用意していて、それ以外にもジョイントベンチャーや本体からの投資もあります。ゲームは分かりやすくゲームですし、ライフ系では決済やO2O関連。こちらはウェブペイにジョインしてもらったので力が入ってます」(出澤氏)。

また、今回このカンファレンス全体を通じて動画関連のビジネス、サービスの話題が大変多かった。特に巨大メディアとして動画広告への取り組みは、単価の改善やナショナルクライアントへのリーチなど、売上面でのメリットが大きい。出澤氏はLINEの動画への取り組みについてこう話す。

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「森川さんの発表もそうでしたが、LINEでもライブキャスト(LINE Live Playerプラグインで利用可能)っていうのは既に始まっていて、バーバーリーがグローバルのマーケティングパートナーとしてリアルタイムにショーの配信をしたところ、10万人以上が視聴しました。

動画広告についても1年以上やっていて、例えば新しい商品でスタンプを手にいれるために動画広告を視聴するというものがあります。毎年動画元年と言われてますが、今年は本当にブレイクするんじゃないかなと思ってます」(出澤氏)。

出澤氏が説明したこの動画枠はメルセデス・ベンツやサントリー、トヨタといった大手クライアントが利用したということで、価格は6000万円ほどのボリュームになるという。

「ナショナルクライアントに対してどういう価値を提供するかがすごく大切です。LINEで動画広告を提供するとまず数百万回視聴されます。そこを動線にユーザーは(スポンサーの)スタンプをダウンロードし、何十回と使うわけです。スタンプがユーザー間を往来して認知が広がるんです」(出澤氏)。

一方で出澤氏は収益化について「(広告販売を)やせ我慢してでも価値を分かっていただく段階」と語り、これを急ぐというよりはまだ、プラットフォームとユーザーの接点を増やし「LINEをいい場所にしていく」ことの方が優先としていた。


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