Twitter社CEOとしてのディック・コストロ氏の5年間ーーその功績とやり残した仕事とは?

SHARE:
via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Garrett Heath“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

2010年10月上旬にディック・コストロ氏のTwitter社CEO就任が発表された際、San Jose Mercury News紙のコラムニストだった私は次のような題名でコラムを書いた。

Twitterの新CEOは待ち受ける大きな仕事にふさわしい人物か?

コラムには、Twitter共同設立者エヴァン・ウィリアムズ氏の後任となるコストロ氏が直面することになる大きな課題を一覧にした。コストロ氏はTwitter設立後の4年間で3人目のCEOとなり、ビジョナリーの創業者が神のように崇拝されるシリコンバレーにあって通常はあり得ない交代劇だった。

今になってコラムを読み返してみると、全般的にはコストロ氏は並外れた仕事をしたと思う。だが同時に、同氏に高い評価を残すのも難しいと思う。第1四半期の利益目標も未達成だったし、ウォールストリートを味方にすることもできなかった。しかも、エンジェル投資家や主要株主のChris Sacca氏による、ブログポストを通じた愛憎入り交じる批判の引き金も引いてしまった。

これらを踏まえ、コストロ氏の在職期間について、そして私の元々の疑問にどう応えたのか、次のような私の考えを示したい。

良かったこと

Nick Bilton氏の著書「Hatching Twitter」の中で、Facebook設立者のマーク・ザッカーバーグ氏による次のようなコメントを引用している

「(Twitterは)大いなる混乱だ - 彼らはまるでピエロの車で金山に向かい、勝手に転落しているようなものだ。」

サイトはしょっちゅうクラッシュしていた。実際、コストロ氏がCEOに指名された日もクラッシュした。急速に成長するユーザベースをどのようにすれば効果的にマネタイズできるかわかっていなかった。実際、第1回デベロッパーカンファレンスの数ヶ月後に、どのサービスを自社開発し、何をサードパーティーに解放するかにてついて混乱を招くメッセージを発したりもしていた。

そして非常に根本的なレベルで、Twitterは新規ユーザにとって非常にわかりにくいものだった。

社外から経験豊富な幹部社員を雇用するのではなく(GoogleはEric Schmidt氏を起用した)、Twitterでは当時COOだったコストロ氏を内部昇格させた。同氏はCEOを勤めた経験があったが、Twitterは同氏が設立したことのある3社よりも既に大きかった。

その当時、私は「投資家から10億米ドル以上の企業価値と評価されている会社を経営する能力がコストロ氏にあるか、いくつか不安がある」と書いていた。

以来、コストロ氏はCEOに値するという以上のことをしてきたと思う。業績不調はほぼ無かった。同氏は#FailWhaleに銛を打ち込んだ。Twitterの舵をとり、期待されることのなかった規模まで大きく成長させた。広告収入を劇的に拡大した。社員を300人から3900人にまで増やした。

そして、もちろんTwitterを上場させた。

(上記ツイート訳)
Marc Benioff@Benioff氏
おめでとう @dickc! CEO在職中に株主価値が10億米ドルから240億米ドルに成長した。在職期間中に24倍の成長を実現するCEOはそうはいない。お見事だった。

ダメだったこと

昨年から、コストロ氏のCEOとしての批判が大きくなり始めた。単に解決できない問題がありすぎたのだ。Twitterはあらゆる機会をつかみ損ねたという感触が残る。

Twitterのユーザ数の伸びは悪くなっていた。あらゆるメディアプラットフォームから無料でアクセスできるようなサービスを営む会社としては、これは実に注視すべきことだ。Twitterが主流かどうか議論すると、やはり新しく利用するユーザには難しすぎて理解できないという事実が残る。

5年間はこの問題を解決するのに十分な時間だったはずだ。

一方で収益は伸び続けているものの、9年経ってもTwitterは黒字転換できずにいる。そのためにGoogleなど他企業から買収されるのではという憶測が絶えず存在していた。これは士気に関わる。

コストロ氏は昨年、上層部のほぼ全面的な見直しを行ったが、根本的な問題の改善が見込まれなかった。そしてある時期になって、残ったのはたった1人だけになった。

また、詳細を繰り返し伝えるほどのものではないが、Sacca氏のブログ記事を読む(ざっと見る)と、おそらくTwitterの最大の欠点がよくわかる。ユーザとサービス利用を拡大させる新製品を一貫して開発できなかったことだ。

この点、Facebookは素晴らしい。Twitterはようやくペースを上げたようだが(昨日、ダイレクトメッセージの文字制限を撤廃した)、プラットフォームの改革は今もなお、よりユーザ主導のようだ。

混乱

もちろん、もっと楽観的に考えるならこれを「良い機会」と呼んでも構わない。

なんだかんだ言ってもTwitterは依然として世界中で驚くほど認知されている。その一方で、2007年12月以来のTwitterユーザとして、私はFacebookよりもTwitterを頻繁には利用していないことに気付いた。今起こっているライブイベントにはTwitterは素晴らしく向いている。だがその場合でも膨大なツイートで、ちょっとばかり無駄で混沌とした状態にならないとも限らない。

会話に関して言えば、ほとんどフォローするのは不可能だ。近頃Twitterはそれをほんのわずか改善するマイナーチェンジを行った。しかし、個人的にはまだ難しすぎてテンションが下がる。もしあるユーザがあなたを批判し始めて、他のユーザたちもそこに飛び込んでくるようなことがあれば、この狂気的な会話を全てフォローするのは不可能だ。

Twitterがダイレクトメッセージに対してマイナーチェンジを数年間行っているのに対して、FacebookはMessengerをユーザ数7億人の全く別のプロダクトとして独立させた。現在Messengerは独自のプラットフォームを持っている。メッセージ機能はTwitterが逃した多くの機会のうちのひとつに過ぎない。

Twitterにはライブストリーミング動画アプリのPeriscopeがあり、ポテンシャルが大いにある。Vineはうまくいっている。音楽関連について見直す必要があるだろう。ライブイベントをより簡単にフォローできるようにする必要があるだろう。そして私たちが挙げた豊富なコンテンツを活用し、ベストなモノを見つけてほしい。

また、同社は開発者がどの役目を担いたいかを正確に把握する必要があるだろう。彼らの助けが必要だと言って、データのアクセス制限をして彼らの邪魔をするようなら、大混乱になりそうだ。

ここには何千もの可能性が広がっている。ポテンシャルは依然として巨大だ。しかし私が思うに、Twitterにとって、プロダクトパーソンとしての実績を持つCEOを見つけることは必要不可欠である。経験を簡素化する一方でTwitterユーティリティの拡大をするという一見不可能な両天秤策をうまく行う誰かを。

さもなければ、間違いなく投資家たちは臭いを嗅ぎ付け、Twitterのサンフランシスコ本社の外に住み着くようになるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

----------[AD]----------