MERY創業を支えた若き「文系」技術者ーー隠れたキーマンを調べるお・ペロリ河合氏インタビュー

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編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

多くの若い女性に評価されているキュレーションプラットフォーム「MERY」。2014年10月にディー・エヌ・エーグループ入りし、順調に成長しているこのサービスを運営するペロリを中川綾太郎氏とともに創業したエンジニアの河合真吾氏。取締役として技術だけではなくプロダクト全般を牽引する河合氏にインタビューしてみました。

大柴:何度かお見かけしていましたが、話すのは初めてですね。よろしくお願いします。

河合:よろしくお願いします。

大柴:河合さんって今おいくつ何ですか?

河合:23歳です。今年24歳になります。

大柴:あ、そんなに若かったんですね。じゃあ綾太郎さんよりも若いんですね。

河合:そうですね、3歳かな?下です。

大柴:なるほど。河合さんはペロリの創業メンバーですが、その前はアトコレにいらっしゃったんですよね?

河合:はい。最近ニュースにもなっていましたが(笑)。

大柴:大学は早稲田ですかね?

河合:はい。子供の頃から本が好きで、たくさん読んでいました。純文学とかそういった類の小説などを。大学も文学系行こうかなって思ってたのですが、もう少しビジネス寄りの方がいろいろ良いかなと思い、最終的に商学部にしました。ちなみに綾太郎さんもアリコーさん(ペロリ初期メンバーの有川鴻哉氏)も同じです。ただ彼らとは大学で交流持っていたわけではなく、たまたま大学が一緒という感じです。

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大柴:なるほど。

河合:大学に入ったものの、勉強などはあまりせず、ダラダラと過ごしていたんです。でも徐々に危機感が芽生えたというか。それでちょうどTwitter見てたら石田さん(旧・アトコレ、現・マイナースタジオ代表取締役の石田健氏)が面白そうなプロジェクトを企画していたので「話をきかせてください!」とアプローチしたんです。

大柴:ほうほう。それが「アトコレ」ですか?

河合:いや、違います。スタディツアーとグルーポンを組み合わせたようなサービスを石田さんが考えていて、それに興味を持ちました。

大柴:へー。

河合:けど上手くいかなくて。そのあと石田さんが成田さん(現クラウドワークス取締役の成田修造氏)と会社をやるということになり、誘われてジョインしました。

大柴:それがアトコレですね。

河合:はい。最初はインターンとして入ったのですが、気合いを入れて頑張っていたら、最終的に取締役になることができました(笑)

大柴:「アトコレ」のシステムは河合さんが作られたんですか?

河合:そうですね。ただそれまでプログラムを書いたことなくて・・・。

大柴:えっ、そうなんですか?

河合:はい。「アトコレ」を作ろうとなって本を読んだり、周囲に聞いたりして3ヶ月で作りました。文系だけど、頑張ればできるもんだなぁって思いました。

大柴:それは凄いですね。

河合:アトコレはVOYAGEさんのBOATにオフィスを借りてたんです。なので周りに聞ける人が多かったのも大きいですね。

大柴:BOATにいらしたんですね。

河合:はい。隣にはtrippieceさんがいました。そこに綾太郎さんがよく遊びに来てて。ちょくちょく話すようになりました。

大柴:なるほどー。その後、その綾太郎さんもアトコレに参画しますね。

河合:はい。しばらくして、色々あり、アトコレからは抜けまして。

MERY__メリー_|女の子の毎日をかわいく。
ペロリが運営するMERY

大柴:そしてペロリ創業ですね。

河合:はい。最初はイベント系サービスを始めたんです。ユーザーはそれなりに集まったんですが、営業面が難しくて。僕と綾太郎さんなんで(笑)。やっぱりC向けサービスが良いね、って。それで始めたのが「MERY」です。

大柴:その頃って会社はどんな感じだったのですか?

河合:「MERY」はグロースの仮説が良かったので、あとはやるだけというか、サービス規模を大きくしてくだけという感じで。当時、北参道のマンションでやってたのですが、13畳くらいかな?そこに10人以上いてカオスでした(笑)。

大柴:その後は順調にサービスも伸び、ちょうど一年前にディー・エヌ・エーグループ入りしました。

河合:開発も事業開発もとにかくリソースが足りなかったんです。サービスは成長していてやりたいことがたくさんあったけど、リソースがなくてできない。そんな状況でディー・エヌ・エーグループになり、色々な経験を持ったメンバーが入ってくれて、これまでできなかったこともできるようになったのが大きいです。MERY独自のカルチャーともうまく溶け込んで、形態は関係なく全員でサービスに向き合えています。結果として、環境はすごくよくなりましたね。

大柴:ペロリってハードワークの印象ありますが、変わってないですよね。

河合:そうですね(笑)。個人的には、やればやるだけ伸びていくし、つらいとかそういうのは無く、ただ楽しいです。仕事以外のことはあまり考えてないですし、休日も結局仕事のことばかり考えてるので。でも、もちろん、全員にそういった働き方を強制しているとかは全くなくて。サービスを楽しんで作れるメンバーが集まったが故のハードワーク、みたいなイメージですね。もちろんオンとオフにメリハリをつけるのも意識していますよ。こんな言い方するとちょっとブラックっぽいですが(笑)。

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大柴:社内における河合さんの役割というのはどういうものですか?

河合:技術面だけでなく、サービスまで含めてみています。意識しているのは、サービスとマーケティングを絡めてプロダクト設計すること。プロダクトは何かと何かを組み合わせるとレバレッジが効いてくると考えていて。最近の好きな言葉は「マーケティングを実装する」というもの。いろんなサービスを横串で見て、プロダクトとして勝てる仕組みを作っていきたい。とにかく数字を作れる人になりたいんです。

大柴:「マーケティングを実装する」って良い言葉ですね。確かにその通りというか、正しいですね。ではそのあたりは綾太郎さんとも認識が同じ、という感じですか?

河合:そうですね。直近の施策のオペレーションやグロースの部分は同じ認識だと思います。でも中川は、基本的に何でも自分でできてしまうタイプで。彼は仕事の範囲が圧倒的に広いんですよ。一個一個のプロダクトも見てるし、採用、人事やマーケティング、など。僕個人の考え方としては、いけるとこまでは社長が見るのは正しいのかなって思っているので。ビジョンや戦略などの大枠は彼が中心となって進めつつ、実行部分をうまくサポートしていければと思ってます。

大柴:なるほど。そういえば綾太郎さんの第一印象ってどんな感じでしたか?

河合:髪が長いなと(笑)。あの頃はちょんまげみたいに髪を結んでて。「綾太郎」って本名なのかな?って思ったり(笑)。でも圧倒的にネットに詳しかった。いろんな人がいたけど、ずば抜けてネットに詳しくて。それがすごく印象深いです。

大柴:なるほど。それから数年一緒に会社を運営してどうですか?

河合:さっきも少し話しましたが、仕事の範囲が広い。あと変なキャラじゃないですか。あれが逆に良いというか、謎の説得力を生むんですよね。ロジック以上の説得力。もちろんロジックもあるのですが。

大柴:確かに。わかる気がします。最後に河合さんの今後の展望をお聞かせいただければ。

河合:今後ですか・・・仕事以外考えられないですね・・・。あ、今度アトコレ創業メンバー4人で飲むんです。石田さんのお祝いということで。みんなで楽しいお酒が飲めると思います。とても楽しみです。

大柴:なんか良い話ですね・・・。今日は貴重なお話をありがとうございました。

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