イギリスではビジネスの投資や誘致を促す貿易投資総省(UKTI=UK Trade and Investment)に加え、スタートアップをはじめとする起業を促す専門政府機関として、2009年からビジネス・イノベーション・技能省(BIS=Department for Business, Innovation and Skills)が設置されている。Innovate 2015 の冒頭では、BIS で長官を務める Sajid Javid 卿が基調講演し、イギリスのスタートアップ環境や起業文化の優位性を強調した。
Good Night Lamp は、大きなランプと小さなランプがセットになっており、Wi-Fi 経由で互いのスイッチが連携するようになっている。こうすることで、たとえ家族が地球上の離れ々々の場所にいても、相手が起きているか寝ているかなどを、直感的に捉えることができるというものだ。相手が起きている時間であれば、Skype コールをして話をすることができる。Kickstarter 上でのクラウドファンディングは失敗に終わったものの、支援者が多くいたことに勇気付けられ、量販体制の整備に取組んでいるとのこと。
Space Cot
Space Cot は、ESA(欧州宇宙機関)も採用している技術を使った、簡単に持ち運びや収納ができる幼児用の小型ベッド。Oxford Space Structures が開発している。ESA のインキュベータから5万ユーロの出資を受け、F1エンジニアらがチームにジョインしたことにより、ESA が持つ、打ち上げ時に折りたたまれた人工衛星を宇宙で開く技術の提供を受けて、このプロダクトが実現した。ロンドンと蘇州にオフィスがあり、デザインはオランダ、生産は中国というグローバル体制。赤ちゃんのベッドを部屋の中に置いたままにできないような、家屋の狭い人口過密地域の市場に営業展開したいとしている。今年4月からは中国で販売しており、今後は日本の幼児用品店舗などと連携して、日本の消費者に販売していきたいとのことだ。
CapTag
CapTag は、RFID を埋め込んだラベルをワインやリキュールなどのボトルに貼ることで、商品のトラッキングができるようにするサービス。コンテナ単位、ロット単位ではなく、ボトル単位での管理が可能になる。バーコードのように一つずつスキャンする必要はなく、離れた位置からでも複数の RFID をまとめて読み取れるため、いろんな種類のボトルが混じり合っていても、その商品のフードトレース、トラッキング、在庫管理などが可能になる。
RepKnight
RepKnight はサイバーインテリジェンスを手がける会社で、Twitter をはじめソーシャルメディアなどから得られた情報をビッグデータ解析。今後起き得る危険を事前に察知し、それに基づいてユーザに警告を発することができるサービスを提供する。具体的なユースケースは、要人警護にあたってのリスク分析、どの時間にどの街角でデモが起きるか、といった予測情報だ。プロダクトの内容が内容だけに、ユーザはパブリックセクター(公的機関)が多く、具体的な名前は教えてもらえなかったが、警察や警備会社、インテリジェンスなどがクライアントということだった。インテリジェンスというのは、断定できないが、例えば、MI6 として知られる Secret Intelligence Service のような組織を指すのだろう。