ビジネス向け匿名SNS「Blind」のTeamBlindがDCMとグローバル・ブレインから資金調達、国際展開を加速

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韓国発でサンフランシスコに拠点を置くスタートアップ TeamBlind は9日、DCM とグローバル・ブレインから資金調達したことを明らかにした。なお、調達金額などは開示されていない。

TeamBlind は、ビジネス向けの匿名ソーシャルネットワーク「Blind」を開発・運営している。iOS および Android で利用可能。Blind ではサインアップ時のメールアドレスのドメイン認証により、ユーザが申告した企業に在籍していることを確認。一方で、ユーザは Blind で本名が公開されず、互いにニックネームで呼び合うことになるため、上下関係を意識せずに社内の課題や問題点を論じることができる。

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Blind は、日本、アメリカ、韓国でサービスが提供されているが、上司と部下が勤務時間外に情報交換する「飲みニケーション」のような文化の無いアメリカでは、情報のギャップを埋める点で重宝するだろうし、日本や韓国ではフラットな情報交換に一役買うことだろう。

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YoungJun Yoon 氏

TeamBlind の 日本GM を務める YoungJun Yoon 氏によれば、現在、日米韓で大企業を中心に約800社が利用しており、業種別に企業横断で情報交換ができる「ラウンジ」についても、「商社ラウンジ」など世界全体で55のラウンジが利用できるようになっているのだそうだ。

同社の戦略や今後の方向性について聞いてみた。

特に、トップティアの企業のユーザに使ってもらえるよう注力しています。しかし、我々のサービスは、B2B ではなく B2C。企業から費用をもらったり、企業に直接マーケティングを行ったりすることはありません。

ユーザには何でも自由に議論してもらえるように、プラットフォーム上の匿名制を担保しており、個々の投稿が誰による発言かは我々にもわからないようになっています。ユーザが勤務する企業はもとより、第三者に投稿から得られた情報を提供することもありません。それをユーザに証明するためにも、大変ではありましたが、今回の資金調達も(CVC ではなく)独立系のベンチャーキャピタルからのみ出資してもらいました。

ユーザの反応は非常によく、ある企業の社員が利用を始めると、平均して4ヶ月間で、その企業の社員の8割が Blind のユーザになってくれます。MAU は80%超、WAU は70%超と非常に高い数値を弾き出しています。日本では今後、就職情報サイトなどと協業し、就職活動中の学生が、入社を希望する企業の社員と互いに匿名で情報交換ができるようなしくみを展開していけたらいいな、と考えています。

匿名制のソーシャルネットワークとしては、アメリカの Yik Yak などが存在するが、特に自分の素性を明かさずに、仕事や職場環境について議論できるプラットフォームという点では、今年2月に DeNA がリリースした「Flat(フラット)」などが競合として挙げられるだろう。一方、アメリカで先行する同業の Secret は、匿名サービスのマネタイズの難しさを理由に、今年サービスをシャットダウンした

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TeamBlind では、現在は3カ国でのサービス運用ながらも、国を横断して業種別のラウンジでの情報交換ができるしくみを強化し、Yoon 氏が語っていたような他社サービスとの連携により差別化を図っていきたいとしている。

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今年2月、シンガポールで開催された Asia Leaders Summit 2015 でピッチする TeamBlind Co-CEO の Sunguk Moon 氏。Naver 出身の彼を始め、チームは Google 出身者などで構成される。

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