10代へのリーチに強みを持つショート動画特化プロダクション「VAZ」がCAV、アドウェイズから資金調達

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10代におけるソーシャルメディアの利用はコンテンツへの接し方はかなりの速度で変化している。本誌で取り上げたこともある「Mixchannel」の利用の仕方に驚いた読者もいたのではないだろうか。10代のインフルエンサーたちは、Mixchannelだけではなく、TwitterやVineといった短い動画を使って情報を発信するようになってきているという。

VAZは、そんなショート動画におけるクリエイターを支援するプロダクションだ。2015年7月に設立し、合わせてサイバーエージェントベンチャーズ、アドウェイズによる第三者割当増資により、資金調達を実施している。

彼らのビジネスは、マルチチャンネルネットワーク(MCN)が目指すものに近い。MCNは複数のYouTubeチャンネルと提携し、番組編成や資金調達、クロスプロモーション、パートナー管理、収益化といった面でクリエイターを支援する組織だ。日本では、UUUMや3minuteといったスタートアップがこのMCNにあたる。

VAZの特徴はショート動画に特化している点と、ショート動画が受けやすい10代へのリーチを強みにしている点だ。VAZでは、ショート動画を「30秒以内の動画」と定義している。インフルエンサーたちが作成するショート動画は、中高生の間でトレンドとなることもあるという。

VAZ代表取締役の森 泰輝氏は、「『テオくん』というクリエイターの代表作品はvineにて2000万再生を超え、全国の女子高生達の間で振り付けを真似する人が続出しました。雑誌『popteen』にはテオくんの振り付けの特集が組まれるなど話題となりました」とその影響力の高さを語る。森氏が紹介してくれた映像がこちらだ。


こうした新たなトレンドの生まれた方に着目した森氏は、VAZを設立。クリエイターたちが作成した動画を、Twitterというプラットフォームを通じて拡散させるためのノウハウの蓄積を行っている。

VAZではクリエイターのネットワークを活かして、10代向けの商品を提供している企業とのタイアップ展開を予定している。すでにエムティーアイやmixiといった企業とのタイアップを実施して来ている。

アプリ「ルナルナLite」とのコラボキャンペーンにおいて、2015年8月1日~8月4日の間にクリエイターたちがショート動画を投稿していった結果、App Storeの人気検索に「ルナルナ」というワードがランクインしたという。

森氏「10代のユーザたちは、ショート動画を見て、用意されたリンクからアプリのページに飛ぶということはしません。ショート動画を見て、気になった単語で検索をするんです。そこで効果の測定のためにキャンペーン期間中は他の施策を止めてもらいました」

10代向けにアプローチする上では、効果の測り方も従来のキャンペーンとは違った工夫が必要になるようだ。まだアーティスト名は明かせないとのことだったが、SonyMusicのアーティストとのタイアップキャンペーンでは、VAZのクリエイターが宣伝した結果、iTunes Musicにて人気検索首位を獲得し、googleでの検索ボリュームは普段の約30倍に増加したという。

どういったショート動画が話題となるのか、なかなか言葉だけでは伝わらないだろう。以下に、VAZが関わった動画をいくつか紹介していく。



VAZでは、ひとつのタイアップ企画に対して、複数のクリエイターを起用してキャンペーンを実施する。VAZはこの際、タイムテーブルを設計し、ショート動画を計画的に投稿していっているという。

森氏「クリエイターによって、フォロワーの層は異なり、層が異なればどの時間にTwitterのタイムラインを見ているかも異なります。その違いを把握しながら、少しずつタイムライン上で話題になっていくよう、投稿のタイムテーブルを設計しています」

ショート動画の作成ノウハウ、クリエイターのマネジメントノウハウに加えて、Twitterというプラットフォームを利用することへの知見が溜まっていることも、VAZの強みと言えるだろう。最近では、デバイスやアプリケーションの発達により、撮影から編集まで個人が手掛けやすくなってきている。こうした環境の変化も、VAZを後押ししている。

VAZは、今回の資金調達により、経営基盤の強化を図るとともに、所属クリエイターへのサポート充実を図る。