会話AIエンジンを開発する ZEALS は13日、ウェブメディアのパブリッシャーが記事コンテンツ配信用のチャットボットを作成できる API「BOT TREE for MEDIA」をローンチすると発表した。このサービスを使うことで、パブリッシャーは、LINE、Facebook、Slack、Skype などを通じて、読者からの記事に関する問い合わせに対応可能なチャットボットの提供が可能になる。13日時点では、βテストに参加を希望するパブリッシャーからの事前登録の開始のみで、実際のサービス開始時期については未定だ。

ウェブメディアにとって、読者のトラフィック誘導には、サーチエンジン、キュレーションアプリ、メールマガジン、ソーシャルメディアなどの流入チャネルがあるが、今後は、これにチャットボットという新たなチャネルが加わることになる。既存の流入チャネルとの大きな違いは、ユーザを特定した環境でコンテンツへの誘導が行えるため、どのようなユーザがどのようなコンテンツを、どのような意図で探しているかを解析できるようになる点だ。マーケティングを意図したオウンドメディアのパブリッシャーなどが大きな恩恵に預かれるだろう。
今月10日には、ビッグデータ解析のユーザローカルがチャットボットを公開できる「人工知能ボットAPI」をリリースしている。ZEALS の「BOT TREE for MEDIA」の機能詳細は明らかになっていないため、機能やスペック面での比較はできないが、「BOT TREE for MEDIA」はオンラインメディア向けのサービスであることを強調しており、ユーザ(読者)を管理できるダッシュボードなどの機能がパブリッシャー向けに最適化されている可能性が高い。
ZEALS は2014年4月にローンチしたスタートアップで、DMM.com と富士ソフトによるコミュニケーションロボット「Palmi」や、ヴイストンの社会的対話ロボット「SOTA」で、会話型ロボットソフトウェアの開発を担当。2015年1月に、人材サービス大手のウィルグループ(東証:6089)から資金調達を実施し(調達金額非開示)、同年10月にコミュニケーションエンジン「MyROBOTS(現在の AI TREE)」を発表している。
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