スマホのカメラロールの中に埋もれてしまっている写真。子育て世代へのアンケート調査では、「子どもの写真を月に30枚以上撮る」と回答したのが全体の61%を占めました(ROLLCAKE調査)。そんな眠ったままの写真を、スマホアプリで翌月のカレンダー付き手紙にして届けられるのが「レター」です。
2014年2月にサービスを開始したレター。先行してリリースしたiPhoneアプリ経由の注文は、開始からわずか2週間で1万通を突破。2014年にはAppleの「Best of 2014」にも選ばれ、その後も発送枚数ベースで毎年2倍ペースの伸びを見せています。
そんなレターの運営会社である ROLLCAKEは、2016年6月3日付けでその経営陣がクックパッドから全株式を買い取る形でMBOを実施しました。このMBOは、クックパッドの経営体制変更前から徐々に進めていたもので、今後は完全に独立してサービス運営を行っていきます。
大切なアルバムがいつのまにか出来上がる「ALBUS」
独立したROLLCAKEが参入するのは、年間数十億枚と言われる写真プリント市場です。本日リリースしたのが、大切なアルバムがいつのまにかできていく、毎月無料の写真プリントアプリ「ALBUS(アルバス)」。iPhoneとAndroidを同時にリリースしました。本リリース前のテストでは、レターの倍近い購入コンバージョンが出ており、早くも手応えが感じられています。
ALBUSでは、毎月写真9枚8枚までを無料でプリントすることができます。9枚目からは、追加写真1枚あたり20円が加算される仕組み。ひと月に最大50枚まで注文することが可能で、一回の送料は200円です。仮に最大枚数の50枚を注文したとしても、費用は送料込みで1,020円。
送られてきた写真は、写真120枚まで収納可能な専用アルバム(別売り税別1,800円、通常価格2,400円)に収納していくことができるため、少しずつ思い出のアルバムが完成していきます。今後はアルバムへのリフィルも販売する予定です。
ネットプリントに欠けるユーザーストーリーを提案


「始めるきっかけ」と「継続性のデザイン」に注力して開発されたというALBUS。代表取締役の石田 忠司さんは、「現在のネットプリント市場はユーザへの提案が不完全」である点に着目しました。大半のサービスが単純に「プリント1枚◯◯円」というメニューの提示にとどまり、その先のユーザーストーリーが不在です。ALBUSでは、このユーザーストーリーの提案こそ、ネットプリントを伸ばすための鍵を握ると考えています。
「ALBUSでは、専用のアルバムとマンスリーカード( 毎月のインデックスカード)をセットで提案することで、少しの労力で整理されたアルバムが出来上がっていきます。さらに毎月無料の枚数を設けることで、今まで写真プリントをしていなかった人にも始めるきっかけを与えます。8枚という枚数も負担が少なく、かけた労力以上に良いものが出来上がることが継続利用に繋がると考えています」。(石田 忠司さん)
また、何らか写真プリントのサービスを利用したことがある人ならわかるように、写真プリントのユーザビリティには「面倒」な印象がつきまといます。複雑なメニューを使いこなす必要があったり、写真の選択・アップロードをしていて頻繁に落ちてしまうことも少なくありません。この点、AUBUSではレターと同様、1メニューで一方通行型のシンプルなデザインを採用しており、安定したアプリの開発に注力しています。
自分と子どものための思い出を記録
祖父母への孫の成長報告というニーズが強いレターに比べて、ALBUSが狙うのは「自分と子どものための思い出記録」です。独自のアンケート調査では、「両親が自分のためにアルバムを作ってくれた」と回答した人が全体の91%を占める一方で、「現在のところ、子どものアルバム作りができていない」という回答が全体の61%となりました。
よし、アルバムを作ろうと一度にまとめて整理しようとするとかなりの労力が必要。億劫に感じて後回しにしているうちに、写真が山のように溜まり手のつけようがなくなってしまいます。
ALBUSのように少しずつアルバムを埋めていく形なら、毎月の簡単なスマホ操作だけでそれが解決できます。一冊のアルバムを埋めていって、アルバムが1冊、2冊と増えていくのもまた楽しいはず。むしろ止めるタイミングを決められなくなってしまいそうです。
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