中国 e コマースの大手 Alibaba(阿里巴巴)は本日(原文掲載日:7月5日)、スマートスピーカー 「Tmall Genie X1(天猫精灵 X1)」をローンチし、Amazon、Apple、Google、JD(京東)などの大手競合がひしめくデジタル音声アシスタント市場に進出した。
このバーチャルアシスタントスピーカーはカスタム Smart Audio チップで動作し、高さ126ミリ、デバイス上部に6ビームのマイクアレー、下部にサブウーファーをサポートしている。ネットワーク接続にかかる時間はわずか10秒未満で、市場に出回っているスマートホームデバイスでかかる30秒よりはるかに速い。
同社中国チームによって開発され、AliGenie に対応するこの音声アシスタントサービス Tmall Genie X1 を使えば、ユーザは口頭でコマンドが可能となる。音声プリントテクノロジーにより正確かつ安全なコマンドが確保されるので、ユーザは Alibaba のショッピングサイトで買い物ができるだけでなく、デバイスを通して決済も可能となる。
X1は、Tmall Box(天猫魔盒)、エアコン、空気清浄機など同社のスマートホームプラットフォーム上で他のスマートホーム機器との接続もサポートされている。
驚くまでもないが、X1 はアメリカのテック大手企業らが提供する類似製品と比べて価格面で優位な位置につけている。料金は499人民元(73米ドル)で、Apple の Home Pod(349米ドル)、Google Home(129米ドル)、Amazon Echo(230米ドル)と比べてお手頃だ。JDの DingDong(叮咚)はモデルによって異なり、499〜698人民元。
この製品は、本日始まった限定的な一般向けテストで公開された。正式な販売開始は8月8日の予定。
サポートしている言語は中国語のみであるため、当面は中国の顧客を相手にしており、アメリカ企業にとってはホームマーケットにおいて実際の脅威にはなっていない。しかしこの製品は、アメリカ企業による中国市場での成長をやがて摘み取ってしまうのは確実だろう。
Alibaba は国内の競合からも深刻な競争圧力を受けている。Tencent(騰訊)は今年初め、AIアシスタントの Dingdang(叮当) をローンチした。AI ではそのほか、Baidu(百度)は Alexa のようなサービスの Raven Tech(渡鴉科技)を買収してこのセクターで事業を展開している。
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