
中国の大手テック企業 Alibaba(阿里巴巴)は4日、上海で開催された毎年恒例の美容サミットで、音声起動スマートミラー「Tmall Genie Queen(天猫精灵 Queen)」を初公開した。この応答型ミラーで、中国で増加するテクノロジーに詳しい女性消費者の間で高まる美容需要に応えようとしている。
スマートスピーカーベースと8インチのスマートミラーで構成され、Alibaba の音声アシスタント「AliGenie」 が内蔵されている。なお、AliGenie は大ヒット中の AI スピーカー「Tmall Genie(天猫精灵)」にも搭載されている。同デバイスの出荷台数は2017年7月の発売以来、約1,000万台にもなる。
Tmall Genie Queen の場合、ユーザは音声コマンドで様々な照明設定をすることで、明るいコーヒーショップでも薄暗いバーでも顔がくっきりと見えるようになるという。
現在まだ公開テストの段階で、出荷日や販売価格に関する詳細はイベントで明かされなかった。
コンセプトの観点から言うと、スマートミラーは決して新しいものではなく、CareOS や H&M など多くの企業が音声起動型スマートミラーを製造してきている。しかし、そのほとんどが数百米ドルで販売されている全身または上半身用のミラーである。そのような製品は、中国市場ではまだ足がかりを得ていない。
Tmall Genie と同様、Tmall Genie Queen の音声認識で Alibaba のショッピングサイト「Tmall(天猫)」でショッピングをすることができる。
その他、天気予報、美容に関するヒントなど幅広い情報をユーザに提供し、エアコンなどの機器を音声でコントロールすることも可能となる。
Alibaba によると、声紋認識技術を用いることで許可されたユーザ以外、商品を発注できないようにするという。
Tmall Genie Queen を開発する Alibaba AI Labs(阿里巴巴人工知能実験室)のトップ Chen Lijuan(陳麗娟)氏は以下のように述べている。
電子製品を購入する女性の割合は、男性と基本的に変わりません。その一方、女性の家電製品の購買率は60%を超えています。
また Chen 氏は、スキンチェッカーを含む美容関連スマートデバイスの売り上げが2018年で倍増したと語った。
同イベントで、Tmall は「Alibaba Business Operating System(阿里巴巴商業操作系統)」を再び発表し、今回は美容ブランドへのサポートに専念していくとした。 同システムは1月にローンチされ、ブランドの販売、物流、サプライチェーン管理といった様々な分野のデジタル化を支援する「ワンストップソリューション」として位置づけられている
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