シンガポール拠点のCashShield、シリーズAで550万米ドルを調達——ウォール街での取引戦術を活用し、企業のオンライン詐欺対策を支援

SHARE:
cashshield-dashboard.jpg
(上)CashShield ダッシュボード
Image Credit: CashShield

CashShield はリスクを潜在的売上げ機会に転換することで企業のオンライン詐欺対策を支援するスタートアップ。同社は本日(9月14日)、550万米ドルの資金を調達したことを発表した。本ラウンドは GGV Capital がリードし、他にもプライベートエクイティ企業の Heliconia Capital Management、ゲームライフスタイルブランドの Razer、ベンチャーキャピタルの Stream Global、そして「iPod の父」Tony Fadell 氏の参加があった。

シンガポールを本拠とするこのスタートアップは API 統合を通じて企業がつながるソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)を提供している。CashShield はオンライン取引と株式投資の類似性(詐欺の観点から)を利用することで、ウォール街のトレーディングツールを使って取引を分析しているという。

CashShield 設立者兼 CEO の Justin Lie 氏は VentureBeat に対し e メールで次のように述べている。

リスクが無ければリターンも無いということを踏まえれば、詐欺のリスクも完全に排除するよりも管理して然るべきものなのです。当社は、詐欺に遭う確率を0.1%から0.2%に増やすと、売上げが潜在的にもう10%増やせる場合があると顧客企業に良くお話ししています。

CashShield は40~50社の顧客を持つとしており、顧客には Razer や SquareEnix が含まれる。他の報告によると、中国のテクノロジー大手 Alibaba も顧客ということだ。同スタートアップは取引単位で定額料金を課しており、金額は固有リスクや業界リスク、取引規模などによって異なる。他の詐欺検出ソリューションには Riskified、Signifyd、Sift Science などがある。

Lie 氏は CashShield を2008年に設立し、研究開発に集中していた最初の数年間を自己資金で運営した。同社は2014年にローンチし、今ではシンガポール、サンフランシスコ、ベルリン、ジャカルタ、上海に事務所を構え、様々なマーケットにわたり積極的に拡大中だ。

従業員数は現在35名、新たな調達資金はさらなるマーケットへの進出に使用する予定。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する