リアルタイム翻訳デバイス「Onyx」を開発するOrion Labs、1,825万米ドルを調達

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Orion Labs 社製の翻訳デバイス「Onyx」を身につけるユーザ
Image Credit: Orion Labs

Orion Labs は、販売チームの拡大と、音声制御型ボット用の Onyx デバイスおよび Orion プラットフォームの開発継続のために1,825万米ドルの資金調達を行い、そのラウンドが完了したことを本日(9月6日)発表した。同社は新たなリアルタイム翻訳装置の開発も行っており、その装置は今のところ英語とスペイン語での会話に焦点を当てたものだが、Orion Labs の CEO である Jesse Robbins 氏は VentureBeat との電話インタビューの中で、次は北京語になるだろうと述べている。

Orion Labs は仕事場向けの音声制御型ボットの開発を行っており、このボットは、従業員が自分の仕事をする上で何度も繰り返されるような質問に対して回答してくれるように設計されている。

『スタートレック』に登場するコミュニケータ・バッジのような Onyx のスマートトランシーバーは、運輸、物流、食品サービス、建築、救急サービスなど、移動を伴う分野で働く従業員のためのものだと Robbins 氏は説明する。

同氏はこう語る。

わざわざ誰かに頼んで店のバックヤードまで在庫を確認しに行ってもらわなくても、「ねえ、この商品の在庫ある?」と質問すれば、Orion のボット、もしくは Orion が支援して開発したボットが答えてくれます。

Orion Labs ボットのもう一つの人気の利用方法は、状況や現在地の報告をしてくれるもので、医療業界や建築業界で労働者の管理を行うのに役立つ。

同社は Robbins 氏と Greg Albrecht 氏によって共同設立された。両氏はソフトウェア業界とスタートアップ業界で働いていた経験を持っているだけでなく、救急救命士でもある。彼らは自らの仕事を行う上で必要となる単純だが重要な質問に答えてくれるように Onyx を開発したのだ。

ほとんどの場合、現場レベルの従業員に対してはいつも回答が必要となるような質問は限られてくる。例えば彼らの場合だと、「この湾岸に病院はありますか?」、「そちらの病院は開いていますか?」、「患者をそこに搬送してもいいですか?」などがそうだ。

彼はこう語る。

これは汎用 AI を必要としません。ほんの少し用途を限定したもので、「本当に重要な仕事をしている人に役立つ回答をリアルタイムで提供したいだけ」と言えます。

Orion Labs のボットは質問に答えるために、リアルタイムデータベースと顧客が管理するスプレッドシートの両方に接続する。

Robin 氏は現在提携しているクライアントの数を明かさなかったが、クライアントは地方自治体や中小企業から多国籍企業まで様々なようだ。

同社はボットの翻訳機能と音声理解機能を向上させるために、Microsoft、Google、IBM Watson といった企業の AI サービスをマッシュアップしたものを利用している。

今回の1,825万米ドルの資金調達ラウンドでは Allen & Company LLC がリード投資家を務め、Argentum、The Thermo Companies、Fuel Capital が参加したほか、複数の個人投資家が集まって参加した。

Orion Labs は2013年のローンチからこれまでに約3,000万米ドルを調達している。従業員数は50名で、サンフランシスコに拠点を置いている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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