イスラム法遵守の投資プラットフォームを運営するWahed、シードラウンド700万米ドルを調達——イスラム教徒への投資機会創出に期待

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ハラルに基づいた投資ファンド「Wahed」
Image Credit: Wahed

ハラル順守の投資プラットフォームを運営する Wahed Invest が700万米ドルの資金を調達した。これにより、ハラルを順守した、あるいは従来のイスラム法に触れる恐れのない投資案件に資金投入できる人が増える見込みだ。

デジタル投資会社である同社は、今回の資金をアーリーステージ向けベンチャーキャピタルの Cue Ball Capital と、地元スタートアップへの支援で知られる中東ベンチャーキャピタル BECO Capital から調達した。

ニューヨークを拠点とする Wahed によれば、同社のクライアントは確定拠出年金(401k)や個人退職金勘定(IRA)を Wahed の投資プラットフォームへ再投資することが可能になるという。また、イギリスにおいても2017年末までにはハラル順守企業への投資ができるようになる見込み。

Wahed の CEO、Junaid Wahedna 氏は声明でこのように語った。

敬虔なムスリム(イスラム教徒)はハラルの価値観を完璧に守ることを信奉していますが、最近まで自分たちの倫理的行動に投資を盛り込むのは難しかったのです。

当社の投資プラットフォームに確定拠出年金や個人退職金勘定が加われば、ムスリムその他のアメリカ人が道徳的に自信を持って未来に投資できる機会を当社が提供することで、当社はイスラム社会に対して包括的なサービス提供を行う卓越したハラル投資プラットフォームへと、次なる一歩を踏み出すことになるでしょう。

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「Wahed」のハラルに基づいた投資プラットフォーム
Image Credit: Wahed

アメリカのイスラム教徒が、確実に自分たちの価値観に見合う企業(酒類、銃器、ギャンブル、煙草産業に関わりのない企業)へ投資を行えるようにすることに重点を置き、Wahed のシステムは倫理審査委員会の監視を受けている。また、利息から利益を紡ぎ出す投資や、負債率規定を守れていない投資についても審査を行っている。

Cue Ball Capital のパートナー、Ali Rahimtula 氏は声明でこう述べている。

民主的に変化を遂げたプラットフォームや倫理審査委員会、サービス拡張によって、Wahed は巨大マーケット向け投資プラットフォームを作り出す一大手段となったのです。私たちは Wahed への投資に期待を寄せています。当社ポートフォリオに世界的なフィンテック企業が増え、目的ある投資を拡張できます。

同プラットフォームへは100米ドルから投資が可能で、ウェブインターフェイスもある。

BECO Capital の CIO、Amir Farha 氏は次のように語る。

従来の資産管理は庶民のニーズに合っていません。Wahed Invest とは大多数のムスリムにとって、自分たちの財産を守るための手ごろで効率の良い媒体を提供してくれるレバレッジ・テクノロジーなのです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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