
Darvin Kurniawan 氏が Crowdvilla を立ち上げたとき、考えていたのは自分や友人の直面していた問題を解決することだけだった。
同氏は e27との電話で次のように語った。
不動産に投資したいものの自分で投資するほどのお金がないというとき、融資を募らないといけません。しかし、それを成功させるほど私には多くの友人がいないということにすぐ気付きました。
Kurniawan 氏は、シンガポール国立大学のコンピュータ学部の学友 David Chandra 氏や Hendrik Tanjaya Tan 氏と共に、デジタル資産を用いた不動産購入を可能にすることを目指すプラートフォーム Reidao を設立した。
Kurniawan 氏はこう説明する。
この企業を始めたときの主な目標は、現実世界の価値ある何らかの物によって裏付けされたデジタル資産を持つことでした。というのは、ビットコインやイーサリアムなどすべての仮想通貨には、裏付けとなる現物価値がないからです。そのため、自分たちがやっているようなことを評価してくれる人々もいるかもしれないと思ったのです。
Reidao で彼らは資産所有にペッグされたデジタルトークンを作ることを目指した。例えば、1トークンが1%の資産所有に変換されるなどである。
しかし、このビジネスモデルが規制側から証券と見なされないようにするため、Reidao のチームは Crowdvilla をローンチしてピボットを図ることに決めた。このプラットフォームはシェアリングエコノミーのコンセプトを実行しており、ユーザはイーサリアムを使って主要観光地の休暇用別荘に投資できるようになる。
Kurniawan 氏によれば、Crowdvilla のトークンは不動産の価値にペッグされているわけではないため、同社のビジネスモデルを証券と見なすことはできないという。トークンがペッグされているのは不動産の使用であって、これはサービス業界でタイムシェアリングとして広く知られるコンセプトだ。
同氏はこのように説明する。
旅行するとき、トークンから生成されるポイントを利用して、これを決済とすればそれだけで大丈夫です。その後ポイントはシステムから消去されます。
Crowdvilla(CRV)トークンとは、マンション、ホテル、貸別荘など、Crowdvilla のポートフォリオにある資産に対する所有トークンのことだ。そして CRV トークンは定期的に Crowdpoint(CROWD)トークンを生成する。このトークンは、予約プラットフォームで Crowdvilla の不動産への宿泊を予約するために使われる、1回限りの利用トークンである。このトークンは1度利用すると消去される。
利益は取らない Crowdvilla
Crowdvilla について注目に値する点は、同社がシンガポールの非営利団体(NPO)として登録されていることだ。非営利団体としての登録は、トークンセールに関する多くの人からの不安に鑑みて決定された。このトークンセールは詐欺かもしれない、会社がトークンセールで集めたお金を持ち逃げするかもしれないという不安である。
Kurniawan 氏は次のように語る。
シンガポールの NPO として、トークンセールを行うことになります。人々からどれほど多くの寄付がこの法人に集まろうと、シンガポールにおける NPO の定義と規則からして、この NPO は株主を持ちません。突然閉鎖してお金を持ち逃げすることなどはできないのです。シンガポールの法的システムでは、法人は不動産所有が必須ですので、私たちの NPO も不動産を購入する必要があります。そこで、私たちはこの法人を利用して、不動産を所有し、その不動産を人々が利用するというわけです。
NPO モデルは、Crowdvilla を従来のタイムシェアリングのビジネスモデルと分け隔てる点でもある。後者のビジネスモデルは評判が悪い。利潤と経費削減を追求してサービスを犠牲にしがちな一部のビジネスオーナーのためだ。
Kurniawan 氏はこう言う。
私たち NPO にはそのようなことを行うインセンティブはありません。誰1人私たちの活動から利潤を得ません。私たちが行うのは純粋な不動産共有です。
Crowdvilla では意思決定のプロセスはどのように行われるのだろうか。
意思決定は同 NPO により行われる。この NPO には取締役会とマネジメントチームがある。NPO の唯一の任務は、規則で許可された通り、人々のために資産を購入することだ。
Kurniawan 氏はこのように語る。
イノベーションの可能性と今の規則(の要請)の間で何とかバランスをとらないといけません、両面を満たす必要があります。
プラットフォーム開始に向けて
CRV トークンは今年4月にセールが始まる予定。3段階のトークンセールで総額42万5,000イーサリアムの調達を目指す Crowdvilla は、トークンセールの売り上げを使って、まず世界中の主要観光地の10の不動産を購入する計画だ。
Crowdvilla は不動産購入を6月に開始し、管轄の運営体制を9月に固め、休暇用別荘の予約プラットフォームは2019年1月にローンチされる予定。
Crowdvilla はテック企業としての自らの限界をわきまえ、資産管理の諸企業と提携して毎日の業務運営に当たる。
Kurniawan 氏はこう語った。
これ以上安全な ICO はないと言えるでしょう。なぜなら、どんな額の寄付であれ、不動産に直接使われるからです。不動産は価値が安定しています。仮想通貨市場の動向に左右されず、不動産の動向に従います。
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