
Image Credit: Jirnexu
本日(5月17日)、マレーシアを拠点としフルスタック型フィンテックソリューションを提供する Jirnexu が、シリーズ B ラウンドで1,100万米ドルを確保したと発表した。日本を拠点とする既存投資家 SBI グループがリードした同ラウンドには、SIG Asia Investments(海納亜洲創投)も参加している。
今回の調達ラウンドは、Jirnexu が2017年10月に発表した200万米ドル規模のプレシリーズ B ラウンドに続くものであり、調達した資金総額はこれで1,700万米ドルとなった。
同社はプレスリリースで、前回の調達ラウンド以降「急速」な成長を遂げており、2017年には対前年比伸び率100%を達成したという。地元のマレーシア市場では、30を「超える」金融サービス機関にサービスを提供している。
Jirnexu は新たに獲得した資金を、商品開発、特に消費者デジタル認証と eKYC(know-your-customer、顧客確認)自動化の各分野のサポートに充てる予定だ。
また、同社がマレーシアで運営する RinggitPlus の CTO や Digital Marketing Head(デジタルマーケティング担当責任者)など、有能な人材の獲得も視野に入れている。
Jirnexu の CEO 兼共同設立者の Yuen Tuck Siew 氏は e27に対し、次のように説明している。
これから突入する成長段階では、採用、育成する人間の素質がすべてです。
ローンチする商品やサービスが増えるにつれて、ビジネスをうまく拡大していくために人材を育てる必要が出てきます。より多くの責任や P&L 所有権を持たせるようになっているため、私たちと同じくらいビジネスの成長を望んでいる指導者を探すことが不可欠なのです。
2012年に設立された Jirnexu は、銀行や保険会社がマーケティングから顧客保持にいたるカスタマージャーニーの各段階をデータドリブン型プラットフォーム XpressApply を使って管理できるようにしている。
また、マレーシアでは KreditPlus、インドネシアでは KreditGoGo という財務比較サイトを所有および運営している。
Yuen 氏はメールインタビューで、長期的にはこの2ヶ国以外にも新規市場の開拓を計画しているが、2018年は既存市場に重点を置くと説明している。
同氏はさらに、各市場で同社が直面する課題にもふれている。
マレーシアでは、銀行や保険会社の多くが、オンラインでリアルタイムに顧客とやり取りすることをまったく想定していない旧来のシステムを使っています。インドネシアでは、KYC など多くの処理がいまだに手作業のため、顧客価値連鎖のデジタル化が難しくなっています。
有能な人材の獲得やチーム編成に関して言えば、特に技術や開発分野において、インドネシアなど東南アジア諸国のスタートアップは、バンガロールなどのグローバルなテクノロジーハブを買収しチームを立ち上げる傾向にある。
配車サービス大手 Go-Jek や人材・会計管理プラットフォーム Sleekr が、そういったスタートアップの一例だ。
チームを育成するにあたり、Jirnexu もまたそういった企業の例にならうのか?
今のところ、エンジニアリングに必要な人材はマレーシア国内で、あるいはマレーシアに呼び寄せることで確保し、ビジネスのニーズに対応できるという自信があります。ですが、優秀なチームを獲得できる機会があれば検討します。
Yuen 氏はそう締めくくった。
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