自動車マーケットプレイスのCarro、フィンテックアプリ「Genie Finance」の開発に向けて1,200万米ドルを調達

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Genie Finance のチーム

シンガポールの自動車マーケットプレイス Carro は本日(3月23日)、1,200万米ドルの資金調達を発表した。

リードインベスターについては明らかにされていないが、Carro の CEO、Aaron Tan 氏が e メールで我々 e27に説明したところによると、前回の資金調達に参加した Venturra Capital、Alpha JWC、Singtel Innov8などもこのラウンドに参加した。

今回獲得した資金は、Carro の100%子会社である Genie Financial Services が開発予定の新アプリ「Genie Finance」に活用されるという。

同アプリはアルゴリズムを使用して、個人のリスクプロファイルに見合ったローンを迅速かつ正確に計算する。また、チャットボットによる24時間365日体制のカスタマーサポートを提供する予定だ。

既存の銀行が提供する融資や借り換えプランなどを利用できるほか、Genie 単体がローンそのものを提供するため、「革新性を高め、迅速な融資承認プロセスが可能」となる。

Genie の誕生の背景には、自動車市場の融資プロセスを簡素化したいという同社の内発的なニーズがあった。

Alpha JWC のマネージングパートナーである Chandra Tjan 氏は、プレス声明でこう述べている。

Carro が規模を拡大するにつれて、自動車ファイナンスを利用するためのプロセスが非常に複雑になってしまいました。融資を希望するお客様に対してワンストップのサービスを提供したいと考え、チームを立ち上げました。そのチームが成長し、最終的に Genie となったのです。

目標と計画

Carro は2015年にデータサイエンティスト、自動車愛好家、ベンチャーキャピタリストから成るチームによって設立された。 2016年だけで5,000万米ドル相当の車を売買したという。

また、販売価格の見積もりに使える graph.sg、カーアクセサリの小売サイト Carro Accessories、自動車修理工場を検索できるアプリ Carro Workshop のほか、最近はオンデマンド自動車下取りオークションマーケットプレイス Carro Express をローンチしている。

Tan 氏によると、同社は積極的に成長を推し進め、グループ全体で年内に5億米ドル以上の取引を達成する計画だという。

同氏は e メールで次のようにコメントしている。

とりわけ Genie については、現状の成長が続くと仮定した場合、最初の1年間で1億米ドル相当の融資を達成できそうです。

同社が前回のラウンドを行ったのは2016年6月だ。この時 Carro はシンガポールから国際展開する計画を発表し、同年年末までにマレーシア、インドネシア、タイでプレゼンスを確立したいとの目標を示した。

Tan 氏によると、以来インドネシアとタイではプレゼンスを確立できているという。

彼はこう締めくくった。

今後数ヶ月間でこれらの地域市場への取り組みをさらに強化し、投資と成長を一気に3倍まで引き上げることを目指しています。

【via e27】 @e27co

【原文】

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