ライドシェア向けデジタル広告表示サービスのFirefly、シードラウンドで2,150万米ドルを調達

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Image Credit: Firefly

ギグエコノミーで働く人たちの中で、10万米ドル以上稼ぐ人はほぼいない。特にライドヘイリングのドライバーの間ではこれが顕著だ。TechCrunch の調査によると、Uber ドライバーの平均時給は19米ドルである。Lyft によると、米国内契約者の時給中央値は全国を通じて18.83米ドルになるという。さらに、トップ25の市場ではこれが21.08米ドルとなる。保険やガソリン、メンテナンスなどにかかる支出を考慮した調査では、収入はさらに下がっている。Buzzfeed の調査によって、デンバー、デトロイト、ヒューストンの Uber ドライバーの平均時給は13.25米ドル未満であることが明らかになった。また、MIT の調査員が実施し、Uber との争点となっている最近の調査では、Uber と Lyft のドライバーの税引き前利益の中央値は時給にして3.37米ドルであった。

これらの驚くべき数字が Kaan Gunay 氏の心を揺さぶった。同氏はスタンフォード大学出身で、長年にわたって Habitat for Humanity のボランティアを務めている。さらにサンフランシスコで Firefly というスタートアップを共同で設立し、ライドシェアのドライバーと直接取引して、車両の上に広告ディスプレイを取り付けている。50件の広告キャンペーンと、参加者と共に行った11万時間に及ぶテストを終えた Firefly は、12月6日ベータ版から正式ローンチした。同社は NFX がリードするシードラウンドで2,150万米ドルを調達したことを発表した。他にも Pelion Venture Partners、Tencent の共同設立者である Jason Zeng 氏の Decent Capital、Shutterfly の元 CEO でソフトバンクビジョンファンドの MD を務める Jeffrey Housenbold 氏が今回の投資に参加している。

これまでにも、スタンフォード大学の StartX Fund、Chesterfield Investments、Industry Ventures、Muse Capital、Cross Culture Ventures、Lime の設立者である Toby Sun 氏と Brad Bao 氏、Patrick Schwarzenegger 氏などが同社の投資に参加している。

Gunay 氏はこう話している。

他の多くのスタートアップとは異なり、Firefly はコミュニティを最優先にする考え方で始めました。コミュニティを後から付け足すのではなく、コミュニティと私たちの製品を一体化し、私たちの DNA を深く根付かせるのです。これを実現するために、あらゆる分野の都市社会の利害関係者と密接に連携して、価値、賃金、知見の向上に努めています。

Firefly のデジタルディスプレイには、別の場所でプログラムできるジオターゲティング広告と公共サービスのアナウンスを表示することができる。このサービスは、国内ブランドや地元ブランド、小規模ビジネスやチャリティが利用できる。このディスプレイが活用している屋外広告市場は世界規模で急速に成長しており、今年の市場規模は380億米ドルに達する見込みだ。同社によると、Firefly のディスプレイを使うと、ドライバーは平均して月に300米ドルを追加で稼ぐことができるという。これはおよそ20%の利益増になる。

その目標に向かって、同社はすでに多数のインプレッションを獲得している。Firefly によると、同社のネットワークは4万平方マイルの範囲で1か月あたり1億5,000万のインプレッションを獲得し、これまでの再生時間は65万時間以上になっている。

付加サービスでライドシェアプラットフォームに便乗しようとするスタートアップは Firefly が初めてではない。車内コマーススタートアップの Cargo は、菓子製造、電子機器、化粧品などのブランドとパートナーシップを結んでいる。同社はライドヘイリングの乗客が車内で商品を利用できるテクノロジーで9月に2,250万米ドルを調達した。

しかし、正確には Firefly は商業ベンチャーではない。同社は非営利団体や公共機関のアナウンス、権利擁護団体やコミュニティ組織といった非営利団体のプロモーションに使えるように、全商品の少なくとも10%を寄付している。さらに、売れ残った広告枠の10%を、コーヒーショップやレストラン、ブティックなど、チェーン未加入の小規模ビジネスに利用してもらっている。

Firefly は都市の役に立ち、その中で暮らし働くすべての人々の生活を向上させるスマートシティネットワークを構築しようとしています。(Gunay 氏)

Coalition for Clean Air は Firefly のサービスを早い段階で利用した企業の1つである。同社によると、ダウンタウン LA、サンタモニカ、ハリウッドのそれぞれの地域に特化した広告を「綺麗な空気の日」に合わせて展開したところ、4週間のキャンペーン期間で290万のインプレッションを獲得したという。

Coalition for Clean Air で開発責任者を務める Brian Sheridan 氏は次のように述べた。

Firefly とのパートナーシップ締結を非常に嬉しく思っています。今回のパートナーシップによって、カリフォルニアの「綺麗な空気の日」で、1人で車に乗るよりシェアして乗った方が良いという重要なメッセージをプロモーションすることができました。Firefly のプラットフォームを利用することで、ロサンゼルスの戦略的地域に展開して私たちのメッセージを届けることができました。Firefly の寄付広告によって、特別な行動を起こす日により大きな成功を収めることができました。すべての人のために空気を確実に綺麗にするという、将来に向けた革新的な取り組みでも Firefly とパートナーシップを結べることを楽しみにしています。

このビジネスにはデータ共有という要素もある。Firefly は地方自治体政府と協力して、都市におけるモビリティや歩行者の動き、大気の質に関する情報を提供する。

NFX のマネージングパートナーである James Currier 氏は次のように述べた。

人に優しいというアプローチで最先端のデータプラットフォームを構築したところが、Firefly が他社とは異なる点です。様々なネットワークを構築することで独自のテクノロジーに発展させ、人、政府、ビジネスをつないで都市や街を前向きな形で近代化できるのは Firefly しかありません。よりスマートかつ安全で持続可能な都市を構築し、地元社会に良い影響を与える上で Firefly はなくてはならない存在です。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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