人工知能がムダな広告費85%カットに成功ーーReproがAI研究結果を公表

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2018.12.18

Repro代表取締役の平田祐介氏

ニュースサマリ:モバイルアプリ/ウェブのマーケティングツール「Repro」のAI活用が成果を出している。11月末に公表された集英社での事例では、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」でアプリを利用しなくなる傾向のあるユーザー(以下、離脱ユーザー)を人工知能が予測。離脱前に防止策を打った実証実験について、その成果が公表された。結果として予測の誤差は10%以内に収まり、離脱防止にかかったコストは従来の手法(マニュアル)に比較して85%の削減に成功した。

話題のポイント:アドテクや顧客マネジメントのマーケティングオートメーション(MA)関連の話題は本誌でも度々扱ってますが、実際、どういう効率化があるのかイマイチ分からないものも多く「人工知能だ!」と声高に叫んでも、実は人手が思いっきりかかってた、なんてこともよくある話です。

その点、今回ご紹介するReproの結果は具体的でした。Repro代表取締役の平田祐介さんのお話交え、少し詳しく検証結果について紐解いてみたいと思います。

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今回実施された実験は平たく言えば、アプリを使わなくなる人を人工知能で予想して離脱を防ぐ、というものです。平田さんのお話では、従来こういった作業はマニュアルによるものが多く、「だいたい朝のこの時間にみんなアプリ使うだろうからよしプッシュだ」みたいな十把一絡げな運用が多いそうです。

「少年ジャンプ+」で実施されたのはもうちょっと細かく、アプリの再訪確率が低いユーザーを人工知能で抽出し、そのユーザーに対して特典などをプッシュ通知したそうです。面白かったのは、元々再訪率が高い(よく使っている)ユーザーは特典プッシュされてもウザいだけらしく、逆にプッシュで離脱してしまうのだとか。

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そもそも離脱するはずのなかったユーザーを戻すための広告費と、無駄撃ちしていた広告をカットすることで、実に85%の広告費削減に成功した、というのはわかりやすい結果ですね。人工知能の精度について平田さんはこのように説明してくれていました。

「MAの基本は誰に対して、何を、いつ、どうやって届けるのか、です。この内、人工知能で解決できるのは「What」以外全部できそうってことが分かってきたんです。特に「Who」については9割方予測可能」(平田氏)。

なお、このプッシュ通知を打つタイミングですが、ここにも人工知能が活躍する可能性があるそうです。これは別の匿名案件の事例として教えてもらったのですが、なんと1to1でプッシュをテストしてみたそうです。

つまり、とあるユーザーは再訪時間が午前2時あたりだろう、ということを人工知能で予測して、そのタイミングでプッシュを打つ、というものです。間違ってたら深夜にビービーアプリ鳴るわけですから極めて迷惑ですよね。具体的な数値は秘密ということでしたが、こちらもすこぶるよい結果が出たそうです。実験協力してくれた企業も知名度高い大手ですのでよくこれにOKを出したなと。

一方、まだまだ難しい面も当然あります。まず、アプリとの相性があります。人工知能には予測に必要な教師データが必要になりますから、類型が他にあれば予測精度も高まります。平田さんのお話では、マンガアプリのようにReproが得意とする類型がある場合だと導入してから数週間ぐらいで予測が可能になるそうですが、全くみたこともない、奇抜なソーシャルネットワークのようなものだとやはり月単位で「慣れる」必要があるという説明でした。

Reproではこれら結果を踏まえ、人工知能による離脱予測を「SmartAudience」としてサービス化も発表しています。現在はベータ版の提供で、ユーザーの行動履歴からアプリへの再訪率を予測し、自動でオーディエンスの分類をしてくれる、というものになるのだそうです。

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