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エキサイト、XTechによるTOB成立から1年で4期連続赤字から脱却——半期過去最高益を達成、既存事業成長と新規事業創出を加速へ

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昨年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)し、XTech 代表取締役 CEO の西條晋一氏がエキサイトの代表取締役社長に、また、ユナイテッド代表取締役会長の早川与規氏、overflow 代表取締役 CEO の鈴木裕斗氏が社外取締役に就任したのは既報の通りだ。今年に入って新たに、石井雅也氏、秋吉正樹氏が…

後列左から:鈴木裕斗氏(社外取締役)、藤田毅氏 (執行役員)、早川与規氏(社外取締役)、齋藤匠氏(執行役員)
前列左から:秋吉正樹氏(取締役)、西條晋一氏(代表取締役)、石井雅也氏(取締役)
Image credit: Excite Japan

昨年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)し、XTech 代表取締役 CEO の西條晋一氏がエキサイトの代表取締役社長に、また、ユナイテッド代表取締役会長の早川与規氏、overflow 代表取締役 CEO の鈴木裕斗氏が社外取締役に就任したのは既報の通りだ。今年に入って新たに、石井雅也氏、秋吉正樹氏が取締役に、齋藤匠氏が執行役員に就任した。

エキサイト誕生当初から検索エンジンの開発に関わり、現在は執行役員・テクノロジー戦略室室長を務める藤田毅氏を除けば、経営陣の顔ぶれは、ほぼ全員がサイバーエージェントや旧シーエー・モバイル出身者で揃ったことになる。以前は伊藤忠の子会社として経営されていたエキサイトをニューエコノミーに親和性の高い経営陣に刷新していく中で、結果的にサイバーエージェント・マフィア的な陣容で固められることとなったようだ。

一般的に赤字に陥った企業が業績の V 字回復を狙う場合、ターンアラウンドマネージャーが最初に手をつける場所は、人員削減や給与削減だろう。ただ、先の記事で西條氏が社員に向けて発したメッセージに書いていたように、同社は人員削減や給与削減は実施しなかった。

長年のガバナンス重視の歴史から、エキサイトは組織のヒエラルキー構造が多層化していて、アドミン部門などに社員が多く配置されていた。新経営陣は組織をよりフラットに変え、社員をプロフィットセンターに異動させるなどリソースの配置最適化を実施したとのことだが、それだけでは1年で結果を出すのは難しい。不採算子会社の整理、アウトソースしている業務の費用見直しなどを組み合わせた結果、2020年3月期の上期決算(2020年9月末締)で、営業利益・経常利益ともに4億円超を達成したという。1997年8月の創業以来、この数字は過去最高益となるものだ。

新規事業の開拓

エキサイトの若手社員の皆さん
Image credit: Excite Japan

THE BRIDGE の読者の中には、「あした会議」の存在を知る人は少なくないだろう。サイバーエージェントが、藤田晋社長のもと社員総出で新事業創出に臨む会議のことだ。この仕組みは、旧・藤田ファンドのローンチ時にも、事業支援するスタートアップをソーシングする手段として活用されていた。経営陣の多くをサイバーエージェント出身者が占めるようになったエキサイトには、このあした会議のコンセプトも持ち込まれたようだ。

U30 に限定したチームを4つ作り新規事業を考えるイベントや、ネットワークを広く持つ役員が主体となって事業を考えるイベントなどが社内で定期的に開催されている。新たな D2C サービスのローンチも始まり、スタートアップスタジオである XTech とエキサイトの間でも人材交流があるという。

エキサイトは、ブロードバンド事業、メディア事業、コンテンツ事業などで年間60億円程度の売上を誇る。赤字が続いていたことから、単体では黒字で有望な事業にもコンサバティブなアプローチが続き、積極的な投資ができず機会損失しているサービスが多かったという。現段階では半期であるものの、過去最高益の黒字を達成したことで、同社では今後、既存事業のグロースや新規事業への投資を積極化させる。今回は単半期の黒字であるが、今後これを累積赤字の解消につなげ、来年以降、新生エキサイトによる再 IPO を狙うとみられる。

スタートアップスタジオのXTechが新会社XTalent設立、ハイスキル・キャリアワーママのための転職サービス「withwork」を開始

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スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)は7日、子育て世帯の働き方改革と新しいキャリアのあり方を実現することで企業の競争力を高めることを目的とした子会社 XTalent(クロスタレント)を設立したことを明らかにした。また、同日、ハイスキルやビジネスキャリアを持ちながらも、子育てなどの理由から通常の就労形態につけない女性をターゲットにした、時短ポジションへの人材紹介事業「withwo…

左から:南保香菜子氏、上原達也氏(代表取締役)、松栄友希氏(マネージャー)、西條晋一氏(取締役)
Image credit: XTalent

スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)は7日、子育て世帯の働き方改革と新しいキャリアのあり方を実現することで企業の競争力を高めることを目的とした子会社 XTalent(クロスタレント)を設立したことを明らかにした。また、同日、ハイスキルやビジネスキャリアを持ちながらも、子育てなどの理由から通常の就労形態につけない女性をターゲットにした、時短ポジションへの人材紹介事業「withwork(ウィズ・ワーク)」をローンチした。

withwork では、時短制度の詳細、時短勤務時の給与体系、在籍ママの勤務状況といった求人票には書かれていない企業情報を独自に把握。育児と仕事で忙しい女性がスキマ時間で転職活動を進められるよう、来社の不要な電話面談や LINE での転職アドバイス、経歴書の作成代行などを行うことで、一般的な人材紹介会社では手の届かないサポートを実現し、女性の転職活動を支援する。同社では、労働時間ではなく成果で評価される環境で、優秀な時短ママが企業成⻑に貢献する機会を創出したいとしている。

Image credit: XTalent

XTalent の代表取締役には Web マーケティング会社の Speee 出身で、JapanTaxi で「JapanTaxi BUSINESS」の立ち上げに従事した上原達也氏が就任。また、XTech Ventures 共同創業者兼ジェネラルパートナーの西條晋一氏が取締役を務める。同社では、転職支援を提供することから着手し、就業規則コンサルティングや自治体と連携した保活支援サービスなど、子育て世帯のキャリア支援に向けた事業展開を検討するとしている。

スタートアップスタジオのXTech、飲食店とサプライヤーをマッチングする「クロスマート」をローンチ

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スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)の子会社であるクロスマートは15日、飲食店とサプライヤーをマッチングするプラットフォーム「クロスマート」をローンチした。飲食店にに対しては食材などの仕入れコストの適正化できる機能、サプライヤーに対しては新規顧客を開拓するためのチャネルを提供する。 飲食店において食材原価は3割〜4割を占め(チェーン店舗においては、それより低い傾向にあるが)、仕…

左から:クロスマート 技術本部 高久康太氏、取締役 寺田佳史氏、代表取締役 西條晋一氏、執行役員 岡林輝明氏、技術本部 岩瀬優氏)
Image credit: Xmart

スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)の子会社であるクロスマートは15日、飲食店とサプライヤーをマッチングするプラットフォーム「クロスマート」をローンチした。飲食店にに対しては食材などの仕入れコストの適正化できる機能、サプライヤーに対しては新規顧客を開拓するためのチャネルを提供する。

飲食店において食材原価は3割〜4割を占め(チェーン店舗においては、それより低い傾向にあるが)、仕入コスト削減は利益改善に大きなインパクトを与えるが、実際のところ、飲食店、特に小規模な店舗は付き合いのあるサプライヤー数社から仕入れていて、価格交渉などは効果的に行えていないのが現状だ。

クロスマートでは、ユーザである飲食店が現在仕入れで使っている納品伝票をスマートフォンのカメラで撮影、それをプラットフォーム上にアップロードするだけで、サプライヤーからよりよい条件提案を受けられる仕組みを提供。クロスマートに登録されているサプライヤーには、飲食店の名前が伏せられた状態で提案が促され、飲食店が価格提示を受けて合意すれば、サプライヤーに飲食店の名前が開示され、双方の具体的な交渉が始まる。

サプライヤー向けダッシュボードのイメージ
Image credit: Xmart

一見すると、この分野で先行しているインフォマート(東証:2492)にも似ているが、インフォマートが飲食店とサプライヤーを結ぶマーケットプレイスを構築し、双方の業務全般を改善するソリューションを提供しているのに対し、クロスマートは飲食店とサプライヤーの繋ぎ込みに特化しているようだ。しかし、双方(特に飲食店側)のリテンションを確保するため、クロスマートでは半年に一度程度、飲食店にリマインドを送る仕掛けを計画している。

ホテルなどでは、半年に一度程度の頻度で、仕入れ先を見直す総チェックを行なっていて、この頻度はそれに倣ったもの。一度、コストの診断で使ってもらった飲食店にリマインドすることで、メニューを変えるタイミングなどで、クロスマートを再び使ってもらえるいい契機になる。(取締役 寺田佳史氏)

クロスマートの事業責任者を務める取締役の寺田氏は、サイバーエージェントで大手企業とのアライアンス事業や Facebook コマース事業に従事。その後、グループ会社のサイバー・バズでヘルスケアメディア「Doctors Me」を立ち上げた人物だ(Doctors Me は、2017年にアドメディカに事業売却されている)。

数ヶ月前にクローズドβ版としてローンチし、これまでに飲食店50店舗、サプライヤー10社が登録。β運用中には、仕入価格を平均で5%下げられることが実証できた。飲食店向けのオンラインサービス各社とのアライアンスにより飲食店を確保、サプライヤーについては、地道な営業展開に加えて、飲食店からの紹介も期待できるという。しかし、飲食店とサプライヤーの関係は信頼で成立しているし保守的な市場とも言えるだろう。前出のインフォマートのようなガリバーもいる中で、この市場に風穴を開けることは可能だろうか?

左から:クロスマート 執行役員 岡林輝明氏、代表取締役 西條晋一氏、取締役 寺田佳史氏
Image credit: Xmart

飲食店とサプライヤーの契約はあくまで当事者同士のものになるが、現状、クロスマートは飲食店がユーザ登録した際に、飲食店が実在するかどうかのチェックを行なっている。今後、ネットプロテクションズなどを使った事前審査、データが一定量溜まれば、サプライヤーや飲食店の相互のレビュー機能なども充実させていくという。飲食店にとっては閉店時間中の食材納品のためにサプライヤーに店舗の鍵を貸すこともあるし、サプライヤーにとっては一定の掛売りが発生する間柄なので、この点は相互信頼確立のために気になるところだ。

飲食業界は IT リテラシーが高くないと言われたのも今は昔、若年層にスマートフォンやタブレットが浸透し、飲食店経営者も代替わりを迎える中で、この通説も変化してきている。長年の取引先は大事だが、オンラインプラットフォームを通じて、よりよい条件で新たな取引先と信頼を確立できるなら、手間は厭わないという新しい世代が飲食業のメインプレーヤーになりつつある。今秋予定されている消費税率のアップもまた、価格と利益を維持するため、飲食店には仕入コストを圧縮しようとするモチベーションとして働き、クロスマートにとっては追い風になるかもしれない。

クロスマートでは今後、サプライヤーの開拓を進めるため、カスタマーサクセス人材の確保に注力したいとしている。XTech 傘下にはクロスマートのほか、XTech Venturesイークラウドエキサイト地球の歩き方 T&EM&A BASE などが存在する。

XTech、M&A支援事業に参入——M&A BASEを設立し、XTech新卒第一号の廣川航氏が取締役に就任

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スタートアップスタジオを運営する XTech(クロステック)は18日、M&A BASE を設立し IT 領域に特化した M&A 支援事業に参入すると発表した。M&A BASE の取締役には、XTech 新卒第一号の廣川航(ひろかわ・わたる)氏が就任した。また、M&A BASE の代表取締役には XTech の代表取締役である西條晋一氏が就任した。 XTech は昨年…

左から:西條晋一氏、廣川航氏、手嶋浩己氏

スタートアップスタジオを運営する XTech(クロステック)は18日、M&A BASE を設立し IT 領域に特化した M&A 支援事業に参入すると発表した。M&A BASE の取締役には、XTech 新卒第一号の廣川航(ひろかわ・わたる)氏が就任した。また、M&A BASE の代表取締役には XTech の代表取締役である西條晋一氏が就任した。

XTech は昨年、新事業子会社の取締役に廣川氏が就任する予定であることを明らかにしていたが、それが名実ともに実現された格好だ。廣川氏は慶應義塾大学商学部に在学中で、2019年3月に卒業予定。中学2年生より株式投資を始め、大学進学後は、複数のスタートアップや East Ventures、あすかコーポレートアドバイザリー、トーマツベンチャーサポートなどでリサーチ業務に従事した。2018年8月に XTech の新卒第一号に内定し、Twitter で日々企業動向を分析し情報発信している。

XTech による買収では、昨年10月に実施した地球の歩き方 T&E の買収、11月末に完了したエキサイトの TOB が記憶に新しいところだ。今月にはミクシィ(東証:2121)と、上場企業買収を見据えた M&A 包括連携協定を締結している。

XTech では、新産業である IT 領域で M&A を行うための売り手と買い手の情報収集、PMI を想定したアドバイスができる人材など M&A の基盤が不足していると指摘。特にこの分野に注力するために今回 M&A BASE の設立に至った。M&A BASE では、IT 領域のスタートアップや大企業に対し、専門知識を持つスタッフが M&A に関するアドバイザリー、仲介、デューデリジェンス、PMI の支援などを提供する。

via PR TIMES

エキサイトの代表取締役社長にXTech西條晋一氏が就任——社外取締役にユナイテッド会長の早川与規氏、overflow代表の鈴木裕斗氏を招聘

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本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。 今年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)することを明らかにした。報道によれば、買収に要した資金は約55億円。もともと伊藤忠の子会社だったエキサイ…

左から:早川与規氏、西條晋一氏、鈴木裕斗氏

本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。

今年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)することを明らかにした。報道によれば、買収に要した資金は約55億円。もともと伊藤忠の子会社だったエキサイトを XTech が引き継ぐことで組織の若返りが期待されていたわけだが、それがようやく本格始動した模様だ。

エキサイトは18日、XTech 代表取締役 CEO の西條晋一氏がエキサイトの代表取締役社長に、また、ユナイテッド代表取締役会長の早川与規氏、overflow 代表取締役 CEO の鈴木裕斗氏が社外取締役に就任すると発表した。XTech による TOB は11月末に完了しており、18日に開催される役員総会において、3名の代表取締役および社外取締役就任が決議される予定。

エキサイトが、アメリカ Excite(当時)の子会社として設立されたのが1997年8月、その3ヶ月後には伊藤忠グループ入りが発表された。その後20年以上にわたって大手商社の傘下にあったエキサイトだが、インターネットやモバイルビジネスの進展が日々そのスピードを加速する中で、「外から新しい情報を取り入れるの忘れ、ガラパゴス化してしまっている」と西條氏は語る。西條氏が早川氏や鈴木氏が社外取締役に招いたのには、そんな淀みに刺激を与える意図があるようだ。

西條氏は今回の代表取締役に先立ち、約250人いるエキサイト社員のうちの7割程度に面接を完了しているようだ。ガバナンス重視の経営が続いた影響からか、エンジニア、事業開発、営業といった直接部門より間接部門の方が人数が多くなっているとのことだが、今後、社内で人材配置を適正化するなどして、より足腰の強い組織に変えていくという。

例えば、過去の結果に注力する決算のための経理業務よりも、将来の事業見通しを展望する管理会計に重点を置く。XTech 傘下には、XTech Ventures、イークラウド、クロスマート、エキサイト、地球の歩き方 T&E などが存在するが、これら他の事業会社との協業や人材交流なども考えられるだろう。

THE BRIDGE では、西條氏が代表取締役就任にあたって社員向けに発出したメッセージを入手したので、その全文を掲示しておく。このメッセージからは西條氏がエキサイトで何をしようとしているのか、これからのエキサイトがどのように変貌を届けるのかを伺い知ることができるだろう。

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XTech、株式投資型クラウドファンディング参入で新会社を設立——大和証券グループから資金を調達

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スタートアップスタジオを運営する XTech(クロステック)は21日、株式投資型クラウドファンディングへの参入を目的に新会社イークラウドを設立したことを発表した。これとあわせて、大和証券グループのフィンテック専門子会社 Fintertech から資金調達を実施したことも明らかにした。 イークラウドの資本金4億4,200万円(資本準備金を含む)のうち42%を Fintertech が、残りの58%を…

XTech / イークラウド代表取締役の西條晋一氏(右)と Fintertech 代表取締役の武田誠氏(左)
Image credit: XTech

スタートアップスタジオを運営する XTech(クロステック)は21日、株式投資型クラウドファンディングへの参入を目的に新会社イークラウドを設立したことを発表した。これとあわせて、大和証券グループのフィンテック専門子会社 Fintertech から資金調達を実施したことも明らかにした。

イークラウドの資本金4億4,200万円(資本準備金を含む)のうち42%を Fintertech が、残りの58%を XTech が出資しているため、イークラウドは1億8,500万円程度を Fintertech から調達したことになる。Fintertech は今年4月、デジタルネイティブ向けのフィンテックサービス開発を意図して設立された大和証券グループの100%子会社で、最近では証券業務のブロックチェーン技術実用化プロジェクトへの参加なので注目される。Fintertech の資本金は設立時点で8億円であるため、その後の増資がなければ、自己資本の約4分の1をイークラウドに出資したことになる。

イークラウドが手がけるのは投資型クラウドファンディングの事業で、来年以降のサービスローンチを予定している。日本における投資型クラウドファンディングの分野では、エメラダ・エクイティファンディーノセキュリテなどが先行する。後発となるイークラウドが目指す優位性について、XTech の代表取締役で、イークラウドの代表取締役にも就任した西條晋一氏は、THE BRIDGE の取材に対し、「クラウドファンディング案件のディールソースにおいて、豊富な人的ネットワークが有効に機能するだろう」と応えた。

投資型クラウドファンディングでは、出資条件が折り合わないときや、応援してくれるファンは多くても事業の性質から機関投資家系の資金が集まりにくいなどの理由から、事実上、ベンチャーキャピタルからの資金調達が難しい場合に利用されていることが多い。日本の投資型クラウドファンディングは現在、調達総額が上限1億円(投資家一人あたりの出資金額は50万円まで)に規制されていることから、「時価総額5億円程度で評価されるシード・アーリー期のスタートアップが、20%程度の資金を調達するのが想定されるケース(西條氏)」とのことだった。

XTech の関連会社である XTech Ventures は、ベンチャーキャピタルとしてシードスタートアップへの出資を実施している。「既存ビジネス × テック」のシードスタートアップを投資対象に定めていることは既報の通りだが、この中から投資型クラウドファンディングに向いた案件が、イークラウドに誘導されるケースも考えられるだろう。イークラウドの投資型クラウドファンディングはサービス開発中であり、Fintertech やその親会社である大和証券がどの程度サービスに関与するかは現時点で不明だ。

投資型クラウドファンディングには、株主が非常に多数となったり、プラットフォーマーの手数料が多額になったりするなどの課題点も存在する。間接的に証券会社が関与している点からも、資金調達を実施するスタートアップにとっても投資家にとっても、有利な条件が提示されることを期待したい。

<参考文献>

西條氏のXTechが「地球の歩き方T&E」を買収、留学・旅行事業に参入

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Startup Studioを手がけるXTechは10月2日、留学事業および旅行事業への参入を目的として地球の歩き方T&Eを買収したことを発表した。 旅行ガイドブック「地球の歩き方」などを手がけるダイヤモンド・ビッグ社が保有する株式を10月1日付で取得したもの。これに伴い地球の歩き方T&Eの代表取締役副社⾧だった万浪靖司氏が同社代表取締役に就任する。株式譲渡にかかる詳細な条件や価格…

Startup Studioを手がけるXTechは10月2日、留学事業および旅行事業への参入を目的として地球の歩き方T&Eを買収したことを発表した。

旅行ガイドブック「地球の歩き方」などを手がけるダイヤモンド・ビッグ社が保有する株式を10月1日付で取得したもの。これに伴い地球の歩き方T&Eの代表取締役副社⾧だった万浪靖司氏が同社代表取締役に就任する。株式譲渡にかかる詳細な条件や価格などは開示されていない。

地球の歩き方T&Eは留学ガイドブックの発行や留学カウンセリングなどの手続代行を行っている留学エージェント会社。語学留学やワーキングホリデーといった個人向けの留学のサポートをするB2C事業に加え、企業・学校法人に向けに海外ボランティア、インターンシップの斡旋(あっせん)や、体験型プログラムの販売をしている。これまで30年以上に渡り累計約25万人の留学をサポートし、約740校と提携するなど幅広いプログラムを提供してきた。

<参考記事>

今回の買収により、XTechでは地球の歩き方T&Eが保有する「第1種旅行業」登録を活用し、国内、海外の旅行事業への本格参入を目指す。

via PR TIMES

西條晋一氏率いるXTech Ventures、ミドルエイジ起業家向けシード出資に特化した50億円規模ファンドを組成——みずほFGや東京建物らがLPに

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サイバーエージェント・ベンチャーズや WiL(World Innovation Lab)の立ち上げなど投資家としての顔だけでなく、スマートロックを開発するスタートアップ Qrio の代表として起業家としての活動にも忙しい西條晋一氏だが、3日、独立系ベンチャーキャピタル XTech Ventures(クロステック・ベンチャーズ)の1号ファンドを組成したことが明らかになった。ファンド規模は50億円で、…

サイバーエージェント・ベンチャーズWiL(World Innovation Lab)の立ち上げなど投資家としての顔だけでなく、スマートロックを開発するスタートアップ Qrio の代表として起業家としての活動にも忙しい西條晋一氏だが、3日、独立系ベンチャーキャピタル XTech Ventures(クロステック・ベンチャーズ)の1号ファンドを組成したことが明らかになった。ファンド規模は50億円で、LP には、みずほフィナンシャルグループ(東証:8411)、東京建物(東証:8804)、グリー(東証:3632)、日用品卸大手のあらた(東証:2733)など、大手事業会社や金融機関が名前を連ねる。

西條氏は今年4月、東京建物と共同で東京・八重洲にスタートアップ支援拠点「xBridge-Tokyo(クロスブリッジトウキョウ)」をオープンさせている。スタートアップが集まる場をを準備し、次なるはそのスタートアップを成長させるビークルを新たに作り出したわけだ。投資領域は、「既存ビジネス × テック」で定義される分野として特に定められていないが、シードラウンドで1ショット投資額(チケットサイズ)が平均1億円と、やや高めに設定されている点が特徴的だ。その理由について、西條氏は THE BRIDGE に次のように語ってくれた。

若い起業家が増えているのは、すごくいいこと。でも一方で、わりと実力のあるミドルエイジの人たちが起業していないな、というのが僕の印象。彼らは転職してしまって、起業に至らないケースが多いように思える。

アメリカのユニコーン企業の創業者の年齢を見てみると、確かに20代が多いけど、35〜44歳あたりも一定割合を占めている(下図参照)。しかも、今、うまくいってる旬な会社の社長というのも40〜45歳くらいが多い。

(一番旬な年頃なので)その年代の人たちが、もっと起業して大丈夫なはず。彼らの背中を後押しするしくみを作りたかった。

ユニコーン企業の創業者年齢分布
Image credit: Harvard Business Review
CEO の現在年齢と創業者の創業時年齢分布
Image credit: Harvard Business Review

ただ20代の人々に比べれば、ミドルエイジの起業にはメンタル面でのハードルは高いかもしれない。自分一人ならまだしも、結婚して育ち盛りの子供もがいるケースも多いだろうし、家族をどうやって食べさせて行くかという生活費の面での不安が頭をよぎる。奥さんの両親を説得するために、一波乱あることを覚悟しなければならないかもしれない。

XTech Ventures ではそんな起業家のために、一般的なファンドよりもバリュエーションを少し高めに設定することを想定している。こうすることで、獲得するエクイティの持分は従来シード VC と同等の水準を維持しつつ、シード段階でやや多めの出資を可能にしている。XTech Ventures から投資を受けたスタートアップは資金面で比較的余裕を確保できるため、創業者メンバーは家族との適切な生活水準を維持しながら、事業開発にリソースを集中しやすくなる。

無論 VC の視点から言えば、バリュエーションを高めに設定するには相応の理由が必要になるわけだが、ミドルエイジで起業を志した人であれば、それまでの事業経験や豊富な人的ネットワークがバネとなり、事業を成功させられる可能性が高くなる、という仮説に基づいているようだ。40代ともなれば、大企業の中では部長や課長など一定の決裁権を持っている立場になっている人も多い。オープンイノベーションという観点から見ても、大企業とのリレーション形成に有利に働くシーンは容易に想定できる。

XTech や XTech Ventures では今後、起業家の集積やミドルエイジによる起業を促すため、xBridge-Tokyo 以外にもいくつかの施策を計画しているようだ。もう少し形が見てきたタイミングで、改めて詳報をお伝えしたい。