
本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa の取材の一部。
今年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)することを明らかにした。報道によれば、買収に要した資金は約55億円。もともと伊藤忠の子会社だったエキサイトを XTech が引き継ぐことで組織の若返りが期待されていたわけだが、それがようやく本格始動した模様だ。
エキサイトは18日、XTech 代表取締役 CEO の西條晋一氏がエキサイトの代表取締役社長に、また、ユナイテッド代表取締役会長の早川与規氏、overflow 代表取締役 CEO の鈴木裕斗氏が社外取締役に就任すると発表した。XTech による TOB は11月末に完了しており、18日に開催される役員総会において、3名の代表取締役および社外取締役就任が決議される予定。
エキサイトが、アメリカ Excite(当時)の子会社として設立されたのが1997年8月、その3ヶ月後には伊藤忠グループ入りが発表された。その後20年以上にわたって大手商社の傘下にあったエキサイトだが、インターネットやモバイルビジネスの進展が日々そのスピードを加速する中で、「外から新しい情報を取り入れるの忘れ、ガラパゴス化してしまっている」と西條氏は語る。西條氏が早川氏や鈴木氏が社外取締役に招いたのには、そんな淀みに刺激を与える意図があるようだ。
西條氏は今回の代表取締役に先立ち、約250人いるエキサイト社員のうちの7割程度に面接を完了しているようだ。ガバナンス重視の経営が続いた影響からか、エンジニア、事業開発、営業といった直接部門より間接部門の方が人数が多くなっているとのことだが、今後、社内で人材配置を適正化するなどして、より足腰の強い組織に変えていくという。
例えば、過去の結果に注力する決算のための経理業務よりも、将来の事業見通しを展望する管理会計に重点を置く。XTech 傘下には、XTech Ventures、イークラウド、クロスマート、エキサイト、地球の歩き方 T&E などが存在するが、これら他の事業会社との協業や人材交流なども考えられるだろう。
THE BRIDGE では、西條氏が代表取締役就任にあたって社員向けに発出したメッセージを入手したので、その全文を掲示しておく。このメッセージからは西條氏がエキサイトで何をしようとしているのか、これからのエキサイトがどのように変貌を届けるのかを伺い知ることができるだろう。
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